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第41話:我が家の母の退院パーティ

「玲君退院おめでとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉうっ!!!!」


「どうぞ、退院祝いの黒百合の花です。適当に選んだのですが、花言葉は呪いだそうですよ。」


「ありがとうミュウ。そしてハディムは嫌がらせとしか思えないな。」


「貴方の予想は十割方当たっています。やりますね、死に損ない。」


「全部じゃねぇかよコノヤロウ。」


「玲さん、私からは薔薇です。受け取って下さい♪」


「アラナはえらいストレートだね、尊敬するよ。」


最近アラナが病的な行動をする様になって来たなぁ。あ、こんにちはミュウだよ♪ 今は玲君の退院おめでとーって事でパーティなんだけど、料理を作るのは玲君とハディムなんだよね。まぁ本人がやりたいって言うんだから問題はないだろうけど。


「でも玲ちゃんも本当に災難だったわねぇ。偶然外に居て偶然どこからか撃たれるなんて普通有り得ないわよ? もう夜も衛星を玲ちゃんに固定しなきゃ駄目ね。」


「雫、それも犯罪だからね?」


「私の玲ちゃんへの愛は法律程度では縛れないのよ、ミュウちゃん。」


「雫、それはストーカーの理屈だぞ。松竹梅から犯罪者は出したくない。」


確かにそうだけどさ、姐さんも人の事言えないよね。共犯だよ?


「おいハディム、なんだこの味つけは、俺のレシピと違うぞ。というか濃すぎる、これを食わせてたのか?」


「ふんっ、貴方の味付けは健康にばかり気を使って食材の味を引き出しきっていません。濃く味つけをした方が良い物もあるんですよ、思考が老いていますね。」


「……あー、確かに玲君の料理を食べてると濃いのも食べてみたくなるんだよねぇ。」


「ミュー、まさか玲さんの味付けに何か文句があるの……? ……それはつまり、天界への戦線布告と取っても良いわよね……?」


「ねぇ、アラナは一体どこに電話しようとしてるの!?」


なんかここに来てからアラナが病んでいくのが手に取る様に分かるよ。というか、完全に眼が据わってる。あれは本気の眼だよ!?


「でもまぁ、確かに前から玲の料理にも濃いめの味付けが欲しいと思ってたのは確かだ。あんまり言いたくはなかったがな。」


「まぁ、実は私も……。玲ちゃんが私の健康に気を使った料理を作ってくれるのは凄く萌えるから言わなかったんだけど。」


「ああもしもし、お母さん?」


二人共お願いだからアラナを挑発するような事は言わないでよっ!!


「ほら、皆様もおっしゃっているでしょう? ふふふっ、私が料理を作る以上、ここに貴方は必要ありませんっ!!」


「あ、お母さん? うん、ちょっとお父さんに用事があってね。天界の全軍隊の指揮権とか欲しいなーって。」


「待ってぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!! ……って、玲君は何してるの? それってハディムのレシピ?」


「ああ、気になる事があってな。」


「玲さんどうかしましたか? 何もせずとも、直ぐにこの世界の味覚障害者を殲滅致しますので御安心下さい♪」


玲君がついに世界を動かせる存在になっちゃったよ……。でも玲君の御飯も美味しいから別に文句はないんだけどなぁ。ただたまには濃いのも食べたいってだけで。


「私のレシピがどうかしたのですか? 早く自分の考えが間違っていた事を認めなさい、往生際が悪いですよ?」


「……ミュウが3キロ、大家さんが2キロ、雫さんが2、5キロってところかな。アラナちゃんは自己管理が出来るから平気だと思うけど。」


「…………なんですかそれは?」


「皆の体重の増加量だけど?」


「「「………っ!?!?」」」


な、なんで玲君がそんな事を知ってるの!? いや、確かに昨日お風呂に入った時に結構ショックだったけど……。


「た、玲ちゃん。なんでそんな事を知ってるの? いくら私達の健康チェックをこまめにしてるからってそんな事まで……。」


「別に、ちょっと計算しただけだよ。後は勘も混じってるけど、大体合ってる筈だ。」


確かに、姐さんと雫の顔を見る限り合ってるみたいだね。まぁ、私も……うん。


「そんな馬鹿な事が……。私だってあまり脂っこくならない様に調整したのに……。」


「まぁ出来る限り押さえたんだろうが、この3人は食う量が半端じゃないからな。少しでもカロリーが上がればそれはかなりの量になる。普段はとてつもないエネルギー消費量と差し引いてなんとか消費してたのが、消費し切れなくなったんだな。それが一か月続けばこうなる。俺が濃い味付けをしないのはこれが大きいからだ。」


「そんな……私の料理がミューお嬢様の負担になるなんて……。」


「ふふっ流石は玲さん、まさしく神の器ですね。政権交代の日も近いです。」


さっきからアラナのテンションがおかしいんだけど、ツッコムべきなのかな?


「……た、玲君ごめんね? もうこんな事言わないからダイエット料理とか作って欲しいなー、なんて……。」


「わ、私もちょっと薄味が恋しくなって来たかなー。ね、大家さん?」


「そ、そうだな。折角玲が考えて作ってくれてるんだし……。」


「情けない人達ですね、いきなり手の平を返して。」


ううっ、アラナ、自分は体重変わってないからって……。女の子にとって体重は超重要な問題なんだよっ!?


「まぁ、今回は許してやるか。」


「「「お願いします……。」」」


退院して久し振りに玲君のありがたみを感じた気がするよ……。ともかく玲君が戻って来て良かった良かった♪



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