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第34話:我らが母の学内風景

こんにちは玲です


今は数学の授業中なんだけど、実は数学はあんまり得意じゃない。と言うか勉強自体そこまで出来るわけじゃない、昔から大家さんに勉強なんてしなくても生きていけると言われてきた為なんだが、それを信じて勉強をしてこなかった俺の責任だな。雫さんが家庭教師をしてくれてるからかなりましになったけど、受験の時はやばかったなぁ


「じゃあ月村さん、これを先程習った公式を元にして解いて貰えますか?」


「えっと……」


「玲様、答えの一覧を表にしてみました、もし宜しければお使い下さい」


「……有り難いけど、それはちょっと狡くないか?」


やっぱり自分で解くか、自分の為にならないもんな。


「くっ、素晴らしい決意です玲様……。この榊、感動しました!!」


「いや、そこまで言う程か?」


この人は榊洋介さかき ようすけと言ってマザーガーディアンズ所属の友人、なんでも学園護衛隊長らしい。

なんだそれは、と言う突っ込みは止めてくれ、俺も分かんないしな。軽く立たせて整えた黒髪に眼鏡をかけていて、文武両道、才色兼備、普通にしてればクールでモテると言うなかなかハイスペックな友人なんだけど、いかんせん、会話の内容通りに変人だ。いや、俺と話をする時以外は完璧なんだけどなぁ。なんでも若くして響さんのチームの作戦参報だったらしい


「むー、二分の七ルート二……かな?」


「月村君、この公式のルートには+-が付くので答えが二つ……にはなりませんね、ええ、答えは一つで十分です、十分ですから座って良いですよ。」


「………?」


何で先生は泣きそうなんだ? そして榊、今一体何を隠した? さっき先生の顔にレーザーっぽいのが当たった赤い点が出来てたけどあれはなんだったんだろう


「さ、さて、少し早いですけど切りが良いのでお終いにしましょうか!! 宿題は今のページの残りです、では、さようなら」


「気をつけ、礼」


「「「ありがとうございました」」」


まだ5分もあるんだけどな、宿題残すくらいなら授業すれば良いのに


「玲、お前また授業ぶち壊しただろ」


「貴様、玲様が授業を壊したと? そうだとすれば悪いのは玲様ではなく、壊れた授業だ」


「悪いのはお前だけどな、榊」


やっぱり俺が何かしたのか、気をつけないとな。

ちなみにこっちの男は長里ながや 俊也としや茶髪に染めた髪とだらしなく服を着る事が特徴で、チャラチャラしたアクセサリーをよく付けている、こっちもモテるみたいだけど結構買い物とかにも付き合ってくれるし、今まで誰かと付き合うって事はしてないのかも知れない。まぁ普通の友人、親友と言っても良いかも知れない。付き合いも霞さん並みに長いし


「とにかく、準備したら早めに家庭科室行くぞ。お前は自分の事となると鈍臭いからな」


「ああ、分かった。榊も行くぞー」


「イエス、マザー」


相変わらず面白いなこいつ







「えっと、今日は餃子と麻婆豆腐か。なんか最近中華が多くないか?」


「ふっ、玲様の作る料理なら中華だろうと和食だろうと、それだけで世界を救います」


「いや、意味わかんねぇから」


料理くらい練習すれば誰でも出来るだろうに、まぁ褒められて悪い気はしないな。……ん?


「あの……つ、月村君!!」


「どうかしたか榊?」


ああ、こいつは榊の双子の妹のさかき 美奈みなって言う子だ。

兄貴と同じく美形遺伝子の持ち主でミドルカットの黒髪に猫のヘヤピンをしている。

身長はあまり高い方ではなく、美人と言うより美少女だ……まぁ学園一ではないかと思う程度には美麗なのだが、大家さんとか雫さんを見慣れてしまっている上に、異界面子は何かと皆美形の為にそこまで緊張する事もないんだよな。特にハディムとか同い年とは思えない程スタイルいいし、性格は最悪だけどな……はぁ


「あの……月村君、調子悪いの?」


「いや、ちょっとな、気にしないでくれ。それよりどうしたんだ?」


「えっと、分からない所があるんだけど……良いかな?」


「ん? まぁいいけど。」


家庭科で分からない所があるなら先生に聞いた方が良いと思うんだけど、まぁ減るもんじゃないしな


「えっと、餃子の形が上手く整わないので……その、御手本を……」


「ああ、少し中身が入り過ぎてるな。……ふむ、これはもうちょっと捏ねた方が良くないか?」


「ふぇ、そうですか?」


「ああ、貸し……」


「いけません玲様!!」

うおっ、なんだよ。と言うかここで暴れるな、埃が立つから


「に、兄さん、また邪魔しに来たんですかっ……!?」


「美奈、お前の企みは読めている。早く玲様から離れろ」


「た、企みなんて人聞きが悪いですよ、兄さん。私はただ玲様手ずから捏ねて下さった物を食べたかっただけです!!」


「ちっ、やはりそうかこれだからTAMA'sの奴は……」


「榊、そのTAMA'sってのはなんだ。また玲関連の集団か?」


TAMA's……そう言えば朝に霞さんが言ってたな。なんで俺なんかの周りにこんなに集まるのかね? 一般的に見てまぁ顔はそこまで悪くないと思うけど、俊也とか榊のがファンクラブ出来そうなのに


「TAMA'sと言うのは玲様を慕っているとは名ばかりの外面しか見ていない集団だ」


「なっ、兄さんと言いえども今の発言は許しませんよっ……!!」


「榊妹はその玲崇拝集団2のメンバーなのか。またクラスに意味分かんない奴が……」


「俊也、俺のせいか?」


「いや、原因はこいつらの腐った頭だ、気にするな。それより俺の餃子見てくれよ」


家庭科室でケンカされるのはあんまりいい気がしないけど。まぁ、俺は俺のやる事をやりますか、餃子餃子



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