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第5話:天使な悪魔と隣りのお家

「玲君おはよー…」


「おお、早く飯食ってくれ。俺は学校だ」


おはよう御座います玲ですよ。相変わらず朝食が出来た途端に起きるなこいつは、脳内にセンサーでもついてるのかもな


「玲君学校ってなぁに?」


「ああ、皆で集まって勉強する所だよ。ミュウの住んでた所にはなかったのか?」


文化も違うし学校がなくてもおかしくはないけど、それはそれで寂しい気がするな


「うーん、なんて言うか魔法で何でも出来ちゃうから特に技術を得る必要ないんだよ♪」


「へぇ…便利だな」


魔法かぁ…何か良いな。無駄に遠距離から岩とか砕いてみたいし


「よし、私も学校行く!玲君についてくね♪」


「ヤダ」


「えっ!ダメだとかじゃなくて嫌なの!?」


だってこの天使悪魔がついて来たら絶対に問題起こすもん


「ミュウを一人、家に残すのもかなり不安だが連れて行けば必ず心労が増えるからな。家にいろよ?」


「いやだぁぁ!!私もついてくぅぅ!!」


餓鬼かこいつは…。手足を投げ出してジタバタなんて今時幼稚園児でもやらないんじゃないか…?はぁ…仕方ないなぁ…


「…夕飯抜くぞ?」


「ひっ…!?」


そんな怯えた瞳をするなよ…。俺が何か悪い事をしてるみたいだろうが…。そんなに夕飯抜きが怖いのかこいつは


「わ、分かった。家にいる…。」


「よしよし、それじゃあ俺は行くからな?大人しくしてろよ?」


何だか少女監禁紛いの会話だけど俺は決して危ない人じゃない。それにどちらかっていうと御早めに御帰り頂きたいからな。


「んじゃあ行ってきまーす」


「い、いってらっしゃいませっ!!」


…そこまで夕食が大事か?







「ふぅ…行っちゃったな…」


あーあ、学校行きたかったなあ…。…ん?あれ?もしかして私視点!?やったね、初の私視点じゃん!!これはもうジッとしてられないよね♪


「…とは言っても何しようかなぁ」


ガチャリ


「あ、ミュウちゃんおはよー、玲ちゃんいるぅ?」


あ、雫だ!丁度いいや、遊び相手になってもらおっと♪


「はいはーい、玲君なら学校だよ♪」


「あー、そう言えば今日は月曜日だったわね…。仕事しないで引きこもってるとついつい忘れちゃうのよねぇ♪」


へぇ雫さんって今時流行のHI・KI・KO・MO・RIあーんどニートだったんだぁ、まぁ何となく仕事してない気はしてたけどね♪


「それじゃあ雫は普段なにしてるの?さすがにずっと玲君の家計とか圧迫してるわけじゃないでしょ?」


「そうねぇ…。普段は株とか…あとオンラインゲームに自作ゲーム作りかな」


カブ…?ってなんだろう。野菜を作ってるのかな?でも雫がそんな事するわけないしね!でもオンゲーにゲーム作って、お腹が空いたら玲君家に行くってダメ人間だよね?さっすが雫だね♪


「でもいいなぁ。自作ゲームってパソコンあるの?良いなぁ、玲君家ってゲームもパソコンもないんだよねぇ…」


全くあの真面目君め、今時これは有り得ないよ!!私だったら生きて行けない。それに玲君もパソコン一つ使えないなんて事になったら、この全力疾走しても後ろにばかり進む厳しい社会で生きて行けないよ!!


「ああ、あの子はその手の事に興味ないからね。そうだ!ミュウちゃん、私の部屋に来る?」


「行く!!」


すっごく興味あるよ雫の部屋!!丁度暇だったし♪


「それじゃあ来なさい♪あれ!それもしかして私の分の朝食!?玲ちゃん流石ねぇ♪」


「あ、そう言えばプリンもあるよ?昨日玲君が作ってたからそろそろ固まってるかも♪」


「もちろん食べるぅ♪」


取り敢えずはプリンを食べてからだよね♪







「おじゃまするッス♪」


「あ、そこは踏んじゃダメよ?麻酔銃に撃たれて一日動けなくなっちゃうから♪」


おっと、危ない危ない、泥棒除けかな?アニメで見た忍者屋敷見たいだなぁ♪今度家でもやってみよっと♪玲君引っ掛かるかなぁ?にしても食玩のフィギュアとかプラモデルとかいっぱい…雫も通だなぁ…あれ?こ、これは!?


「そこら辺に適当に座ってていいわよ。…どうしたの?」


「雫!!こ、これってまさか!!」


「あら♪ミュウちゃん分かるの?ふふふ、まだまだ若いのにやるわね♪そうよ!これは販売されて間も無く廃盤となったガシャポンシリーズ『魔法薬剤師まじかるマッド』のシークレット2種を含む全18種よ!!」


すごーい!!初めて見たよ!!発売と同時に自主回収が始まったし、シークレットの混入率が20箱に1個あれば良い方っていうとてつもない確率だったから18種を揃えてる猛者は存在しないと思ったのに!?


「全部本物だ…どうやって集めたの!?今や偽者まで出回ってて伝説になってるのに!!」


「自主回収が行われる前に片っ端から買い集めたのよ、苦労したわぁ。かなり運もあったしね♪今じゃ本物を集めるなんて絶対無理だろうし」


むー。いいなぁいいなぁ…どうにかして手に入れたいなぁ…。


「ふふふ、ミュウちゃん、勝負しましょうか?」


「勝負?」


「ええ、私が勝ったら冷蔵庫に余っていたプリンは全部私が貰うわ…ただ、ミュウちゃんが勝てばそのフィギュアは全部ミュウちゃんにあげる」


「な、なんですとー!?本当!?…でもあれはお風呂あがりにって取っておいたやつだし…」


うーん、どうしよう。今を逃したら多分もう手に入らないだろうし…


「ちなみに種目は『魔法薬剤師まじかるマッド〜エンドレスリサーチ〜』つまり格ゲー3本勝負よ♪」


「やる!!」


へへーん♪格ゲーは私の得意分野だもんね♪雫には悪いけどこの勝負貰った!!!


「雫、負けないよ?」


「ふふふ、プリンは私の物よ♪」


ファイト!!







「ただいまー……ミュウ、どうしたんだ?」


「負けた…私が…私がパーフェクトなんて…」


「あら、おかえり♪」


さて、視点は返して貰うぜ。…にしてもわざわざ人の部屋にまでゲーム機持ち込むなよな…


「これで私の56連勝♪私の部屋でやったのも合わせて…幾つだったかしら?まだやる?」


「…ま、まだまだ勝負はこれからだよ…」


そんなにやってるのか…。なんか凄くミュウがやつれてるな、負けたのがよっぽど悔しいのか


「それじゃあ次行くわよ♪」


「絶対一度は勝ってやるぅぅぅぅぅ!!!!」


俺がいない間に何があったんだ…?

松竹梅日誌 月村玲        こんな物があったんだな。…3番目か…まぁいいんだけど。あの後ミュウと雫さんは結局夕食が出来るまでぶっ続けでやってやがったよ。俺はあんまりゲームには詳しくないけど雫さんが強いのだけは分かったよ。ミュウが半泣きだったしな。ちなみにあのゲームは雫さんが太っ腹にも我が家に上納してくれたよ。ミュウには見たいTVもあるしやり過ぎないように言っといたけど、余程悔しかったのか雫さんが帰ってからもずっとやってたなぁ。んじゃあ今日はこのへんで

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