死を怖れた愚者は訊ね、賢人になれぬ者は答えた
大切な人が死の淵に立たされた時、貴方は泣くだろうか
その涙が、貴方の大切な人を生への執着と死への恐怖へ駆り立てると知って尚、貴方は泣くのだろうか
大切な人が死の淵に立たされた時、貴方は泣かずにいられるだろうか
貴方が泣かない事で、貴方の大切な人が悲しみに追いやられると知って尚、貴方は泣かずにいられるのだろうか
貴方が死なないでと泣き喚く事で、貴方の大切な人は死を身近に感じ「死にたくない」と泣きだすかも知れない
又逆に、貴方が泣かない事で、貴方の大切な人は「自分の死はこの人に何の影響もないのだ」と絶望するかも知れない
貴方は恐ろしくないのか
自らの大切な人を恐怖へ駆り立てる事が、絶望へ追いやる事が
私は恐ろしい
自らの大切な人を恐怖へ駆り立てる事が、絶望へ追いやる事が恐ろしい
しかし真に私が怖れるのは
自らがその淵に立たされる事だ