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第21話:魔界の城での一泊二日 後編

「デカ……おいおい…ミュウって本気でここの娘なのか?」


「そうだけど、まぁぶっちゃけデカくて良い事ないよ? 一々部屋から客室まで遠かったりするし」


びっくりしたわー、玲です。なんか本当にミュウがお嬢様何だなぁって思い知ったよ。これならアラナちゃんの方もデカいんだろうなぁ


「シムちゃん、取り敢えず私達は魔王とやらを支配…もとい挨拶に行けばいいの?」


「はい、ですが私はこれから少し出掛けなければならないので、案内役が居るはずなのですが……」


シュタ


「ここに参ります」


わお、何処からともなく現れるな。……にしても、また大層な美少女が出て来たもんだ。中学生くらいの顔立で緑色のミドルヘアー、メイド服が良く似合ってる。女子大生とかの中に入れたら大人気になりそうだ


「あれー、アースじゃん久し振り!!」


「ミュウの知り合いか? まぁ当たり前か」


「うん、メイドさんだよ。私と同い年なんだけどね」


へぇ…15歳でメイド…凄い子なんだなぁ…


「初めまして、ミア・メイリースです。二日間身の回りの事はなんでも御申付け下さいです」


「宜しくね、ミアちゃん」


クシャクシャ


「え、あ、はい…です…」


何か無条件に頭を撫でたくなる子だなぁ。頭も丁度撫でやすい位置にあるし


「流石玲ちゃん、年下の子の扱いに関してはプロね。見事だわ」


「玲さんが優しいのは良い事なんですが…複雑です…」


「それではアース、後は頼みましたよ」


「御意…それでは皆様、応接間へ案内致しますです」






「ミュウお嬢様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


「わっ、ちょ、ちょっとハディム!!」


「相変わらず元気だな、ハディム」


「ああ、貴方も居たんですか。外に犬小屋を用意していますのでそちらへどうぞ、邪魔ですから消えて下さい」


「どうでもいいからナイフを首筋に当てながら話すなよエセ待女。後勝手に人の家を改造するな、方向オンチめ」


何か首筋にナイフがナチュラルになるのは嫌だ。それにミアちゃんがオタオタしちゃってるじゃねぇか


「あの、魔王様がお呼びなのです…」


「それでは、お嬢様は私と向こうで戯れあいましょうね♪」


「あの…ミュウお嬢様もお呼びなのです…」


「却下です」


「あうぅ…」


ハディムめ、ミアちゃんが泣きそうだろうが。ミュウが好きなのは分かるがこんな子に圧力かけるなよ…可哀相に


「ほら、阿呆な事やってないでミュウも行くぞ。大家さん達は取り敢えずいいみたいだから客室に行っててくれ」


「おう分かった。そこの待女、案内してくれ。後酒、料理も宜しく」


「あっさりしたのがいいわ」


ふてぶてしい態度、流石大家さんと雫さん


「私に命令して良いのはミュウお嬢様だけですが……まぁいいです。それとそこの汚豚野郎、後で私とお嬢様を引き裂いた罰を受けてもらいますから覚悟なさい。それでは皆様、案内致します」


「相変わらず意味わかんねぇな。それじゃあミアちゃん、宜しく」


「は、はいです!!この扉の向こうです!!」


さて、魔王とやらはどんな人なんだろうな。まぁミュウの父親なら変な人確定だろうけど


ギィィ


「魔王様、御連れしたのです」


「ああアース、ご苦労。」


「……貴方がミュウのお父…」


「お前に義父さんと呼ばれる覚えはないっ!!!」


……ああ、面倒くさい人が来たよ。帰って良いかな俺


「お父さん、玲君が呆れてるよ。てか目障りだよ」


「そんな事言わないでくれ愛しの…」


「気持ち悪い」


「ミュウ、魔王様が拗ねちゃうぞ。父親に気持ち悪いとか言っちゃいけません」


「だって気持ち悪いんだもん……」


まったく……魔王様がしゃがんで『の』の字を書き始めちゃったじゃんか。娘に気持ち悪いって言われたのがよっぽどショックだったんだね。あ、髪は黒髪だけどなんだか灰色っぽい感じの長い髪で後ろで束ねてる。瞳は赤、ぶっちゃけミュウに全然似てないな。ハンサムなんだろうけど


「ほら魔王様、立って下さい。強い子でしょ」


「うん…僕めげないよ…」


「お父さん玲君に触れないで、汚れるから。玲君の料理がマーガリン味になったら殺すからね」


「やっぱりコートさんを待女にしたのが間違いだったかなぁ……」


ああ、その点に関しては同意します。毒舌を確実に引き継いでるね。まぁまだハディムよりはましだけど


「それでお母さんは? 逃げられた? まぁ無理ないだろうけど」


「あら、取り敢えずまだ妻やってるわよ?」


「あ、お母さん久し振り」


「は、初めまして…」


うわっ、何この美人、何て言うかミュウを大人にした感じだ。金髪碧眼ロングヘアーで何と言うかミュウとは違って御淑やかなイメージがある。ミュウと母親の違いって言ったらそんくらいだな。手紙を見た時はかなり目茶苦茶な人かと思ったけど


「ふふ、そんなにかしこまらないでも良いのよ♪」


「そうだぞ少年、ちなみに惚れたら殺…ぐふ……」


ドサッ


「邪魔だから寝ててね♪」


ドンマイ、ダメな魔王様。それとミュウの母親に対する印象に修正をしなくちゃ。釘バット常備な御淑やかな人はいないはずだ


「ああ、ごめんなさいね。私の事はユリアちゃんとか呼んでね♪」


「え、ちゃんですか…?」


「お母さん無理しない方がいいよ、もう3…ごめんなさい」


「ふふふ、ミュウちゃんは良い子ね。さて玲さん、まずは家のミュウちゃんが御迷惑を掛けて申し訳ありませんでした。直に会いに行こうと思ったんですけど、どーせだし誘っちゃいました」


ちゃいましたって…まぁ良いんだけどさ。何かこの人苦手かもしれないな…


「ミュウは向こうでは良い子にしてますか? まぁ御迷惑掛けてないわけがないのですし、食費を食い潰している事は容易に想像出来るんですけどね」


「多分御想像の通りだと思いますよ。食い潰されてます」


「でも玲君は自分の料理で人を笑顔にする事に至福を感じてる人だから私の事は全然苦じゃないんだよ♪」


「人を褒めつつ自分の行動を正当化するのは止めろ」


「つまり私が遊びに行って夕食をご馳走になった所で玲さんは苦にならないわけですね、良かったです♪」


「何が良かったのかサッパリですね、ついでにあんたらが親子なのがよく分かりましたよ」


まぁ料理は生き甲斐みたいなもんだから良いんだけどさ


「それでは玲さん、これからもミュウの事を宜しくお願いしますね♪ ここに居てはダメな旦那の影響を受けてダメになってしまうので♪」


「はい、まぁそのつもりでしたし。それにしても魔王の扱いはやっぱりダメな感じなんですね」


「まぁあのプロポーズは最低でしたね。ぶっちゃけなんで結婚したのか分かりません」


「プロポーズですか…?」


なんだろう、公衆の面前で恥ずかしい言葉でも言ったのかな。


「お父さんってば公衆の面前で一度フラれたのに開き直ってお母さんに土下座したんだよ。結婚してくれるまで止めませんとか言ったらしくて、もう最悪だよね」


「うわぁ…痛ぇ…」


何かダメダメ言われるのが分かる気がする。


「ですからせめて娘にはまともに育って欲しいんですよ」


「大丈夫、お父さんみたいには絶対ならないから♪」


「うう…頭が……」


ドスッ……ドサッ


「うるさいので寝てて下さいね♪」


「扱いヒデェ……」


哀れみが沸いて来るな……取り敢えず十字架をきっておこう


「ミューお嬢様!! 義母様!! 大変で御座います!!」


「ハディム?」


「誰が義母様ですか。ハディム、どうしたのですか?」


「大家とか言う方と雫とか言う方がフードバトルを始めて今夜の食料がっ!!! 至急追加要請の許可を!!!」


「………」


あーあ、俺は知らねぇぞ。フードバトルで意地を張り出したらあの二人は止められない。あの二人は食べ放題の店から出入り禁止食らったからな


「このドブ野郎、なんていう人達を連れて来るんですか!! 現実から眼を逸らさずにあの二人を止めて下さい!!!」


「無理だ、俺を買い被るな」


「あ、私もフードバトルまじってこよっと♪」


「お嬢様!? あーもう何とかして下さい!!!」


「あらあら、賑やかで良いわねぇ♪」


迷惑を御掛けしてすいません

魔界旅行日誌 大家         少し早いが一応こっちでも書く事にした、最近サボってたりしてたからな。さっき雫とフードバトルしてたんだがハディムとか言う待女が止めてくれって泣き付いて来たからしょーがなく止めた。別に雫に負けたわけじゃないからな!!こんな事言うと玲が拗ねるかもしれんがあのハディムとかいうのもなかなか料理が上手かったな。まぁ私は玲の料理の方が好きだが、こっちの材料はこっちの人に捌いてもらうのが一番だな。さて、夕食が楽しみだ。酒もなんかいい奴だしてくれる見たいだしな、たまには玲に付き合ってもらうか、そろそろ飲める様になるべきだからな。雫もイケるし。それじゃあ今日はこれで終わり

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