主人公、知らない間に異世界へ
今日は僕の誕生日!大学で友達から貰ったプレゼントで少し重くなった鞄を持ちながら、僕はウキウキである場所へと向かっていた…
通学用鞄とは別に用意してあるこの鞄から取り出しますはそう、”猫耳”!
…大事なことだからもっかい言っとこう、そう、猫耳だ。
実は僕、けもの耳が大好きで愛していて…いや、けもの耳こそ僕の人生だ。
この猫耳を手に入れるまでが大変だった…毎日バイトに明け暮れる日々。
この特注の猫耳いったいいくらすると思う?僕のバイト代10か月分だ。
新型ゲーム機が50個くらい買える金額です。
この猫耳をすちゃっと装着!…そしておそろいのしっぽを装着!とれんすふぉーーーーむ!
おおおーっと、ここは天下の往来だった…
もうわかったよね。僕は全国けもの耳愛好会の記念イベントに向かう途中なんだ~♪
誕生日にこんな素敵なイベントがあるなんて僕はなんってついてるんだろう…
神様、今僕は最高に幸せです!
そんなことを考えてると今日の会場に着きました。ビルとビルに挟まれながらも趣のある立派な建物です。
愛好会のみんなも僕が誕生日だってわかってるから「サプラーイズ」なんてクラッカー鳴らしてくるのを逆に僕が”サブライズ”してやろうと思って買ってた超特大クラッカーを片手に用意しながら建物の扉を開けました。
「こんにちわーって、うわぁ本格的!」
扉を開いたら木が植えてあって通るのも必死にかき分けないと前へ進めない。なんて世界観!やっぱ記念イベントは違うね!(注:異世界です)
「…あれ?」
やっと茂みからでたと思えば森?これ、すごすぎる!どっからどう見ても森みたい!でもなんか日本に生えてるやつと違う。(注:異世界だからです)
「記念イベントすげー。ラノベの主人公が異世界転移して俺つえーするやつみたい!」(注:異世界転移したからです)
でも、僕の目的はけもの耳。演出はおいしくいただくための調味料!(…あ、全国けもの耳愛好会ってえっちなやつじゃなくて健全な団体ですよ!)
「けもの耳どこじゃー!」
僕は走りました。
すると、「キャー」と定番の女の子の悲鳴。
「女の子の声!イベントきたー」
僕はまだ見ぬけもの耳を求めて全力疾走した。そう、でっかいクラッカーを片手に(注:異世界です)