10.やっと冒険者の1歩手前
「おい、もうすぐで俺のおすすめの雑貨屋があるんだぜ!なんか買ってやるよ。」
そうジリガートが言うと金貨を親指で上に弾き出す。
金貨は前世でいう1万円。少しお金持ちの子がもらうお小遣いの額だろう。
でも…それで奢るってことは1万円は大したことない金ってことにゃ…
やっぱり金持ちにゃ…
「あれ、ない!?」
僕は少し考えに耽っていてジー君の目線の先をみていなかった。
「ほら行くわよ!!」
セファがそう言うと僕とジー君の腕を握って瞬く間に広場を抜けたのだった。
ーーそしてタマに壊された雑貨屋はガンドル商会に引き取られ、世界に名を売ることになる。
「なんか…ごめんタマ。何か買ってあげようと思ったんだけど」
「早く冒険者になりたいにゃ!」
「一応聞くけど、タマちゃんはコロシアムで働くためになるの?一流冒険者になるため?」
「一流冒険者になってコロシアムに出るにゃ!」
僕は輝かなければならない。警備なんかじゃダメにゃ。
僕たちは冒険者ギルドの前にいる。
……あれ?セファがいないにゃ
「そこのお嬢さんうちのパーティーに入らない?」
「護衛の坊主より強いぞ」
「いい装飾品つけているな」
そんな声がどこからとなく聞こえてくる。セファは可愛いから大変にゃ。
「うちのタマちゃんに手を出すな!」
セファが声を張り上げて言った。
「セファさん!?すみませんでしたああ!!」
そしてナンパの男たちは消え去った。
そんなにビビるならセファにナンパするなにゃ。
「タマちゃん大丈夫?」
「俺が守ってやったから大丈夫だぜ!」
「セファこそ男から狙われてたにゃ。危ないにゃ。」
数秒の沈黙の後セファとジリガートが笑い始めた。
僕も仲良く笑いたいにゃ…
「タマちゃん。私じゃなくてタマちゃんが狙われてたんだよ」
「そうだぜ、だってタマ……可愛いからなっ…」
「そうにゃのか!?僕ってやっぱ人気者にゃあ!!」
そんな馬鹿げたギルド前騒ぎを起こしたせいか…いや違う。
あの男達が“セファさん”と声を張り上げたせいだろう。
ギルドマスターのお出ましだ。
「やあ、セファ殿。今日は商会の息子と…誰だべ?」
この人物は危険だ。危険ですオーラがオラオラ出ている。にげにゃいと!
「タマちゃん。詳細は秘密。今日はこの子の冒険者の登録をしにきたの。」
“尻尾を隠しなさい”セファが小声でそう言った。
そう言われて僕はスカートの中に隠した。
僕のスカートは2枚構造で一枚目はロング2枚目は膝よりちょっと上くらい。
今までは尻尾をその間に挟んで2枚目のスカートが浮くけど大丈夫的なやつだった。
「こんなお嬢ちゃんでっさ?」
「意外と強いのよ。さっ、そろそろ仕事に戻ったら?」
「お得意のセファ殿には俺ちゃんがチョチョイと登録してあげまっせ」
セファの顔が少し歪んだ。するとジー君の肩を叩いて何かを言った。
「バストンさんちょっと武器屋に付き添ってもらいたいんだけど…」
「いいが、こいつらはどんすんだっぺ?」
「あら?こいつらとは誰のことでしょう?」
僕はセファさんとギルドマスターのバストンさんが話しているうちにジー君に手を引かれギルドの中にいる。
「どの受付に行く?野生の勘とかあるだろ」
計5つの受付がある。
⒈貫禄のある屈強のおじさん ーーなしにゃ。
⒉何でも見透かしそうな綺麗な女性 ーーバレるにゃ。
⒊休止中 ーー論外にゃ。
⒋イケメンダンディ ーーいけそうだけど、交渉負けしそうにゃ。
⒌優しそうな力持ち男 ーーこいつにゃ!
「ジー君、5番のあの人のところにゃ!」
「あそこは買取専門だ。」
「にゃああ」
そうなると強そうな1番か?でもな、セファ強いからか僕の色々見透かしてきたしな。《鑑定》だっけにゃ?
見透かすと言ったら2番。《鑑定》は使え無さそうだけど、勘が鋭そう。
勘?勘なら物的証拠がないにゃ!交渉次第でいけるにゃ!
「ジー君、2番の女の人のとこにゃ!」
「いいのか?バレそうだぞ。」
「それはジー君の交渉次第!」
ーーバレたとしても冒険者にならなければいけにゃい。絶対に
そうして僕たちは歩きだしたのだった。
<グランデリア王国お金はこんぐらいのコーナー>
銅貨100円
銀貨1000円
金貨1万円
大金貨10万円
聖金貨1000万円
今日も感想を欲する自分。感想にキャラネーム案を書いてはいかがですかお寿司。
ビビッときたらそのまま使わせていただきます。
この小説は途中退場はしません!有名になったらウハウハもんですよ。((呪われた希望
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