表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/14

私服考察――次兄以降編。

次男以降をまとめて。

 鮎沢千夏は白を好む。色素の薄い髪や瞳が映えるのも事実だが、本人曰く「夏に一番涼しく感じる色だから」とのこと。

 私服も勿論のこと、テニスウェアも白基調のものを選ぶ徹底ぶりには、夏生まれなのに夏の暑さが大の苦手という千夏らしい好みだと、周囲は苦笑している。

 ……が、千夏は他人には絶対に、否、身内にすら云わない理由を持っている。

「千ちゃんは本当に、白が似合うねえ」

 弟ふたりは会ったことのない、祖母の言葉だ。


 小さい人だった。小さい躰を品の良い和服で包み、しゃんと背を伸ばして座っている姿を、千夏はいつも思い出す。そんな祖母が病床で仕立ててくれた白地の浴衣を着たとき、本当に嬉しそうに笑って、祖母はそう云った。

 それが祖母との最期の会話だ。まもなく祖母は逝った。

 以来、千夏は白を好んで身につけている。今はもう、兄としか共有できなくなった祖母の記憶を留めておこうとするかのように。


**


 鮎沢秋人は服装にこだわりがない。兄弟たちに比べて平凡な自分は、何を着ても同じだと信じ込んでいるからだ。

 確かに、秋人は兄弟たちに比べると目立つ華はない。だが、並んでも決して見劣りはしていないのだということに本人が気づいていないのだ。自分の容姿が人並みであると、整いすぎた兄弟を持つ故か秋人は本気で思っている。

 秋人の恋人は以前、偶然四兄弟が揃っているところに遭遇したことがある。彼(!)は、普段は整っているな、くらいにしか感じない秋人の容貌が、兄弟と一緒だとより際だって見えるように感じた。

 ……話を服装に戻そう。自分が十人並みの容姿だと信じて疑わない秋人のワードローブは、某衣類量販店のものが殆どだ。兄弟絡みで公の席に顔を出すこともある為、それなりの衣装も混ざってはいるが。

 そんな量産タイプの衣服でもそれなりに着こなせているのは、秋人自身が思っているような十人並みの容姿だからではなく、中身が良いからどんな服でもそれなりに見えるからである。

 色んな意味で残念なのは、どことなく長兄と似ている……と指摘したら、彼は涙の海に沈むだろう。


**


 鮎沢冬生の私服は、その殆どが兄たちのお下がりだ。

 長兄のもの以外は拘りなく身に着けるが、気がつくとベージュ系の色彩を選んでいる。次兄程ではないが色調の淡い髪と瞳を持つ冬生にそれらの色合いはよく似合った。

 年齢故か、彼自身にまだ服の好みというものはない。頼むから長兄のような奇抜な服装を好むようになるのだけはやめてくれと、次兄とすぐ上の兄は心の底から思っている。

末弟だけ異様に短い。

……自分の中でも彼のイメージが未だに固まっていないことが如実に表れているなと苦笑。


そして三男坊。実は長兄といちばん似ているのは彼です。考え方とか。

服の趣味が似なくて本当に良かった……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ