始まりの日
初投稿です
暖かい目で見て頂けると嬉しいです。
ここは、どこだろう?
なんで、私達はここに居てるんだろうか?
と、青々と生い茂った木々を見回し、先程迄の事を思い出してみる。
たしか、私達は旅行に行くためにキャリーケースに荷物をパンパンにしてウキウキとした気持ちで家の扉を開けたのだ
しかし、視界に入ったのはいつもの見慣れた廊下じゃなくて森だった。
意味が分からなくて私と夫は固まったと思うが足元にいた可愛い、可愛い我が子がはしゃいで玄関から飛び出してしまった。
やばい!と2人して我が子を追い掛けて捕まえたと思った時には私達が出たであろう扉はなく手元にあるのは旦那と私達が手にしているキャリーケースと私が背負ってるマザー鞄のみだった。
回想終了。
「えー?これ、どうなってるの?」と夫に訊ねながら足元にいる我が子と手を繋いで好きな方向に行こうとするのを防ぐ。
「とりあえず、散策するか、いつまでも此処にいるわけにはいかないし。」
「だよね、とりあえず荷物がネックだわー重いし、こんな山道をキャリーケース引いたら直ぐ壊れるよ。」
「それは、確かに、じゃあ俺が荷物持つから聖那は叶菜を抱っこしてくれる?」優しい夫がしれっと荷物に手をかけて歩き出した。
(あーあ、荷物が軽くならないかなぁ、こう願ったら異空間に片付けたりとか.......ふふ、無理だよなぁ。)と冗談で思ってたのに夫の手から荷物が無くなった。
「ェ.......」夫も目を見開いて驚いて自分の手を見ている。
「聖那、何かした?」
「ひどい!何もしてないよ!」真っ先に私を疑うの良くない!
「本当に?」ジトッという効果音が着きそうなほど見てくる夫にビビりながらさっき思ってた事を伝える。
「ふぅん?じゃあ、試しに戻してみてよ。」
「わかった、も、戻れー!」呟いてみると荷物が全部元に戻った。
「わっ、凄い、これって、やっぱり。」現代世界でこのような現象なんか見たことない、あの某青い猫ですらポケットに入れなければいけないのだ。
「まっ、ま、まま。」足元の叶菜がキャッキャとはしゃいで手を挙げてる。
「叶菜、ママ達の傍から離れたらダメだよ。」よく分かってない顔をしながら抱きつく叶菜を受け止めて抱き上げる。
「とりあえず、何が起こるか分からないし手頃な木の枝とか探しとく?」辺りを見回しながら提案してくる夫にそう言えばと思ったことを伝える。
「総ちゃんがいつもしてるゲームでこういうRPGの時最初は何が武器なの?」私がそう言えば呆れた笑いをしながら返事をする。
「だから言ったじゃん、木の枝だよ。」
「そうなんだ、木の枝って案外武器になるんだね、丁度良さそうなのあるかなぁ?」私達が探していると叶菜が指を一生懸命ある方向に指している。
「どうしたの?」叶菜が指してる方向を見れば手頃そうな木の枝が2つ転がっていた。
「叶菜、凄いぞ、お手柄だ。」夫が叶菜の頭を撫でると嬉しそうに手をバタバタさせて声を上げる。
「あー!」とりあえず普通に抱っこしてたら私が木の枝を振り回せないと今更気付きキャリーケースにしまっていた抱っこ紐を叶菜に着けて抱っこしておく。
「聖那のその力俺にもないのかなぁ?こう、ゲームだとステータスとか見れるんだけど出来ないものかな?」夫が呟いたと思ったら夫の隣に液晶パネルのようなものが浮かび上がった。
「総ちゃん、それ。」私が液晶パネルを指すと夫もそちらに向き固まる。
「.......はっ?」
「それ、ステータスだったりして。」私が言うと私にも液晶パネルが現れた。
「と、とりあえず見てみよう。」お互いのステータスを確認する。
ステータス表
タチバナ・セイナ
種族 神聖人 性別 女
Lv 1
HP900/1000
MP900/900
武器枠 10
装備枠 50(アクセサリーも含む)
スキル 全魔術Lv1 神聖魔術Lv1 料理Lv5 アイテムボックス(容量無限)、鑑定眼
称号 神に愛されし者
(このステータスって、でも、Lv1だしなぁ、基本的にゲームしても牧場とか音ゲー系だしよく分からない。)自分のステータスを見てから夫のステータスを見せてもらうかと顔を上げるとなにやら難しい顔をしてる夫とがいる。
「総ちゃんどうしたの?」
「いや、こんな非現実的な事が沢山あるからここは、日本じゃないんだなって再認識したというか。」
「.......そうだね。」考えないようにしてたけどここは日本所か地球ですらないんじゃないか。
「総ちゃん、考えるのは後にしよう、その前に早くお互いのステータス見せ合おう。」
「聖那は全く、能天気だな。」ステータスを私にも見せてもらう。
ステータス表
タチバナ・ソウイチ
種族 神聖人 性別 男
Lv1
HP 1000/1100
MP 800/800
武器枠 10
装備枠 50(アクセサリー含む)
スキル 体術Lv3 幻術Lv1 剣術Lv1 鑑定眼、アイテムボックス(容量∞)
称号 神に愛されし者
「流石総ちゃん、ボクシングとかしてたから体術とか既にLv3だよ、凄いね!」
「聖那は料理スキルが高いね。」お互いのステータスの感想を言うとふと叶菜のステータスも気になる。
「叶菜、ステータス見せてもらってもいい?」可愛い我が子のステータスを鑑定眼という物で見る。
ステータス表
タチバナ・カンナ
種族 神聖人 性別 女
Lv 1
HP 100/150
MP 200/200
スキル 守護のベールLv1、創造Lv1
称号 神に愛されし者より生まれた愛子
叶菜のステータスはまだ幼児だからなのか私達より少ないけどスキルが凄そう。
「叶菜にもステータスあったな。」
「ところで総ちゃん、私達の種族おかしくない?人間だよね?私達。」
「俺達の世界から来たらそうなるのか?」考えても分からないし今は人がいそうな場所に向かうために森を散策する。
「総ちゃん、今日は沢山話してくれるね。」普段の夫はあまり話さない、話さなすぎて私がよく拗ねるくらい。
「今は非常事態だし、慣れたら、また同じになるんじゃない?」
「そう、でもいいや、嬉しいし。」
「アホだわ。」森を進みながら必死に道を探す、方向合ってるんだろうかと悩むけど。
(というか、鑑定眼で道が何処かとか分からないんだろうか?)
「へい、Siri、道はどっちだ?」夫がとうとうSiriに問いかけてしまった。
『すみません、分かりません。』
「だよなぁ。」
「あー、あー。」我が子の人差し指が私達の木の枝を指してる。
「なるほど、これが倒れた方向に進むんだね!」我が子の提案はなんでもやってみるのが吉だと思い、早速木の枝を地面に立てて手を離す。
「どーっちだ!」
2019.7.26
まずは森を抜けるまで頑張って貰います。