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第43話:天使な悪魔の学内潜入

「ねぇねぇミュー、玲さんは病み上がりなのよね?」


「そうだけど、またいきなりどうしたの?」


「どうしたもこうしたも無いわよ。まだ体調が万全じゃないのよ? そんな状態で学校なんか行ったら変態共に囲まれてもろくな抵抗が出来ないわ、玲さんの貞操の危機よ。」


「ごめん、アラナの思考が全然理解出来ないんだけど……。」


アラナが最近近くて遠い人に思えるんだよねぇ。あ、こんにちはー、ミュウだよ♪ 玲君は今日から学校に通い出したんだよ。なんでも勉強が追いつかなくなるから早めに戻りたいんだってさ。真面目だよねー。


「つまりアラナは何が言いたいの?」


「取り敢えず学校に侵入して近付く人間を片っ端から粛正してー。」


「アラナさ、そう言う雫みたいな事言うの止めない? ねぇそんな当たり前みたいな目をしないでよ、どうしちゃったの? 少し前からおかしいよ?」


「そう? 私は至って普通だけど?」


「それが普通になって来てるから異常なんだよ。」


いつからだっけなぁ、確かハディムが頻繁に来だした頃からだっけかな。さらに酷くなったのは入院して海鈴が玲君と仲良くなった辺りかな。うん、分かりやすいなぁアラナは。


「とにかく、学校に行くわよ。」


「え、アラナ本気!? 夕御飯がなくなっちゃうんだよ!?」


「夕御飯がないなら玲さんを食べるわ。」


「……アラナ、それはどういう意味で言ってるの? 意味によっては危険だよ? むしろどんな意味でも危険なんだけどね。」


取り敢えずアラナの意志は固いみたいだね……。まぁ、アラナが行きたいって言ったなら玲君も許してくれるかも知れないしね!! 玲君はアラナに甘いからなぁ。実は私も諦めきれなかったんだよね、家にいる間暇だし。


「それじゃあ、行こっか♪ えっと、確か場所は……。」


「玲さんに付いてる発信機を辿ればいいでしょ、ほら早く行くわよ。」


「…………当たり前のように言うね……。」







「玲、次は選択授業だぞ。美術室行こうぜ。」


「ああ俊也、ちょっと待ってくれ。榊がまだだ。」


「兄が御迷惑をおかけしてすいません……。そうです、お詫びに今夜私の家に来ませんか!?」


「いや、今俺がいなくなると確実に二人程暴れる人間がいるからな。遠慮しておくよ。」


っと、なんか俺視点? んー、なんとなく嫌な予感がするな。いや、妹さんが家に連れ込みたがるのはいつもの事なんだけど。


「お待たせ致しました玲様。」


「おう、玲だけじゃなくて俺も待ったぞ。授業中も携帯弄ってたけど何してたんだよ。」


「うむ、なんでも学校に関係者以外の人間が入り込んだとの連絡が玲様親護衛参班から入った。堂々と正門から入って来たらしい。」


「……それは何処に突っ込んだら良いんだ?」


参班か……確か響さんが担当してる班だったな。あの人とも随分会ってないなぁ。


「ふんっ、マザーストーカーズだかなんだか知りませんけど、本当に使えるんですか? 結局は侵入を許したんですよね?」


「ふっ、情報すら届いていないTAMA'sの雑兵に言われるとはな。それとマザーガーディアンズだ、間違えるな。……それに、手を出さなかったのには理由があるらしくてな。」


「見苦しいですよ、兄さん。素直に非を認めるべきです。」


理由……? なんかますます嫌な予感がするんだが……。


「理由って、何かあったのか?」


「ええ、実は………。」


「たぁーまぁーくぅぅぅぅぅぅぅぅんっっ!!!!」


「た、玲さん!! 無事ですか? 変な事されてないですか!?」


「…………。」


ああ、なるほどな、確かにこいつらなら響さんも通しちゃうよなぁ……はぁっ。


「ミュウ、あれ程来るなって言ったよな? 夕飯の件、忘れたか?」


「ひっ……。」


……こんなに怖がるなら来なければいいのに………ったく、本当に変わらないなこいつは。


「あ、あの、玲さん。私達、玲さんが心配になっちゃって……ごめんなさい……。」


「……アラナちゃん………。」


アラナちゃんにそれを言われると何も言えなくなるんだよなぁ。入院中も来るなって言った大家さん達を気遣いながらも何度も来てくれたしな、この言葉も本心からなんだろうなぁ。


「そうだよ、私達は病み上がりの玲君が弱っている今を狙っている変態から玲君の安息を守る為にここまで来たんだよ!!!」


「ミュウ、俺にはお前が何を言いたいのかが理解出来ない。」


「私だって良く分かんないよ、アラナが言い出した事だもん。」


「安心して下さい玲さん、私が責任を持って守り通します…………ふふふっ……。」


あれ、なんかアラナちゃんの周りに黒いオーラが見えた気がするんだけど、気のせいだよな。


「……月村君、この子達は誰です? いきなり月村君に抱き付くなんて……。」


「んー……まぁ、簡単に言えば居候かな。アラナちゃんの方は大家さんの家にだけど、こっちの金髪ゴスロリ娘は俺と一緒に住んでる。」


「……ふ、ふぅん、居候ですか。」


「むぅっ、ゴスロリじゃないよっ、これはコスプレだって言ってるでしょーっ!!! って、あれ、玲君、なんで私こんなに睨まれてるの?」


「そう言えば、今更だけどミューは玲さんと一緒に住んでるのよね…………一緒に住んで、一緒に寝て、一緒に……ふふふふふっ、あはははははっ♪」


「あ、アラナ……さん? 目が、目が怖いよ? ちょ、え、やだ、こっち来ないで!? 玲君助けてぇ……。」


「何しに来たんだよお前ら……。」


「……玲、取り敢えず早く美術室行かねぇ?」


ごもっともです。

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