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【WEB版】この宮廷付与術師、規格外につき〜人類唯一のスキル「言霊使い」で、俺は世界に命令する〜【コミカライズ】  作者: 日之影ソラ
第三章

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87.姉と弟?

 先代魔王城の外周。

 木々が斬り倒され、平らになった土地にアスランとルリアナが向かい合う。

 アスランの後ろにはフレミアが、ルリアナの後ろにはセルスが控えている。


「本当にやる気か?」

「もちろんじゃ!」

「爺さんもそれでいいのか?」

「私もルリアナ様に賛同しておりますので」

「了解。んじゃ――」


 アスランが槍を構える。


「始めるか」

「うむ!」


 ルリアナが魔王の特権を発動。

 髪と目の色が変化し、荒ぶる魔力を纏う。

 

「では行くぞ!」

「おう。かかってこい!」


 ルリアナが宙に浮かび、あっという間に間合いを詰める。


「速いな」

「当たり前じゃ! 妾は魔王じゃからな!」


 目の前に迫ってきたルリアナに対して驚くアスラン。

 しかし冷静に左へ避け、槍を回して打ちおろす。


「よく躱した」

「これくらい余裕じゃ! お前こそ気を抜くでないぞ!」


 重力操作。

 彼女が覚醒させた魔王の特権。

 半径百メートルの円周内にいるものは全て、彼女の能力の支配下である。


「うおっ」


 アスランの身体が宙に浮く。

 体勢を崩したところへ攻撃を仕掛けるルリアナ。


「もらったのじゃ!」

「甘いな」

「なっ――」


 アスランは空を蹴り跳躍した。

 空中歩法。

 エイトがブーツに付与している効果を、彼はスキルとして持っている。


「軽くしてくれてありがとな。お陰で普段より速く動けるぜ」

「むぅ……だったら重くするまでじゃ!」


 続けて高重力がアスランに襲い掛かる。

 モードレスを苦しめた力。

 だが、アスランはニヤっと笑う。


「そう来ると思ったぜ」


 空を蹴り、重力が強まる前に移動した。

 その真下にはルリアナがいる。

 重力の影響で下へ落ちる力が増し、それを逆に利用してルリアナに突撃する。


「なっうわ!」


 圧倒的な速度に驚いたルリアナだったが、ギリギリのけぞって回避する。

 重力操作は解除され、体勢を崩したルリアナの肩にアスランが触れる。


「あ」

「勝負ありだな」

「むぅ~」

「そこまでです。ルリアナ様」

「うむ」


 シュンとなりながら髪と目の色が戻っていく。

 二人の元にフレミアが歩み寄り、怪我がないか確認する。


「怪我はしていないようですね」

「魔王の力に覚醒して、身体も頑丈になったんじゃないのか?」

「その通りじゃ! じゃがまさか反撃されるとは……」

「重力操作。確かに強力だけど、それを使っている間、お前は動けないんだろ?」

「……うむ」


 重力操作中は、力を制御することに集中しなくてはならない。

 そのため身動きが取れないことを、アスランはモードレスとの戦闘を見て気付いていた。


「まだまだ妾が未熟なせいじゃ」

「そう落ち込むなよ。使いこなせれば最強になれる力だぞ? さすが先代魔王の娘だな」

「そ、そうか? そうじゃな! もっと修行するぞ!」

「おうおうその意気だ」

「ちょっとは休憩しなくちゃ駄目だよ~」


 彼女達の元にユーレアスがやってくる。


「ユーレアス?」

「インディクスを見張っていなくて大丈夫なのですか?」

「大丈夫じゃないけど、エリザが見てくれてるよ。すっごい音がしたから確認しに来たんだけど~」


 ユーレアスが視線を向ける。

 その先には、アスランの突撃でへこんだ地面があった。


「頑張るのも良いけど、ほどほどにね? 本番で疲れて動けませーんじゃ元も子もないから」

「そうだな。ちょっと休んでから再開するか」

「うむ」


 それだけ伝えると、ユーレアスは魔王城に戻っていった。

 木陰に腰を下ろして休憩するアスランとルリアナ。

 ルリアナがぼそりと言う。


「エイトもちゃんと休んでおるかのう」

「ん? 何だ? 気になるのか?」

「当然じゃ」

「ふ~ん、まぁあいつのことだから休めずにイチャイチャしてんじゃねーかな。二人も一緒だし」

「何じゃと! あの二人とはそういう関係じゃったのか!」

「知らなかったのかよ。いやまぁそうか」

「なるほどのう~ ならばエイトに相応しいかどうか、妾が姉としてしっかり見定めなば」


 ふむふむと頷きながらルリアナがそう言った。


「ん? 姉?」

「そうじゃぞ? エイトは妾の父上の力を受け継いだ男じゃ。なれば妾の姉弟であろう?」

「ああ……なるほど?」

「どうしてエイト君が弟なんですか?」

「妾のほうが魔王じゃからじゃ!」


 ルリアナは腰に手を当て、堂々と宣言した。

 アスランとフレミアは首を傾げる。


「よくわからんが」

「あなたもエイト君のことが大切なんですね」

「当然じゃ。エイトと妾、二人合わせてようやく父上に追いつける。妾たちは二人で一人の魔王じゃ。リブラルカを倒したら、エイトにも魔王を名乗る権利をやらねば!」

「なるほどな」


 おっかない姉を持ったな。

 と心の中にアスランは呟いた。

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