異世界での戦闘は
なんかないか、なんかないか
猫耳を失ってしまった(地上波でその回を見たときは号泣してしまった)某機械猫みたいに僕は大学の友達から貰った誕生日プレゼントの詰まった鞄を探す。
そんな間にも剣戟の音が鳴りやまない。どうやら女の子の父親が集団を止めてくれているようだ。
「これだ!」
「くらえ!」
僕は大好きなあの黒い炭酸飲料にお菓子を入れた。そう、メン○スコー○である。
攻撃力は皆無。だって、仕方ない。やれることないんだもん。
携帯から大音量で効果音を出しながら噴射する。
一瞬、集団の注目が集まる。ラノベだと敵は逃げてくパターンだ。
しかし、現実は違った。逃げない。それどころかなんか怒らせてるぅぅぅ
「ごめんなさい~~~~」
僕は迫りくる剣から必死に逃げた。
しかし、やっぱり地力が違う。
すぐに囲まれてしまった。
ひとつだけいいことがあった。女の子が僕が指さした方向へ駆け出している。僕は必死になって逃げていただけだが、ちょうど真逆に敵を誘導することに成功した。
パンパンパーン
死角になっていた斜め前のほうから大きな音が鳴り響く。集団の一人が僕の貰った誕生日プレゼントの一つを踏んでしまったようだ、弓をひいていたが驚いて目標を大きく外す。目標は…逃げている女の子だった。しかし、満身創痍の女の子の父親がすぐに気づき、割って入ろうとするが、もう弓は引き絞られている。
弓が目の前に飛んできた女の子の絶望した表情が目に入る。
そして僕は…弓の射線に跳んだ。