2 普通の生活...
かきかき
『ピピピピピピピピピピピピピ』
カーテンの隙間から暖かい日光が差す中、不快な機械音によって俺の意識は強制的に覚醒させられた。
まだ寝ていたいという気持ちを押し殺しながら俺は制服に着替え朝食が用意されているであろう1階へと足を運んだ。
「あら、神威おはよ~。お母さん今日寝坊しちゃったから朝ご飯は少し賞味期限が過ぎちゃった
パンよ~」
「おは..って朝からなんてもん食わそうとしてんだよ....」
「消費期限じゃないから大丈夫よ~。じゃあお母さんもう出るから鍵よろしくね~」
「あいよ」
うちの両親は共働きであり帰ってくるのは早いが、朝も早い。
そのため、朝家を出るのは俺が一番遅い。
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「あ、神威君おはよー」
「ああ、おはよう蒼生さん」
教室った直後、俺に声をかけてきたのは学年1の美少女と言われている長谷川 蒼生さんだった。
彼女は文武両道で顔も良く、美しい黒髪を腰の少し上あたりまで伸ばし、出るところはしっかり出て引っ込むところはしっかり引っ込んでいる魅力的な体をしている。さらに、誰にでも分け隔てなく接する態度から1年の間だけでなく、2,3年生からの人気も高いのだ。まぁ俺にとしては少し距離が近すぎるのではないかと思うが....
「おっ、、神威じゃん!!なぁ、一生のお願いだから古典の宿題見せてくれーーー。悠斗に見せてもらおうとしたらあいつも忘れてたんだよ~」
「勇悟君これで何回目の一生のお願いなのかな?」
「49回目だな。てか、悠斗が宿題忘れんなんて珍しいな」
俺はそう言いながら手に持っていた学校指定の鞄からノートを取り出し勇悟に渡した。
「あははは...昨日部活で疲れて風呂入ったらそのまま寝ちゃったんだよねー」
そんなことを言いながら勇悟の後ろからやってきたのは誰もが認めるイケメンである佐久間 悠斗だった。
「たしかに、サッカーはきつそうだな...」
サッカー部は1年だけが出る大会が再来週に開催されることになっており、1年の練習もきつくなっているのだ。
「いやーバスケ部もこの俺、斎藤 勇悟様がいねーと回んねーからな~。うん、昨日も練習で疲れてたから
宿題ができてなくてもしょうがない」
「自分に様とか付けんなよ。あと、昨日バスケ部は休みだっただろ」
「よし、いくぞ悠斗早くしねーと先生来ちまう」
勇悟はそんなことを言いながら逃げるように去っていった。
「ありがとな天城。この借りは今度返すから」
そう言って悠斗も勇悟の後を追った。
「あ、あのさ神威君。今日の約束覚えてる?」
「ああ、たしか放課後にショッピングモール行くんだったよな」
「うん!よかった覚えててくれて」
「にしても、男の意見が聞きたいんだったら悠斗に頼った方がよかったんじゃないのか?」
「あっ、えっと..その..私的には悠斗より神威君の方がいいかなって...やっぱりダメかな?」
悠斗と蒼生は幼馴染のためこういうのは悠斗を頼るとばかり思っていたのだが...
(なるほど。悠斗にプレゼントでも渡すつもりなのか)
「いや、別に構わないよ。どうする?学校終わって一回かえってからにするか?」
「ううん。そのまま制服で行く感じで」
「オッケーわかった。じゃあまた」
「うん」
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「はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
自分の席に行くや否や隣の席のやつがどでかいため息をついていた。
「どうしたんだよ、博人」
「ん?ああ、神威か神威神威神威神威....」
「マジでどうしたんだよ...」
「いいよな。お前は天城 神威とかかっこいい名前で。それに対して俺の名前は鈴木 博人だぞ!?
ああ、なんで俺はこんな一般的な名前なんだ!!いいさいいさどうせ俺なんかラノベのモブキャラ
なんだ」
「別にこの名前もいいってもんじゃないぞ?この名前、中学の時にめっちゃいじられてたし....」
「はぁ~~~~~~~~~でもなー」
ぐぎゅるるるるるるる
「うぐ!?」
「え?なに?どったん?」
「ちょ、悪いトイレ」
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「あー、絶対朝飯あたったわー」
そんなことを言いながら教室に戻ってくると...
「ん?」
なんかめっちゃ長くなてしまいました...まだファンタジー感ゼロなのに
次回からはもっと短めだと思います!!