魔王とスライム
空蝉です。どうぞよしなに。
とある森の深く
魔王の城
「まおうさま!
転生者が攻めてきました!」
「また?今度はどんな人が来んの?」
「いや、どうやら人では無くスライムみたいです!」
「…スライム?それはこっち側じゃないの?」
「しかもオークや鬼人、ゴブリンなども仲間の様です!」
だから全員こっち側じゃない?
「まおうさまどうしましょう!」
「はぁ…いつも通りでいいよ」
「イエス!マイロー「あ、それはやめて」
「?なぜです?」
「もうそれあるのよ、有名なやつが」
「でもこれってめずらしい言葉じゃないとおもいますが」
「んまぁそうなんだけどね。先にそれで売れちゃったから。使いにくいのよ、色々と。とにかくほら、行った行った」
仲間達を配置につかせた後、魔王は玉座に座って敵を待ち構える。
そう、これがいつも通りの流れ。
「ふぅ、気合い入れていきますか」
ちょうどそのタイミングで例のスライム転生者一行が現れる。
早くない?仲間結構いたのに?
「…貴様我が僕の四天王はどうした」
「ん?ああ、全員飲み込んでやったよ」
ズルくない?もうちょっと死闘を繰り広げたりとかさ、ワクワクの展開とかなくてよかったの?
「さぁ!魔王君で最後だ。覚悟はいいかい?」
「……フハハハハ!!!たかだかあんな雑魚どもを倒したくらいでいい気になるなよ。
貴様らのような下級モンスターどもを捻り潰すくらい造作も無いわ!」
――――――――
「よし、魔王も倒したし王都に戻りますか」
「さすがスライム様。お見事でした」
「へへへっ今回は流石にまあまあ強かったかなー。じゃあゴブリン帰りの案内よろしくね」
「今回もダメだったか。
はぁ…何回倒されてもこの復活する瞬間には慣れないなあ。
はい、みんな起きて。移動するよ」
パチンっと指を鳴らすとやられていた仲間達がそれぞれに復活し、玉座まで集まってくる。
「まおうさま!今回の敵も強かったですねー!ぼく一瞬でやられちゃいましたよ」
「うん、それにしてもちょっと早すぎだったけどね。君一応僕の前の最後の砦だからね。四天王達も…揃ってるね。ごめんね雑魚どもなんて言っちゃって。威厳ある感じにするためだからね。本気にしないでね」
「いいえ…どうせわたくしが雑魚なのは本当ですので…四天王なんて名乗ってるのが恥ずかしいかぎりです…ほんとすみませんすみませんすみませんすみません……」
「魔王さま、そろそろぼくやられたらあとに他の3人からどうせあいつは四天王の中でも最弱だって言われるくだり変わってほしいんですけどぉ」
「飲み込まれるタイプは今回初めてだったがもう二度と経験したくねぇ。ウゥ……あの感触、思い出しただけでも鳥肌が立つぜ」
「あんたグリムリーパーなんだから鳥肌なんか立たないでしょ。あたしなんかせっかく昨日は丁寧にお手入れした髪がベットベトよ。ほんと魔王様にこんな姿見られるとか最悪だわ」
「あー大丈夫そうだね。じゃ、始めるよ
「まおうさま!次はどこに引越しですか?」
「今回は森の中だったし、次はもう少し山脈の頂とかにしようかなぁ。勇者一行とか転生者が来にくそうだし」
「わーい!景色が良さそうですね!楽しみです!
では張り切っていきましょう!ルー「あーだめだめだめ。違うし似てても言わないで」…
「へ?なんでですか?前の世界ではまおうさまこの魔法使ってましたよね?」
「うん、そうなんだけど口に出しちゃうとややこしいから。君さっきからわざとやってない?」
「そんなことないです!!」
「…まぁいいや。次の世界はもう少しゆっくり出来るとこならいいなぁ」
魔王が呪文を唱えると城全体が光だし、まもなくゆらゆらと景色を歪ませながらゆっくりとこの世界から消えていった。
わざわざ最後まで読んでいただきありがとうございました。もしよかったらあと1話だけ読んでみてくださいな。