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手紙

　拝啓

　今、キミはこれを読んでいますか？

　あの日、出会ってからかなりの月日が流れた。

　ぼくは、今でも本が好きです。龍二(りゅうじ)は、あいかわらず、周りに女をかこんで映画の話をしているよ。あと、それだけじゃあない。夢のために劇団に入ったようだ。

誠斗(まさと)は、お父さんの仕事を継がんとばかりに頑張っている。いまでも、理屈っぽく話しているよ。

　みんな、それぞれの道を歩いている。夢を追いかけながら同時に——。

　あ、そういえばキミの方はどう？元気にしてる？今でも花は好き？仲間とはどう？？それとも——。

　ごめん。ぼくはキミのことを忘れられなくて、ずっとくすぶっている。キミに会いたくて仕方が無い。もっと、あの時たくさん話をしておけば良かったと後悔をしている。まぁ、会ったとしてもまた、どもってしまうのかもしれないけど！

　そう、あの日以来、男のくせに"運命"や"偶然"なんてものを信じてる。

　あの時、キミに気持ちを伝えることも出来なかった自分自身が腹立たしいよ・・・。

　——今、キミはどこで何をしていますか？

萩飛鳥(はぎあすか)