第48話:魔界の幹部と旅行の予定
すっごく久々の更新です。書きたくなったら書くと言う当初の予定を相変わらずフリーダムに実行中。
「旅行………ですと?」
「はい、出来ればシムさんとハディムも一緒にどうかと。」
「………ふん、魔界にまで来て何かと思えば、まぁ変態底辺野郎にしてはそこそこ気の利いた話ですが。」
こんにちは、玲です。今日はシムさんとハディムを旅行に誘うために魔界まで来ました。取り合えず海鈴はオッケーしてくれたので、後はこの二人だけになるわけです。でもハディムを誘ったら常に命を狙われそうで怖いなー、ミュウには側に居てもらわないと。
「あ、ちなみに海が近いので海水浴も出来ますよ。時期が時期なので人も結構いると思いますが。」
「海っ!? そ、それはまさか地界にあると言うパラダイスの事では!?」
「シムホールが喜ぶと言うことは………ふん、流石の下郎………。」
「いや、何で海があるって言っただけでそんな醒めた眼で見られなきゃいけないんだよ!!」
まぁ確かにシムさんがそういう意味で喜んでるのは間違いないけどさ!!
「海はそんなに悪い所じゃ……。」
「確か海では女の子が皆水着という下着の様な布切れ一枚ではしゃぎ回っているのですよね!? そしてそこではナンパし放題という!!」
「シムさんあんたは少し黙ってて下さい。」
本当にこの人は一体どこでそんな湾曲しまくった情報を……。
「いや、ハディム、海はそんないかがわしい目的の場所じゃなくてだな………。」
「ふふっ………ふふふっ、ふふふふふっ。そうですか、その様な場所に………ミューお嬢様と。」
「…………あの、ハディム……さん?」
やばい、嫌な予感しかしない。
「良いでしょう、行きましょう、その海とやらに。」
「え? 大丈夫なのか?」
「つまりはミューお嬢様の美しい体が愚民共に晒されようとしているのですよね? ふふふっ、大丈夫な訳ないでしょう? 今すぐ脳みそ引きずり落としてミキサーにかけて差し上げましょうか? 安心して下さい、後からミューお嬢様に群がるゴミ共もそちらに逝きますから。」
「頼むから問題起こさないでくれよ!? ただでさえ毎年大屋さんと雫さんが被害者出しまくって大変なんだから!!」
あの二人は放っておくと屍の山を築き始めるからな、正直これ以上問題が増えたら収集が着かなくなる………。
「楽しみですねー海!! 水着!! ナンパし放題!!」
「お嬢様への視姦だけは阻止、粛正、何人足りとも生きては帰さない……。」
「ま、まぁ二人がオッケーと言う事は分かった。」
何だかいつにも増して大変になりそうだけど、シムさんは勝手に自爆するだろうし、ハディムもミュウに怒られれば鎮まるだろ。
「あー、じゃあ暇な日が分かったら教えて下さい。一ヶ月後から俺の長期休みがあるのでその辺りで。」
「任せて下さい玲殿、あの駄目魔王を絶対に黙らせて休みを取りますから!! というよりもあの魔王自体働いてるのかどうかも怪しいんですから文句なんて言ったら張り付けにしますが。」
「………本当に魔界って平和なんだなー。」
魔王が仕事しなくて良いなんて、もう王様の意味ないんじゃね?
「それじゃあ俺はこれで……。」
「あ、お待ちなさい腐乱物質。」
「………呼び止めるならそれ相応の呼び方があって然るべきだと……。」
「いちいち細かい男ですね、まぁそれはともかく次の日曜日は空けておきなさい。」
「…………え?」
「何ですかその嫌そうな顔は。」
だって嫌な事が起こる確率がめっちゃ高い事言われたんだもん。
「一応聞くけど、何で?」
「その水着とか言うものを買う場所に私を連れていきなさい。どうせ必要になるのでしょう?」
「あー……そりゃあ持ってないよな、水着……。」
うーん、こっちから誘ったんだしそのくらいはするべきだよな。女物は選んだことないけど、売ってる場所くらい知ってるし。
「あ、それでは私めも御一緒に………。」
「シムホールは駄目です、貴方を連れていくといかがわしいセクハラ紛いの真似をするに決まっていますから。と言うより何故私が貴方の買い物に付き合わなければいけないのですか?」
「ひ、酷い………良いですよー、今度加代ちゃんにでも付き合ってもらいますから………。」
「はは……。」
まぁ、ハディムが言ってる事もあながち間違いじゃなさそうだしな……。いきなり女性物の水着を持ち出して喜ぶ変態の姿が容易に想像出来るし。
「分かったよ、それじゃあ来週の日曜に。」
「ふん、シムホールが言うような水着がある場所に連れていったら細切れにしますのでそのつもりで。」
「本当に物を頼む態度じゃないよな、それ。」
まあ、今に始まった事じゃないけど。取り合えず週末の予定も決まったし今日は帰るか………でも何だか嫌な予感がするなぁ、なんでだろう。