表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/54

幼女魔法講師は黄金の一滴を作る

お休みありがとうございました!

今日からまた毎日更新始めます。

「『希少な材料をふんだんに使うこと』……?」

「そう。爆烈いちごのヘタと不死鳥の涙は」

「刻んでも一滴をより細かくしても相性が悪い、なのに何故使うのかと」

「違う、相性が良すぎるんだ。相性が良すぎて、そのエネルギーが高熱化してヘタにかかった不死鳥の涙は飛び散る。まぁそこらへんは追々だけど。とにかく必要なのは『希少性』なんだ。『希少な材料』には魔力がたまりやすいからね」

「しかし他の魔法薬では材料の相克などを考えなければ」

「普通の魔法薬(くすり)ならそうだろうけど、どんな魔術師も欲しがる黄金の一滴(ファレル・ナガール)がそこらへんの傷薬と同じと思うの?」

「……」


 答えは否である。学生、それも一年生でも作れる簡易な傷薬と幻の黄金の一滴(ファレル・ナガール)、同じなはずはない。

 ならばこの幼い少女の言うように、「通常の作り方でははかりえない材料の使い方をする」のはある種当然ではないのか?

 そんな考えがエヌ・フレイルを支配する。

 学生たちはなんかすごいものを作るらしい、ということで作っている薬を冷まし、瓶に入れ提出台に置くと、雅琵の机の周りに集まってきた。


「さて、ここで欠かせないものがあります」

「は? まだあるのか?」

「虹猫のあくび、森蝙蝠の超音波、不死鳥の足音、ヤグルマエビギクの跳躍、ドラゴンの羽ばたき、爆裂いちごの咀嚼、原種の真珠草の花びらをむしる音、シナの木の朝露を落とす音。これらをすべてミックスした音源がこちら」

「……は? 音源?」

「この音を聴かせながら作ります」

「笑えない冗談の類か?」

「残念、真実でーす」


 一回かけてみるか、と雅琵が取り出した小箱……本当に小さな箱を開け、中に埋まっている水晶にそのか細い指が触れた途端。ヴォルは自らの耳をふさいだ。


 ふぁぐぉぉぉきぃぃぃばしゃくぶぴちゃぴょん。


 言葉にすれば……できたとしたらこんな感じだろうか? とにかく激しく雑音どころか害音でしかない音が流された。

 耳を抑えてうずくまっている者も多い。エヌ・フレイルもその一人だし、獣人属の多いトリコローズや人属のドライフォルカラーなども多い。

 反対に、眉をしかめたり、不快そうな顔をしつつもわりと平気そうなのは、精霊や妖精が所属するスリィピアだ。


「これを流しながら作れるのが、黄金の一滴(ファレル・ナガール)ね」

「オレはこんなトチ狂ったものを作ろうとしていたのか……」

「トチ狂ったものってなんだこら」


 思わずあまりの悪音に本音が漏れてしまったエヌ・フレイルだったが、周りの生徒たちも大きく頷いている。ついでにヴォルも。

 そこまでかなぁ? と不思議そうに小首を傾げる雅琵を引いた顔で見ながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ