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娯楽侵攻文明"スフェライオス"  作者: なー
リライト後
20/22

解析

フォーの電磁バリアを剥いだ。

しかし、その直後、さらにミサイル接近警報。


(接近中:0.6c、相対速度:衝突コース)

(質量・形状分析:多層構造体、中心核に高密度物質……核弾頭)


またかよ。

核しかレパートリーを持っていないのかあいつら。


物質同定、終了、ウラン235と解析。

炸薬量から熱量と放射線を推定、50キロトン。熱量:210TJ、放射線量:10Sy。


半径1.5kmにいれば致命的な量だ。殺意が高い。

……あえて起爆させてみるか。

眼前で核ミサイルが炸裂。

火球と放射線をばらまく。


それと同時に《短距離転移》。

座標を繋げてフォーのすぐ背後に移動。

すぐに飛行術式で急加速。


とりあえずドロップキックで核ミサイルの爆風に蹴りだす。

蹴ると同時にフォーの体組織にアクティブソナーのノリで超音波を撃ち込んで分析してみる。

と、いうよりわざわざ近接戦闘に入ったのはこのためだ。


構造を解析。

(構造分析:アクチュアルブレイン:検出不能)

(思考パターン確認……失敗・人間のそれに非準拠)


生体脳がない?

なんだそれ。ロボットか?

いや違う。


──無機生物か。


その返答かのように通信が響く。

やはり無力化できていない、と。


「あー……脳が震える……。

まあ脳なんてないけどね。

気づいてなかったかもしれないけど?

どう?僕について何かわかったかな?」


うっせ。発言するごとに煽ってくんな。


しかし情報分析としては十分。

1.DNA、たんぱく質ベースの部位は全く存在しない。

2.思考を司るCPUは胸部に存在する。

3.艦隊の内旗艦と思しき艦とリアルタイムで何やら通信している。しかもこいつのほうから。


おそらくリモート操作。

旗艦の乗組員が操作しているとかかもしれんが、

最有力候補は、


──こいつ、旗艦の人格そのものじゃね?


だからこそ、EMP(電磁パルス)で殺す。

無機生物ならばこれが弱点だろ。


電子励起、固定、収束。

EMP弾頭、《魔力の弾》2連発、フォーに当てる。


◇◇


《キターーーEMP!》

《枝端末ならワンチャン耐えるっしょ》

《いやこれ普通に死ぬ威力じゃね?》

《データ吸い上げろー》


◇◇


妨害範囲:半径5メートル。

フォーの体表に瞬間的にノイズ。外殻が青白くフリッカーした。

機械生命への殺意を伴った強烈な電子の波がフォーの演算回路、

仮初の命をショートさせた。


「さて、残りは宇宙艦隊か……?」


というや否や、艦隊から砲弾の雨が降り注ぐ。

プラズマ弾、TNT弾頭砲弾、戦術核砲弾。


恐らく旗艦にフォーの人格のバックアップが残っている。

というよりフォーが旗艦そのものなら何度でも蘇ってくる。


──残基ありかよ、めんどくさ。

復活前に叩かないと状況が面倒になる。


短期決戦だ。

艦隊近傍に《短距離転移》。弾幕ごと15光秒の距離を跳ぶ。

オールトの雲の小惑星たちに弾幕が当たるが……。

もう後で対処しよう。


さて。敵艦隊の背後に転移してきた直後に右手を振り払う。

前方に生成されるのは艦隊を穿つ陽電子砲弾。

対生成を促し散らかしてくれたおかげで貯蔵は十分だ。


原子内の電子との対消滅で消し飛ばす。

投射。

ようやく俺を発見したのか、砲塔がこちらを向いて弾幕を吐き出し始める。


が、迎撃も攻撃も能わずに立て続けに複数の艦が陽電子塊に被弾。

対消滅、弾薬庫誘爆、大爆発。


陽電子が走り、艦体の金属光沢が一瞬だけ白熱する。

対消滅の閃光は、音のない雷鳴のように宇宙を震わせた。


そこには、艦体を抉られるか、ボロボロになった戦艦しかいない艦隊が残った。

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