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【WEB版】この宮廷付与術師、規格外につき〜人類唯一のスキル「言霊使い」で、俺は世界に命令する〜【コミカライズ】  作者: 日之影ソラ
第二章

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50.こんな屋敷に住みたいか?

 ゲーデの街を散策しながら、宿屋を探す。

 商店街や人通りの多い場所を避け、こじんまりした宿屋を発見した俺たちは、部屋割りを決めることに。


「ボクはエイト君と一緒が良いな~」

「残念ねアレクシア。今日は私よ」

「そんな順番ないよ」

「まぁまぁ二人とも。ここはいつも通り三人で良いんじゃないかな?」


 ここまでの流れはいつも通り。

 ユーレアスさんが提案して、渋々二人が了承する。

 俺の意見はあまり取り入れられない。


「すみませんお客さん。二人部屋なので、三人以上での宿泊はちょっと……」

「あ、そうなんですか」


 どうしようか?


「では手っ取り早くコイントスで決めよう! 僕が投げるから、二人とも先に表から裏を選んで」

「ボクは表」

「それなら私が裏ね」


 また俺の意見は聞く間もなく始まったぞ。

 もう慣れてきた自分が怖い。


「じゃーいくよ~ ほいっ!」


 コインは裏だった。


「今夜は寝かさないわよって一度言ってみたかったのよね」

「それ前も言ってませんでしたっけ?」

「ふふっ、今度は本気よ」

「お、お手柔らかにお願いします」

「何言ってるの? 私だって初めてなんだから……優しくリードしてね」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 翌日。


「ねぇエイト君」

「な、何?」

「じー……」

「だ、だから何?」

「……レナとエッチなことしたでしょ?」


 まさかの直球。


「い、いや~ その……」

「絶対した。その顔は絶対にしてる!」

「したわよ」

「うっ、レナ!?」

「うぅぅぅぅやっぱりぃ……今夜はボクと一緒の部屋だよ! 絶対だからね!」

「その時はまたコイントスで決めましょう」


 二人の女の子が火花を散らす。

 どちらからの好意も嬉しくて、ついつい甘んじてしまう。

 

「モテる男は辛いね」

「他人事みたいに言わないでくださいよ」

「他人事さ。僕はモテるけど」

「自分で言うんですか……」

「緊張感の欠片もねぇな」

「良いじゃないですか。いつも通りですよ」


 フレミアさんの言う通りではある。

 これが勇者パーティのいつも通りだと知ったら、王都の人たちはどう思うだろうな。


「さてさて、可愛らしいじゃれ合いはそこまでにして。そろそろ調査に移ろうか」

「そうね」

「べ、別にボクはじゃれてなんかないよ」

「そう? 私はアレクシアのことも好きよ」

「うぅ……またそういうこと言う」


 言い合いでアレクシアはレナに敵わないらしい。

 

 気を取り直して、俺たちは街を散策した。

 ここに魔王軍の幹部がいる。

 その噂が真実なのか、まずは確かめなくてはならない。

 

 と、意気込んで散策したのだが、結論はすぐに出た。


「う、嘘だよね?」

「……馬鹿なの?」

「いや~ ここまであからさまだといっそ清々しいね」

「ユーレアスと気が合いそうだな」

「そうですね」

「え? みんなの中で僕ってどういう認識なの?」


 誰がどう見ても、そこが魔王軍幹部の屋敷だとわかる。

 だって、看板にでかでかと書いてあるし。


「魔王軍幹部インディクスの屋敷……ここまでわかりやすいと罠なんじゃないかって思いますね」

「普通の街の屋敷を罠にはしないさ。偏にこれも趣味なんだろうね」

「趣味……」


 屋敷も見えるけど、金色とか銀色とか、赤青黄色も混ざっていて、とにかく派手だ。

 尖がり帽子みたいな屋根、壁にも装飾が施されている。

 窓の形も、三角、四角、丸、星の形とバラバラ。

 見ているだけで目が疲れるような色合い。

 ハッキリ言うけど、俺ならこんな屋敷に住みたいとは思わない。

 仮に知り合いとも思われなくないな。


「どうする? このまま突っ込むの?」

「準備なら出来てるわよ」

「それは止めておこう。一応、本人を確認するまでは手を出さない」

「そうだな。オレたちは虐殺に来たわけじゃない」


 アスランさんの言ったことに俺も頷く。

 続けてフレミアさんが言う。


「街の方が話していましたが、インディクスは定期的に街をパレードのように回るそうですね。今日がその日といっていましたよ」

「パレードか。なら丁度良い。今夜、本人の姿を確認しよう」


 こんな屋敷に住む悪魔。

 魔王軍幹部インディクス……いったいどんな奴なんだろう。

 今までとは違う感覚で興味が湧いていた。


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