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【WEB版】この宮廷付与術師、規格外につき〜人類唯一のスキル「言霊使い」で、俺は世界に命令する〜【コミカライズ】  作者: 日之影ソラ
第一章

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20.憧れの人たちに

「いやはや、ここまで戻ってくるのは疲れたよ」


 赤魔術師ユーレアス。

 国内最高最強の魔法使いと呼ばれる人であり、界隈では有名な女好きの遊び人でもあるらしい。

 飄々とした性格と風貌から、軽薄でロクデナシと呼ばれることもしばしば。

 しかし魔法使いとしての腕は誰もが認めており、これまで数々の新魔法も開発している。


「お前が魔法使うのは面倒とか言うからだぞ。使ったほうが早かっただろ」


 槍使いアスラン。

 元騎士団所属で、魔槍ゲイボールクを持つ国内随一の槍使い。

 口調や態度は乱暴だが、困っている人がいると放っておけなかったり、勇者に似た優しい男。

 騎士団長さんと仲が良いらしい。


「どうでも良いけど、その槍長くて邪魔よ」

「何だとレナ!」


 アスランと言い合いをする彼女は、精霊術師レナ。

 見た目は幼い少女だが、もう成人しているらしい(本人談)。

 大地の精霊と契約していて、周囲の地形を自在に操って戦う。

 実は勇者パーティーの中で一番の力持ち。


「まぁまぁ、お二人とも姫様の前ですよ? もう少し落ち着いてください」


 お淑やかに笑うのは、白魔術師のフレミア。

 天啓という特殊な力を持っており、天からのお告げを聞くことが出来る。

 魔王誕生を知ったのは、彼女の力によるものだという。

 

 そして――


「あははは~ とにかく合流出来て良かった良かった!」


 と能天気に笑う勇者アレクシア。

 そんな彼女を見て、四人全員が大きなため息を漏らす。


「何で!?」


 このやり取りだけで何となく、彼らが普段から苦労しているのだろうと察した。

 勇者パーティーは仲間というより保護者に近いのかな?

 そういうパーティーの形もあるのかと、一人で感心していると、ユーレアスさんと目が合った。


「君がアレクシアが言っていたエイト君かい?」

「は、はい。宮廷付与術師のエイトです。勇者様御一行とこうしてお話ができるなんて夢のようです」

「そう畏まらないでくれ。僕らは別に貴族でも王様でもない」


 そう言われても緊張するだろう。

 相手は国の未来を担う勇者パーティーだ。

 俺とは違う世界の住人だと思っていた人たちが、こうして目の前にいる。

 いやでも緊張で硬くなるよ。


 今度はアスランさんが俺に言う。


「聞いたぜ。アービス倒してくれたんだってな?」

「え、あ、はい」

「ありがとな。オレたちの代わりに城と姫様を守ってくれてよ」

「い、いえそんな……運が良かっただけですから」

「それはないんじゃない? 運で倒せるほど、魔王軍の幹部は甘くないわ」


 アスランさんに続けてレナさんがそう言ってくれた。

 要するに自分の実力だと。


「レナさんの言う通りです。エイトさん、私からも感謝を」

「僕からもお礼を言わせてくれ。あれは本来、僕らが倒すべき相手だった。何度も取り逃がして困っていたんだ。本当にありがとう」


 本当に何だろう。

 偉大な人たちから感謝されている。

 こんなこと、以前の自分なら考えられなかったな。

 それに感謝されるのは恥ずかしくて、一生慣れることはなさそうだ。


「ねぇエイトさん! どうやって倒したの? 教えてほしいな!」

「え、えっと」

「それはオレも聞きたいな。参考までに教えてくれないか?」


 他の皆さんも興味はある様子。

 俺は照れながら、自分の付与術についてや、アービスとの戦いについて語った。

 その後は勇者様たちから冒険の話を聞かせてもらった。

 

 そして夜になり、俺はベッドで横になる。

 勇者様たちが教えてくれた旅路の話は、聞いていて興奮を隠せなかった。

 俺が知らない場所、見たことのない景色を見て、体感している。

 戦いは大変で、辛いことも多いだろう。

 だけど、未知に遭遇するワクワク感はやっぱり魅力的だった。

 思えば冒険者になったばかりの頃は、俺も新しいことを知るたびにワクワクしていたな。


「冒険……か」


 宮廷付与術師になったことに後悔はない。

 だけど今日、冒険への思いが強くなってしまったことは否めない。


 そんなことがあった翌日。

 だからこそ、俺は今までで一番驚いたんだ。


「エイト、あなたには勇者パーティーへ参加して頂きたいと思っています」

「……え?」


 姫様からの提案に、俺はしばらく黙り込んだ。

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