第7話:天使な悪魔と雪の食べ方
「雪祭りかぁ…」
「そう言えば最近雪がよく降るよなぁ…」
こんにちは玲です。今テレビを見ていたら北の方でやってる雪祭りの話題がやってたんだけど、どうやらこの天使悪魔は雪祭りが気になるようだ。
「え、雪降ったの!?いつ!?」
「ミュウが来る一日前も雪だったぞ?」
「後一日早く来ていればぁ!!!」
まぁ別にそんなに悔しがらなくてもその内降ると思うんだけどなぁ…。
「あーあ、雪にシロップかけて食べて見たいなぁ…」
「止めておけ、腹壊すぞ大体寒いのに冷たい物食ったら余計に寒くなるだろ」
冬にコタツで食うアイスは美味いんだけどコタツとかがない我が家にはコタツがないからな。エアコン?あるわけないだろそんな高価な物
「んー。でも冬って言ったら雪だよね?もう春も近いけど」
「確かに雪は冬の象徴みたいな感じだな。ミュウが来た時は季節外れっぽい豪雨だったけど」
あれは本当に予想外だったからな。だがあれがなければミュウは今ここには居なかったんだよなぁ…
「雪かぁ…雪見酒なんか良いだろうなぁ…」
「うわっ!…また勝手に入って…大家さんは雪が降ってようが槍が降ってようが酒を飲むんでしょ?」
相変わらずいきなりだなこの人、いつの間に入ったんだ?まぁ慣れたけどね
「そう言えば、ミュウの住んでた所には雪はないのか?というか四季はあるのか?」
「む、それは気になるな。どうなんだ?てか地酒は?魔界に地酒はあるのか?」
どんな所なのか想像もつかないからな。ダメな魔王が納める魔界って。そして地酒があったら魔界に行こうとしてないか大家さん
「雪はないよ?人工太陽があって暖かいしね♪だから四季もないし。地酒は…ワインとかも地酒になるのか分からないけど魔界製のワインならあるよ?今度シムさんに頼んでみるよ♪」
「やったぜ♪」
「あんまり飲み過ぎるなよ…?酒に強いわけじゃないんだから」
全くこの人の酒好きにも困ったもんだな。酔いつぶれた後に絡まれる身にもなれってんだよ
「いいなぁ魔界。なんか行ってみたいなぁ…」
行く気かよ魔界
「今度連れてってあげるね、家出騒動が収まった頃に♪」
連れて行く気かよ。俺は嫌だぞ?絶対に面倒くさい登場人物とイベントが押し売りされるんだから。興味はあるけどね?
「雪祭りにも行ってみたいけど、この町のお祭っていつなの?」
「そりゃあ夏だろう。冬に祭りしてる所なんて雪祭りが出来る所だけだからな」
「やっぱり夏かぁ…。…あ!雪降ってるよ玲君!!」
ん?おお本当だ。話をしていて降るなんて都合の良い天気だな。ミュウが騒ぐだろうが。この前も雨降ったし、俺になんか恨みでもあるのか?
「おし、玲!酒だ酒だ!雪見酒だ!!」
「シロップだよシロップ!!早くしないと誰かに食べられちゃうよ!!」
いや、誰も食わんし。てか大家さんに対するツッコミは疲れてきたな。でもほっとくと後が大変なんだよなぁ。どっちに転がっても害にしかならないなんて迷惑過ぎるよ大家さん
「玲君、雪だよ!?遊ぶか食べなきゃ人間じゃないよ!!」
「はいはい、分かった分かった。でも食わないぞ?だから俺の分のスプーンはしまってくれ」
せっかちな奴だなぁ、前世は犬かもな。しっかり俺のスプーンを用意しやがって、俺は絶対食わないからな
「よーし、行くぞミュウ!出陣だぁ!!」
「サー!!姐さん、何処までもついていきやす!!」
何処の軍隊なのか極道なのかわかんねぇよ。何処の人だおまえは。大家さんまで雪で遊ぶ年じゃないだろ
「元気いいなぁ…」
「玲君もいくよ!!」
「はいはい、引っ張るな引っ張るな」
仕方ないから付き合うか。付き合い良いなぁ俺って