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明日があるさ

作者: ややこ

過去に書いた小説を修正したものです。修正といっても、ほぼ原型のまんまなので、いろいろめちゃくちゃです。

「何でだー!!!!」


“スパーーーン!!!”


 朝から景気良く叫んだ。そしたら同じく景気良く軽快な音がした。同時に後頭部に衝撃と鈍痛が走った。

 つまり、俺は殴られたのだ。


「うるさい!!」


「痛えー!」


 後頭部を抑えてうずくまった俺の隣に立つのは担任のタナカ。下の名前は忘れた。

 非常にイラついた顔をしている。ピクピクとこめかみが動いているぞタナカ。なんとなく青筋も見えるぞタナカ。

 そしてタナカの手には斜めに構えた出席簿。


 え、何、生徒を角で叩いちゃうの、この人?


「いきなりどうした。ジンセーは人生に苦労してるのか?相談に乗るぞ?ん?」


「仁成(ヒトナリ)です!そしてダジャレのネタにしないで下さい!さらに角で叩かないで下さい!ついでにそういう慰めは叩く前におっしゃって下さい!」


 よっしゃ息継ぎなしで言えたっ!!

 しかし、意味のない満足感を、この担任は綺麗にぶち壊してくれた。


「ジンセーって注文が多いのな。料理屋でもやったらどうだ?『人生定食』とか?うわ、すぐ潰れそう」


 あはは、と軽快に笑う。性格悪っ!!こいつ、何で教師になったんだ!!


「で、何で叫んだんだ?」


「は?」


 急に話題を変えられて、咄嗟に反応できなかった。

 すると、タナカは再びイラついた声を出した。非常に理不尽である。


「だから、いきなり発狂した理由だよ!すぐ分かれ馬鹿。ほんと理解が遅ぇ馬鹿だな」


 誰がこの人を教師にした!

 必死に本音を隠しつつ、引きつった笑顔で立ち上がる。

 OK俺。落ち着け俺。内容は単純明快に、且つわかりやすくだ。さあ息を吸い込め。


「どうして、今日は、学校が、休みなんですか?」


 そう、今日も俺は6時前に起きて、長い時間をかけて学校に来た。

 それなのに、いつもなら大勢が行き交う玄関には誰もいない。自分の教室も他クラスも同様でだった。

 不思議に思って職員室に来たら、担任のタナカがいたのだ。

 そして、今日は学校は休みだと知る。


「アホか。土曜は学校祭だったろうが。月曜の今日は振替休日だ」


「そんなの知りませんよ!?」


「あー・・・・・・・・・・」


 すると、タナカは数秒黙ったあと、ボソリと言った。


「そういや、お前が風邪で休んだときに松川にプリントと伝言を頼んだ気が…」


 俺は素早くスラックスのポケットから携帯電話を取り出した。休日とはいえ、ここが職員室だということも忘れていた。それくらい無意識の行動だったのだ。

 そして友人である松方の番号を呼び出した。3回のコールの後で友人の迷惑そうな声が聞こえた。


『ジン?今、彼女とデート中なんだけど』


 俺は静かに息を吸った。


「犯人はお前かーー!!!俺の早起き返せ!!」


「うっせぇ!!」


“スパーーーーン”


「痛ぇ!」


 人生って辛い。


 俺は静かに涙を流した。













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