第20話:魔界の城での一泊二日 前編
更新遅くてすいません
「まぁつまりは魔界に旅行に行くような物だと思って頂ければいいのですよ」
「旅行ねぇ…」
まぁ魔界に興味がないわけじゃないけどさ…。あ、おはようございます玲です。朝っぱらから客が来たと思ったらシムさん出したよ。なんでもミュウだけじゃなくて俺までも魔界に招待したいんだとか
「まぁ良いですよ、春休みで暇ですし。ただし、大家さん、雫さん、アラナちゃんも連れてきますけどね。特に内2人は飢えて人を襲ったりしますから。満月だろうと月が無かろうと豹変しますよ」
「ま、まぁ大丈夫でしょう。アラナ殿に関しては元より招待の対象ですし」
「それじゃあ私は二人を誘って来るね♪」
おうおう、何だか嬉しそうだなミュウめ。この前までは帰りたくないって言ってたのに、まぁ皆で旅行なんて初めてだし無理もないか。魔界だけど
「あ、向こうに付いたらハディムみたいなのが沢山切りかかって来たりしませんよね?」
「それなら心配ありませんよ。ハディムは来るかも知れませんが、異常なのはあの人だけですから」
「あーあ、異常って言っちゃいましたね。まぁ同意しますけど」
でも向こうにいる間、ハディムが常に側に居る様な事になるのはやだなぁ…精神が病むよ……
「玲ちゃーん、用意出来たわよー」
「うわ、早いですね。女の人の仕度ってもっと時間が掛かる物だと思うんですけど」
「私に化粧なんていらないわ」
うわっ、今絶対に世の女性を敵に回したよこの人。否定出来ないのが凄いけど
「あ、そう言えば親衛隊に旅行の事言わないでいいの?」
「あ、そうですね。一応伝えておきましょうか。誰かいますか?」
「はっ、神楽がここに!!」
やっぱりこの時間は誰かが屋根の上に待機してたか、基本太陽が出てる間は誰か居るんだよなぁ…。何で俺なんかに良くしてくれるんだか
「少し…多分明日の夜辺りまで家を開けるんですが」
「承知しました、家の警護は御任せを。侵入者は発見次第捕縛致します。僭越ながら行き先は等は…」
「魔界です」
「承知」
え? 承知しちゃった? 普通少しは疑いそうな物なんだけどな。まぁ優秀な人なんだろうな
「それでは、支部への通達がありますのでこれで…」
「はい、ありがとうございました」
「勿体なき御言葉」
「神楽ちゃん生き生きしてるわねぇ…」
シュバッ
おお…、忍者みたいな消え方だな。流石は忍び装束を付けてるだけある。そう言えば神楽さんは昔雫さんの友達っていってたな。響さんもだけど今度はお客様として呼ぶかな
「…ん? シムさんどうしました?」
豆鉄砲食らった鳩みたいに呆然としちゃって
「い、いえ…玲殿って何者なんですか? それに今の方は…」
「ただの一般人ですよ、今の人はマザーガーディアンズのメンバーの神楽さんです」
「マザーガーディアンズってのは玲ちゃんの玲ちゃんラブな方達による玲ちゃんの為の玲ちゃん親護衛な親衛隊よ。まぁこの前のハディムさんとやらの襲撃の時は出遅れちゃったみたいだけどね。あれを期に組織が再編成されて更に規模拡大が行われたらしいわよ。今や国をも揺るがすとかなんとか」
「マザーガーディアンズ…私も極最近に聞いた事がある様な気がします……」
うわぁ…話がデカくなったなぁ…そう言えば就職の時に有利になるとかミュウが言ってたな…あれは本気なのか?
「まぁ直ぐに無くなるんじゃないですか?」
「玲ちゃんの料理が有る限りは不滅だと思うわよ? それにトップは玲ちゃんラブな世界の黒幕って噂だし。私も入ろっかなぁ…玲ちゃんの写真とか売ったらいいお金になりそうだし」
「止めて下さいよ絶対。3日間食事抜きますよ?」
「そうなったら玲ちゃんを食べるからへーき」
「止めて下さいお願いします」
今一瞬眼が変わらなかったか? この人夜道で人の血を吸って回ったりしてないよな?
「何か玲殿ってダメな魔王よりも偉い人な気がして来ましたよ。料理上手いし」
「偉くないですよ、そしてありがとうございます」
学校にもマザーガーディアンズの人がいるからなぁ。向こうでも敬われたらゆっくり出来る場所が無くなるよ
「順番出来たぞー」
「あ、シムさん、皆OKです。……で、どうやって行くんですか?」
「ああ、それはですねぇ…」
ん、シムさん何処に行くんだ? そこは我が家の開かずの倉庫のはずだけど……
「シムさん、何してるんですか? 窃盗?」
「違いますよ、ちょっとここの倉庫を改造させてもらいました。ここの部屋から魔界の城にワープ出来ます」
「あんた人ん家で勝手に何やってるんだよ!!!」
「やったのは私じゃありません。ハディム殿が方向オンチだからって勝手にやったんですよ。あ、ちなみに繋がってるのは城の門の所ですから」
うわっ、本当に改造されてる。部屋が広くなってるし、なんか魔方陣っぽいのが光ってるし。いつの間にやったんだろう……ってかこれからは向こう側からの不法侵入し放題じゃねぇか!!!
「はぁ、これからはこっちにも鍵を掛けなきゃいけないみたいだな」
まぁどーせ壊されて終わりだろうけどな…
「それじゃあ行きますよー」
「それだな行くか、地酒を飲みに」
「それですね行きましょうか、外食をしに」
魔界の城は赤字だな、覚悟してて下さいね魔界の皆さん