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【WEB版】この宮廷付与術師、規格外につき〜人類唯一のスキル「言霊使い」で、俺は世界に命令する〜【コミカライズ】  作者: 日之影ソラ
第三章

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89.準備はいいかい?

 転移の水晶を使って魔王城の一室に戻った。

 その瞬間――


 爆発音と地響きが襲う。


「なっ!」

「もしかして襲撃!?」

「外に出るわ!」


 急いで魔王城の外に走る。

 揺れはまだ続いているし、外から凄まじい魔力を感じる。

 ただ、知っている魔力な気もして、外に出て拍子抜けした。


「どうした? もう終わりか?」

「まだまだじゃ!」

「えぇ……」


 アレクシアも呆れている。

 ホッとする場面だけど仕方がないか。


 魔王城から少し離れた場所で、アスランさんとルリアナが戦っていた。

 ルリアナは特権を発動している。

 殺伐とはしていないし、おそらく訓練か何かだろう。

 空中でぶつかる二人。

 アスランさんが先に俺たちに気付いた。


「おっ! 戻ったのか!」

「ん? あっ! エイトじゃ!」


 遅れてルリアナも気づいて、まっすぐ俺のところへ飛んでくる。


「お帰りなのじゃ!」

「あ、ああ、ただいま」


 その姿で詰め寄られると、さすがに身構えてしまうな。

 魔王の特権。

 彼女が目覚めさせた力と姿。

 何だか……


「モードレスと戦った時より安定してる?」

「本当か? そう見えるのか!?」


 ルリアナはグイグイ顔を近づけてきた。


「う、うん。前は荒々しかったけど、今はなんっていうか。荒々しさもあるんだけど、落ち着いているというか。言葉にするのは難しいな。とにかく制御出来てる感じはするよ」

「本当か!」


 俺は頷くと、彼女はパァっと表情を明るくして、アスランさんに視線を送る。

 アスランさんが俺たちの近くに降り立つ。


「よっと、特訓の成果だな」

「うむ!」

「ああ。やっぱり訓練だったんですね」

「おう」

「驚かせないでよ」

「いきなり揺れたからビックリしちゃったよぉ~」

「悪い悪い」


 アスランさんは笑いながらそう言って、続けて俺たちに尋ねる。


「んでそっちはどうだった? ちゃんと休めたか?」

「え? あーまぁ、ほどほどに」

「何だよ歯切れ悪いな」

「エイトは休めなかったのか?」

「いや、休めたよ?」


 疑問形になってしまった。

 ルリアナが難しい顔をしている。


「うむ……さてはイチャイチャしておったな!」

「ぶっ! ルリアナ?」

「そうなんじゃな! イチャイチャしてて休めなかったのじゃろう?」

「ち、違うから! なんてこと言うの!」


 視界の端で、アスランさんが笑っているのが見えた。

 俺がいない間に余計なことを教えたのはアスランさんだな。

 話していると、セルスさんとフレミアさんも合流する。


「お帰りなさいませ」

「皆さん戻っていたんですね」

「はい」

「ただいまー!」


 アレクシアが元気よく返事をした。

 その横でレナが会釈をして、チラチラと周りを見る。


「ユーレアスがいないわね」

「インディクスの所じゃないかな?」


 たぶんエリザも一緒だろう。

 笑い終えたアスランさんが呼吸を整えて言う。


「はぁーあ、二人ならインディクスを見張ってるぞ」

「見に行きましょうか?」

「その必要はないよ」


 ユーレアスさんの声だ。

 声がした方向を振り向くと、ユーレアスさんとエリザ、それにインディクスも一緒にいる。


「お帰り、みんな」

「たっだいまー!」

「その必要はないってことは、改良が終わったんですか?」

「ああ」


 ユーレアスは答えてからインディクスに目配せする。


「依頼は先ほど完了した」

「予定だとまだかかるって話だったのに」

「予定はあくまで最長の時間だ。それより早く終わるのは当然だろう」


 さすがインディクスだ。

 もう素直に感心する。


「さて、私の役目は終わっただろう? もう帰らせてもらうよ」

「何を言っているんだい? 君も同行するんだよ」

「は?」

「当たり前だろう? 道中で壊れでもしたらどうするんだ? 君しか直せないのに」

「……はぁ」


 大きなため息をこぼすインディクス。

 ユーレアスさんはニッコリと笑顔。

 インディクスは呆れながら言う。


「最初からそのつもりだったか」

「もちろん。君だって薄々わかっていたんじゃないかな?」

「……まぁいい。だが何度も言うように」

「身の安全が最優先だろう? 大丈夫、君は戦わなくても良いから。代わりにこの城を守っておくれよ」

「それは戦えと言っているのと同じだぞ」


 再び呆れるインディクスだが、仕方がないと了承した。

 敗者は勝者に従うまでだ、と。


「よーし! 話もまとまった所で確認するよ? みんな準備はいいかい?」

「うん!」

「ええ」

「おう」

「出来ていますよ」

「良いのじゃ!」

「問題ありません」


 最後に俺に視線を向ける。


「行きましょう」


 決戦へ向けて。

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