【閑話】幼女魔法講師は疑問だった
「理事長、ちょっと」
「はい?」
「ここ本当に男子校? 男子してるやついないんだけど」
これが初めて魔法講師として紹介されたあとに、雅琵が理事長を捕まえて問いかけたことだった。のそりのそりとついてきたヴォルも理事長を見上げている。
「? 皆さん男子の格好をしているでしょう?」
「スカートだし化粧してるし、ごつい奴いないけど?」
「何言ってるんですか、成人まで子どもはレディの装いをするのが一般常識でしょうに」
「「……は?」」
体型に関しては服が調節されるように魔術がかかっているので云々、いまだ喋り続けている理事長に雅琵は目を剥きそうになった。
雅琵は元々この世界の住人ではない。ただ、魔法講師の仕事の依頼が来たからこの世界に降り立っただけに過ぎない。
つまり、常識なんてないし一般的なんて知らない。
(変態の巣窟か???)
やべー奴らしかいないのか、とヴォルと一緒に背中へ宇宙を背負ったところで、「魔力のコントロールが女児のほうが緻密にできることから、魔力の暴発を防ぐことかできるかもしれない、それにあやかろうという考えじゃないですか」と言われて、あぁ確かに。とようやく納得した。
もっとも、雅琵にいわせれば別に女児が魔力コントロールがうまいわけではない。ただ男女の差で集中力の問題なだけなのだが。
そもそもここの制服からしてシャツにコルセットにスカート。あと小さいマントとという装飾品を身に着けている。マントの背中には大きく校章が描かれていることから、どれだけ主張したいのかと不思議でならないが。あとマントの後ろについてる、ひらひらした垂れた布の先端についてる寮カラーの水晶、あれ座るときに踏んだりしないのだろうかと、雅琵はぼんやり思った。
異世界は異世界の名に相応しい異世界っぷりだった。




