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第44話:昔々の

「芸術とは爆発なんだよ玲君!!」


「いいから黙ってろ、授業中なんだぞ?」


はぁっ……結局ついて来やがって。そういうことで美術室から玲です。というか目立ちすぎだよ、先生も皆もマザーガーディアンズ絡みで慣れてるけど、やっぱり目立つよなぁ。金髪と水色の髪のゴスロリ娘なんて滅多にいないし。


「つ、月村君。その子達は………いや、授業を始めましょう。」


「賢明です、島原先生。」


「ん、榊? 今何しまったんだ?」


「玲様の気にするような物ではありません。それと、これは玲様の分の下書きです。先に取って来ました。」


んー、あの光沢のある黒い物は銃器に見えたんだけど……まぁ、富田さんじゃあるまいしな。


「ねぇねぇ玲君、何描いてるの?」


「ん? ああ、えっと。」


「今回の題名は思い出ですからね。月村君の作品ですし私も興味があります。」


なんで皆こんなに興味津々なんだ? まぁ、絵は家事の次に得意だし、見られるのが嫌な訳じゃないけどな。


「んっと……あれ、これって女の子の絵? 随分綺麗な人だね………あ、アラナ!?」


「ねぇ、玲さん、正直に答えて欲しいんです。これって思い出、何ですよね? 大丈夫です、過去なんて塗り潰しましょう。私がもっといい思い出を一生かけて作りますよ。そうです、何処の馬の骨だか知りませんけどこいつは思い出、思い出、思いデ、思イデ………。」


「だ、駄目だよアラナ、目が人を止め始めてるよっ!? 早く戻ってきてよぉぉぉぉっ!!」


「……それで月村君、どうなんですか? まぁ愛人やペットくらいなら私は許容出来ますから安心して下さい♪」


榊妹まで何言ってるんだ。まぁ女は色恋に異常な反応を示すらしいし、しょうがないか。


「でも、ミュウとアラナちゃんは知ってる筈なんだけどなぁ。」


「え、私が知ってる人? でもこれって制服だよね? 私こっち側の知り合いで金髪の人なんて大家さんくらいしか……。」


ん〜、まぁ分からんわな。あの人も随分変わったし。


「……んーもしかして大家さんじゃない? 凄く若いけど……。」


「あ、お帰りアラナ。でもそれは無くない? なんかこの人凄く良いところのお嬢様っぽいんだけど。」


「確かにそうかもねぇ。こんな優しそうな大家さんは現実には見たことないし……。」


随分な言われようだな……まぁ無理もないか。


「いや、アラナちゃんが正解だな。これは大家さんだぞ。」


「「「え……っ……。」」」


……なんで一歩引いたんだこいつら?


「……玲君、これはちょっと美化し過ぎだよ。大家さんって言ったらずぼらの代名詞だよ?」


「そ、そうですね。いくら玲様と言えどあのバーサー……、いえ、大家の方がこのような、慈愛に満ちた顔をするとは……。」


そこまで言うか……まぁこいつらに関しては仕方ないかもな。榊からの第一印象は恐怖だし。ミュウ達も普段から大家さん見てるし。


「……なんだか良く分かりませんけど……その方は月村君のアパートの大家をしている方なんですよね? 昔からの知り合いなんですか?」


「んー、まぁな。」


「……ねぇ玲君、そういえば大家さんとはどういう関係なの? 昔からの知り合いなのは分かるんだけど、親戚か何か?」


「……そんなところだ。」


「…………?」


ん? 別に話したくないわけじゃないぞ? こう言う話しは出来るだけしないようにって言われてるんだよなぁ。二人だけの秘密は多い方がいいかららしいけど、多いと何かあるのか? ま、この先話す事もあるかもな。


「まぁいいや、取り合えず玲君!! 私書いてよ、私!!」


「ちょっとずるいわよ、ミュー!! 玲さん、是非私を書いてください!! ……そ、その、玲さんの芸術の為なら私脱ぎますから!! あ、でもここでは少し恥ずかしいので別室で……。」


………まぁ、いつになるかは分からないけどな。



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