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スキル確認(妻編)

木から降りた夫が抱っこを代わると言ってくれたので交替してもらった。

確かにずっとは肩が凝るし有難い。

広い草原とかに出たら抱っこを外して歩かせてあげたいんだけど、こんな怪我しそうな場所だと危ないしもう少しこのまま抱っこ紐で大人しくしててもらおう。

「そういえばさっき少し考えたんだけど魔術とかスキルとか試してみない?」夫の腕を掴み先程思った事を提案してみる。

「スキルってアイテムボックスとか鑑定とかは使ってるじゃん。」

「そうだけど、そうじゃなくて!」

「分かってるよ、けどこんな森の中でやったら怪我とかしそうだし見晴らしのいい開けたところでやるのがいいよ。」

「あー、成程、そうだね私が考えなしやった。」確かにここでやったら火事とかにもなるよね。

「誰もそこまで言ってない。」

「後どれくらいで開けた場所に着くかなぁ?」

「さぁ?」

「ちょっとお腹空いたしさっき取った果物でも食べよう?」アイテムボックスからキャリーケースを取り出してレジャーシートを探す。

「それアイテムボックスに別個に入れたらいちいちキャリーケースを取り出して探さなくてもいいんじゃない?」

「そうだよね、そうする〜。」

「叶菜、ご飯食べるよ。」抱っこ紐で繋がった叶菜に声を掛けると少し眠そうにしながらも返事をする。

「あい。」

「叶菜は可愛いなぁ、私達の癒しだよー。」

「とりあえず、聖那は早くレジャーシート引いて。」

「はい。」手早くレジャーシートを引いて叶菜の為にブランケットを敷いておく。

「本当に備えあれば憂いなしって言葉が身を滲みるよ、持ってきてよかったよ。」色々な物を用意してパンパンになったキャリーケース。

「確かに服とかこんなにいる?って思ったけど。」叶菜を抱っこ紐から下ろしてブランケットの上に座らせる。

「叶菜の椅子とかあったら良かったのになぁ、流石にあれまでは持って来れんかったし。」

「そこは仕方ないわ、叶菜、手出して。」除菌シートで手を拭く。

「果物少しだけ水で洗うわ、水だったらここでスキル試しても問題ないと思うから。」

「魔術って何があるのかわかんの?」

「魔法って言ったら属性とか色々あるだろうけど水と言えばバブルこうせんでしょ!」私が(棒)ゲームのイメージを浮かべた時と夫が呆れた声で突っ込むのはほぼ同時で。

「いやそれ、違うゲーム。」私の手からイメージ通りのバブルこうせんが出て果物を木に叩きつけて砕け散った。

「えっ!?」

「あー!」楽しそうに手を叩いて喜んでる娘を宥めながら反省した。

「バブルこうせんは破壊力ありすぎだわ。」

「そ、そうだね、失敗したわ。」

「ちょっとワンランク下げた攻撃ないの?」

「そういえば、あったわ確か泡みたいなやつ。」手の平に泡が出てきたのでそれで果物を洗ってから皮を剥がす。

「これ、手で向けて良かったね。」剥がしてから一口大に手でちぎり叶菜に渡すと美味しそうに頬張る。

「美味しい?」まだ言葉がたどたどしい子であるが最近は言葉の意味を理解してるのか嬉しそうに手を差し出しておかわりの意思表示をする。

「叶菜ちゃん果物アレとかないの本当に良かったわー。」叶菜にもうひとつ上げてから自分も果物を食べると優しい甘さが口の中いっぱいに広がり同時にジューシーな果汁も得れる。

「これ、手頃で丁度いいね、さっき沢山取れて良かったよね〜。」

「そうだね。」物足りなさそうな顔の夫が果物を食べてる手を止める。

「どしたの?」

「なんかいるっ!」立ち上がり素早く木の枝を構える夫に向かって何かが突進してきたのを横目に私は叶菜を抱き上げて守る体勢をとる。

「叶菜!聖那!走れ!」

「で、でも!総ちゃんを置いてけないよ!」

「いいからっ!早く走れ!」猪のような動物の体を足で蹴りあげながら私達に指示を出す夫の珍しい焦ったような声。

「や、やだ!」ここで夫だけを1人残したら戻ってこない気がするし何より合流出来る可能性もない。

「総ちゃんっ、退いて!」私の声に右にズレて猪を狙いやすくなった。

「風よ鎌鼬となり猪を切り刻め!」厨二全開な言葉を出して魔術を繰り出していく

「ウィンドカッター!」魔術とは想像力でなんにでもなるとさっきの事で身をもって体験しだからこその呪文。

「ヴモォォー!」猪が風に切られながら悲鳴に似た声を出して倒れる。

「聖那、助かった。」

「総ちゃんのバカっ!」

「わ、悪かったよ。」ばつが悪そうに頭を掻きながら謝罪をする。

「許すけど、次そんなこと言ったら怒るからね!」叶菜の抱き方を整えて言う。

「…所でさ、この猪って食べれるのかな?」食べれるなら貴重なお肉だ。

スキルの確認って大事ですよね。

初戦闘に活躍したのは妻の方です

子供を産んだ母さんは強い!

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