第零話 真夜
おはようございます。
こんにちは。
こんばんは。
モノすごく、時間遅めのプロローグで申し訳ないです。(この零話は四十……以降の作成です。)
すみません。お付き合いください。ありがとうございます。
初めまして、私は真夜。
本来の名はマヤ・○○○────。
忘れましたわ。
だって、私は、吸血鬼。
悠久の時を生きる吸血鬼ですもの───。
今回は、この土地に。
この国、日本にお邪魔しましょう。
この地を訪れるのは何回目かしら。
フフフ、忘れましたわ。
でも、この国は大好きでしてよ。
この国独特の漢字も好きですわ。
この、まったりとしたゴシック……
ですからこの地に───
初めて、訪れた時にこの呼び名に。
フフフ、自分の名に合う
ゴシックがあるとは────────。
「真夜。どうされました。考え事ですか」
「ええ、ラファ。いろいろですわ。あと、私の……【探しモノ】は見つかるかしら。また──………」
「それは、なんとも………」
話し相手は、私の従者にして───。
最愛のラファ。
いつも横に付き従い助けてくれる
愛する人。
わがままもなにもかもを受け止めて……
「いつも通りに学生になりすまし、悪しき者を懲らしめますか」
「ええ、何故ー……。特に野良達は、カトリックの娘が好きなのでしょう。困りますわ」
「さぁ、神聖なものに惹かれるのでしょう。そして、選び放題の麗しき若き乙女です」
「! ラファのお口から、そのような言葉が漏れますとチクッとしますわ。なぜかしら」
「───? ヤキモチですか」
「あらっ、フフ。焼いてほしいですの? ヤキモチ」
「いえ。そういうことでは……」
吸血鬼にも、多種多様な性質の者達が。
特に、この野良は悪食です。
まぁ、このようなモノ達を造った
我々に──
吸血鬼に責があります。
ですが────。
人間を糧として生きる吸血鬼。
でも私は────……
人となるべく共生したいのです。
私達、二人の食事は人を
襲わず互いを求め、
気をつけてはいますが………
「真夜。誰かが襲われてます。我々の同族みたいです。いきますか」
「行きますわ。限度ある行動なら、あのように執拗に追いかけませんもの。本当に、野良はダメですわ。でも、誰も鎖をしたがりません」
「それは、仕方がないことです。凶暴かつ自我の強い者を組み伏せてまで扱うのは上級者のみです。下級なモノが無作為だから野良が発生するのです。真夜」
ラファは愚痴を溢すと私に……
口付けながら紅いモノを垂らして───
「行きますか。真夜」
「ええ、秩序を乱す者は許せませんの。理から叛する我々ですが、その中の理を守ってこそ生きていられるのですわ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
真夜は、啖呵を切ると、人を助けに駆けて行く─────……
吸血鬼であっても、人と寄り添い、生きる楽しみを知る真夜は秩序を犯すモノを許さない。それが、吸血鬼であってもなくても………
そして、その最中、彼女には探し追い求めるモノがある。そして、その求めるモノは、ある人物が握っている。それを手にするまで彼女に安寧は訪れない………
これは、そんな彼女の────
吸血鬼の物語。
お疲れさまです。お読みいただきありがとうございます。このような(後付け)出だしとなりましたがよろしくお願いします。