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幼女魔法講師はマーケットに興味がある

「ヴォルヴォルヴォル!!」

「なんだ、騒々しい」

「今度の土日、マーケットがあるんだって!」

「知っている、一緒に聞いていたからな」

「もー、嫌味ったらしいなー。そんなに怒んなくたっていいじゃん」

「別に怒ってない、お前が全部飲んだコーンスープは俺のものだったことなんてちっとも気にいていない」

「めちゃくちゃ気にしてるし」


 今朝、飲んだコーンスープ。ヴォルが一晩寝かしていたものだとは気づかずに、雅琵が残ってると勘違いして飲みきってしまったため、怒っているというより機嫌がもやもやしているらしい。

 今度めっちゃ美味しいコーンスープ作るから許して、と雅琵が言えば、軽く尻尾でなでるように叩かれて許してくれた。なんだかんだで甘いものだ。


「マーケットって学校の外からの出店もお客もいるんでしょ? 思わぬ掘り出し物とかないかな」

「その心は?」

「超楽しそう! 行きたい!」

「シャトレーヌはどうする」

「今回は見送りかな、まだ人が多いところ怖いみたいだし」

「そうだな」


 今週の土曜日がマーケット、そのことを知ったのは、学生掲示板にあるアルバイト募集の広告を見たからだ。

 マーケットの出品側の生徒が、商品を売り子をしてほしいらしかった。まぁ、雅琵たちには全く関係ないことなのだが。

 他にも観客もどき……いわゆるサクラをしてほしいとかいうのが、他の張り紙に紛れてこっそりいくつかはってあったが、教務課の職員が細かく見つけて全部とっていった。流石にNG行為らしい。


「じゃじゃーん、さっき分かれた時に教務課のひとにマーケットの出店図もらったんだー!」

「最初から行く気だったな」

「当たりー! ヴォルも良さそうなのあるかどうか一緒に考えてよ」

「お前は出店側に回ろうとは思わんのか?」

「えー、面倒くさいし。それにボクが作るものがここらへんで売れるレベルの代物だと思う?」

「……そうだな、失言だった」


 三つ折りにされた出店案内図をヴォルに見せて、屈んで中を開くとやはり学生側と外部側で飲食などの屋台を挟んで分かれていた。防犯などのためだろうな、と雅琵は考えた。商品にしても生徒にしても。

 ヴォルが、出店しないのか? と聞いてきたが、それこそ愚問としかいいようがない。魔法使いが作る魔道具が、こんなところで売られたら大騒動になってしまう。かといって、品質を落とすのはプライドが許さない。本当に、失言である。


「もうーいーくつねーるとー、マーケットー」

「日曜だから明後日だろう」

「わかってるよ、こう、待ち遠しい気分を歌ってただけ」


 急に歌いだして何だこいつ、といった視線をヴォルから感じながら、雅琵はマーケットを楽しみにして鼻歌を歌うご機嫌さだった。

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