12.ねこは2回目の依頼を受ける。
僕らが外に出た時そこにはギルマスのバストン。そしてセファがいた。
「武器屋に何しに行ってたんですか?」
「タマちゃんの武器の選定。登録はギルド職員でいいけど、選定こそ強い人がいるべきよ」
「そうか、そうか。けど、こんな俺なんかよりセファ殿の方が強いではないか!」
バストンが笑いながら言った。
僕から見たらセファはコロシアムに出てたBランクの光属性のフェイマスより強い気がするにゃ。あの、ジャイニークと互角って感じにゃ。
けど訛りのある喋りが特徴のバストンよりは弱そうなんだけどにゃ…
……ん?あの特徴的な喋り方は?
そしてセファに耳打ちをする。
「あの人って変な喋り方の人じゃないの?」
思っていたより声が大きかったのか、“そうだ!”みたいな顔をしたバストンが、
「みんなはあれの方がいいと思ったぺ。こっちが本当だべ!」
かなり早口で答えた。これは嘘にゃ。
「バストンさん。それ嘘ですか?」
ジー君が先に核心をついてしまった。負けたにゃ。
バストンは一呼吸、置いた後に口を開く。
「俺、キルドの仕事に戻るわ! …戻るっぺ!」
「バストンはね、私の方が強いとか言ってたけど、彼の方が圧倒的に強いわ。けど、模擬演習とかだとね…」
「俺知ってる!なんか戦場では強いのに模擬戦だと弱くなる人っていう謎かけあったわ!昔やったぜ!」
「もしかして…仲間思いすぎるってことにゃ?」
「よくわかったわね。タマちゃんは本当に冒険者に向いているのかも」
そういうことだたのか。だからあんな喋り方だったのか? …辻褄が合わないにゃ。
「なんであんな喋り方にゃの?」
「彼がいうに『俺はギルドマスターなのに強くないし、特徴もない』だってさ。」
セファがそう言ったが僕はそうは思わない。バストンは威圧感が半端ないし、そのもそ筋肉のつき方が一般人じゃない。
「模擬戦では自分が負けるから弱いと勘違いしちゃってね… だから新人に舐められるんだけど、私がそこをフォローするから贔屓してくれるんだよね」
バストン…いいやつにゃ…
「タマ、俺だって並の冒険者並には強いんだぜ!」
ーーペシンッ
「いってええぇぇ!!」
「デコピンで喚く冒険者がどこにいる?」
「ここです……」
「ジー君は見え張りすぎないようにね。じゃあ本当の冒険者のタマちゃん、初依頼行こっか!」
「にゃ! けど2つ目の依頼と訂正するにゃ!内容は秘密にゃ!」
こうやってどうでもいいことを反論するの楽しいにゃ。セファのこと今度からかってみるにゃ。ガンドル先輩みたいに…
僕らは再びギルドに入った。
「タマちゃんはGランクだから薬草採取しかできないね。」
「戦いたいにゃ!」
「薬草採取は戦闘場所の地形の確認をしてほしいという新人君へのメッセージが込められているんだよ。あ、ジー君は帰っていいよ。」
「タマの前でジー君って呼ぶのやめてください…居たい気持ちはあるんですけど、宿題がやばくて。帰ります!」
「ジー君バイバイ!」
プイッといた感じでジー君は帰っていった。
「じゃあ依頼選んできな。」
「受付行けばいいにゃ?」
「あれ、説明されなかった?あそこのモニターに依頼があるでしょ。そこに冒険者カードをタッチして依頼を受けるんだよ。」
セファが指を指した場所には大きなモニターがあって、そこにタッチをしている冒険者がいる。改札みたいにゃ。
「じゃあこれしかないにゃ!」
僕は薬草採取の依頼の枠にカードをタッチした。
「……銀色?じゃあD級?……」
「僕はGランクの依頼を受けたにゃ!」
「タマちゃん。カード見ていい?」
僕は腕についた冒険者カードをセファに見せた。そして続け様にカードを裏返す。
「付箋がついてるよ。えっと…“初依頼のボーナスポイント”?」
あれ、セファに依頼バレちゃう!?
「あー…あの酒婆の仕業か。タマちゃん、でもあの酒婆は変なやつだけど、権限自体は強めの人間だし大丈夫だよ。」
「あの綺麗な女性?いや…婆じゃにゃいし…」
「その人で合ってるよ。けど、詮索は私の前では禁止。なんの依頼かは聞かないから。」
「じゃあ僕はDランク冒険者にゃ!」
1つ目の依頼でD級冒険者になったタマはGランクの依頼に出向くのだった。
伏線張るのは好きなんですけど、すぐ消費しちゃうんですよね
11話の最後の変な描写覚えているでしょうか?
上手い作家さんはあれを上手に描けるんだろうけど…ほんと下手くそでした!すみません!
どうか練習に目を瞑ってください。1年後くらいに修正しようかな…(覚えてたら)
今日も感想、評価、ブックマークを望んで椅子に座っています。




