第27話:秘密の倉庫と居合い斬り
休載を終了しまた話を書くことに致しました。 相変わらず不定期更新でゆっくり書いていこうと思っていますが、どうか宜しくお願い致します
「なー玲、カルタやろう、カルタ」
「いきなりなんですか? なんでカルタ?」
こんばんは、玲です。今は夕食を食べ終わって俺の部屋で皆で寛いでいる所なんだけど、なんでカルタ? 明らかに時期外れてるよな
「でもカルタだと大家さんと雫さんの変態的能力のせいで相手になりませんよ?」
「変態的って…玲ちゃんさり気なく酷いわね」
「でも事実でしょ?」
絶対読む前に取るだろうしな。ミュウとアラナちゃんが可哀相だ
「でも他に何するんだよ、あー暇ー」
「駄々捏ねないで下さいよ」
相変わらず子供みたいな大人だからなーこの人
「あ、そうだ。ねね、私この前テレビでやってたあれやりたい。ジャンケンしてハンマーで叩くやつ」
「あ、それなら私も見ました。負けたら防御するんですよね?」
叩いて被ってジャンケンポンか、丁度良くピコピコハンマーもあるしやってみるか。なんでこんな所に転がってるのか知らないけど
「二人ともそれで良いですか?」
「私は構いませんよ、大家さんはどうです? まぁもう歳ですし激しい運動は体に毒だと思いますけど」
「…生きて帰れると思うなよ?」
ムキにならないで下さいよ
「わー、何か本格的だねー♪」
「俺はともかく雫さんと大家さんは遊びには労力を惜しまないからな」
ミューが言うほど本格的ではないが座布団を敷いてピコハンとヘルメットを置いてある
「まぁ遊ぶには十分だろ」
夕食の腹ごなし程度だしな
「それで…」
「どうしました、倉庫の妖精さん」
「いや、なんで妾の部屋でやる必要があるのじゃ?」
「すいません、俺の部屋じゃ狭くて」
「いや、別に夕食の礼もあるし構わないのじゃが」
そう言えば倉庫の妖精って何か言いにくいな。名前とかはないのか?
「それじゃあアラナ、いくよ!!」
「叩いて被ってジャンケン…」
「「ポン!!」」
アラナちゃんがチョキで勝ったな
「しまった!!」
「甘いねアラナ!! ヘルメットの打撃力をナメちゃいけないよ!!」
「くっ、ピコハンでは勝てない…」
「アラナ覚悟ぉぉぉぉっ!!!」
「止めろ馬鹿、一体なんのゲームをしてるんだ?」
こいつら一体何をやってるんだ? 何故負けたミュウがヘルメットを攻撃に使うんだ
「え? でもテレビではヘルメットで顔面殴ってたよ?」
「それをピコハンで防いでました」
「それは凄く特殊な部類の遊びだからマネしちゃだめだぞ」
くそ、こんなゲームをやるのはバラエティだけだと言う事を忘れてた
「まぁ大家さん達のやってるのを見て覚えろ。って言ってもそんな複雑なルールじゃないから」
まぁ見せるまでもないと思うけどな
「ほらあれが…」
「もらったぁぁぁっ!!!」
「…ちぃっ…!!」
キィィィン!!!!
「…ふん、やるじゃねぇか」
「ふふふ、流石です大家さん。毎回スピードが上がっていくなんて」
見なかった事にしようか、あれはただの居合い抜きだ。これはあくまでジャンケンで勝った方が素早く相手の頭を叩き、それをヘルメットで叩くゲームだ。ジャンケンで勝った方が刀で叩き斬り、負けた方が防ぐゲームではない。
「玲君…私達あんな事出来ないよ……」
「…すみません…」
「いや、あんな事出来ても大人になってから何のやくにもたたないし、そもそもやっちゃいけないよ」
こんな事で本気で落ち込まれるとなんだかこっちが申し訳なく思えて来るな
「ぬ、主!! あの二人を早く止めぬか!!」
「あー、確かにこのままだとここが壊れますね。」
まぁどちらか怪我する前に止めておくか、なんか倉庫の妖精さんがオロオロしてて不憫だし
「ジャンケンなんて面倒だ!!! 奥義、倉庫オブデストロイ2008ぃぃぃぃ!!!」
「くっ、超必殺技ですか。こうなったら倉庫はともかくカウンターを狙う!!!」
大家さんも雫さんも絶対ここを壊すのが目的だな。実は仲良いんだよなこの二人って。
「すいません、脱出しましょう。二人とも出るぞ」
「りょうかーい♪」
「分かりました♪」
「な、なんだと!? おい、こら。ちょっ…引っ張るな!」
すいませんね妖精さん、でもこのままだと巻き込まれるので我慢してください
「ハァァァァァァァァッ!!!!」
「くっ、脱出します!!」
ドゴォォォォォォォォォォォォォォォッン!!!!!!
「あ、あ…私の家が……」
「玲君、もう眠い…」
「わ、私も玲さんのお部屋にいってもいいですか?」
「ああ、別にいいけど。狭いよ?」
さてと、後始末は二人に任せて俺は明日に備えて寝ますかね