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娯楽侵攻文明"スフェライオス"  作者: なー
リライト前
14/22

第2艦隊旗艦《アイン》

「さあ、素早く行動しよう」


第2艦隊接触に立候補した法術師たちと一緒に超空間転移。


艦隊の目と鼻の先。10光秒(約2.998×10^9メートル)の距離に出る。


早速。読心術!(1型)


艦隊の各個体の思考パターンを丸裸にする。


……が。


「全員、穏健派……?」

ありえない。少なくとも──


「敵艦隊、発砲!」

全艦攻撃。実体弾の弾幕が吹き荒れてくる。


ありえないんだよ。これは。全員過激派だろ。


「高エネルギー反応!」

「解析終了。EMLです!」


レールガンかよ!いや、防御層で防げる。

……本当に?


隣の法術師の防御層が貫通する。

……プラズマ指向兵器……?弾頭か。

たしかにその系統は防御層を貫通する。


──なぜわかった。


神坂の思考が、一瞬で加速する。

通常の数百倍に跳ね上がった認知速度で、状況をスキャンする。


——時間が伸びる。

粒子の軌跡が残光のように空間に焼きつき、

艦砲の発射音すら、遠雷のように遅れて届く感覚。


──読心結果は「穏健派」だ。なのに攻撃してきた。

この矛盾、何だ?

「第1型読心の結果、全員が“対話を望む”という意思表示をしている……だが!」


目の前で、同僚の法術師が膝をついた。防御層の貫通孔から、焦げた魔力粒子が霧のように舞う。

「無理せずに離脱しろ」

艦隊から目を離さずに片手を振る。

対象、眼前の法術師。範囲、魔力源重心を中心に半径1メートル。CICに座標転移。


──さて、やられた。これは……

「外部操作。読心結果と行動が乖離してる!」


神坂の脳裏に、先ほどの創生者の言葉がよぎる。

「彼らは自分の意志で動いているとは限らない」


──そうだ。これは、艦体そのもの、あるいは精神個体に対する外部上書き干渉。

読心で得られるのは「本心」だが、行動は偽装されている。

「……これは罠だ。穏健派の身体を“囮”として使ってる!」


怒りと冷静が同時にせめぎ合う。

「全員、殺すな!“意志”は敵じゃない!」

——彼らとは違う。

意志を無視して、表面だけで殺すなど、そんなことは……二度と繰り返させない。

神坂の両手が広がる。空間ベクトル操作術式展開。


ネットワーク、集合意識の干渉。なら。

空間開闢。艦隊を隔離。その後切離空間内で解析してやる。

《空間開闢》。

「重力定数、光速、真空エネルギー密度……Λ、干渉開始」

指先が光をまとい、次元が捻れる。

「創出半径15光年、持続600秒──」

空間が裂け、個体ごとに黒い裂け目が走る。星空が一つずつ闇に置き換わる。

次の瞬間、艦隊は宇宙からごっそりと姿を消していた。


14連続で開闢。各個体ごとに別空間に巻き込む。


真空に響くはずのない轟音──だが決意が空間に干渉した。

神坂の《空間開闢》が、共鳴のように発動する。


——まずは、見極める。誰が“本物”か。


空間は切り取られ、真実だけが隔離された。

——神坂の開闢は、戦争の嘘を暴くための刃だ。


「担当を班分けする。

超空間転移ができるものは配置し次第転移。

その他は俺の同期転移を待て」


計画から外れて空間開闢したリカバリー。

まあ俺も各個体を隔離するように14連続空間開闢するとは思ってなかった。

法術師たちを各個体のいる切離空間に運搬する。


最後に、俺の担当が残った。

一体だけ、艦隊中枢クラスの個体——単独で、俺がやる。


読心術。……敵性判定。過激派だ。

半径15光年の切離空間で人対宇宙戦艦の戦闘が始まる。




小規模熱源を検出。こちらを追っている。熱源誘導か?

マグネシウムリボンを即座に生成し、発火、散布。——フレアだ。


……だが、なおも誘導は継続。

IRCCM(赤外線カウンターカウンター・ミサイル)か? 

あるいは別の誘導方式か?

次にアルミ箔を広範囲に散布。赤外・可視域の散乱を狙う——が、


……間に合わなかった。ついに被弾。


同時に、炸薬ではない波形を感知。

ミサイル内部から核融合反応を検知。

——核ミサイル。対人に、これを使うか……!


咄嗟に防御。放射線を遮断する。

素粒子オーダーベクトル操作。

β線、ガンマ線、そして高速中性子まで

——あらゆる放射線を空間的に“逸らす”。


反撃だ。

……と、その前に。

「切離空間を閉じれば済む話だろ?」という疑問に答えておく。

確かに、それは有効だ。空間を“消す”——あらゆる物質ごと。

ふつうの宇宙艦なら、それで片付く。

だが、こいつらは違う。

忘れたか? 奴らはワームホール開闢でこの空間に侵入してきた。

この空間そのものを“基点”にしている以上——

閉じるだけでは、侵攻のルートを断てない。

——ならば、撃ち抜くしかない。


レール形成。

弾体形成。

初速配置。

静電電荷を展開。


接続。


意趣返しだ。

《レールガン》


◇◇


《視点:スフェライオス第2艦隊・戦術演算構成体Δ群》

状態:局地戦闘ログ0024 / 戦闘個体「神坂樹」対応中


誘導ミサイル1-α〜1-εを射出。

赤外線追尾。対象体温を基準にロック。


0.003秒後、対象が小規模熱源を散布。

分析中……

→マグネシウム。発火材。

→熱源誘導対策=フレアと判定。

→対応:IRCCM機構有効化。赤外線追尾基準を再ロック。誘導継続。


0.008秒後、対象が金属片を散布。

→アルミニウム。反射材。

→分析:電波反射・赤外分散→目標錯乱狙い。

→IRCCM処理継続。電子式慣性追尾系へ自律補正移行。


命中確認。

炸薬起動。

→エネルギー放出値:7.4×10¹⁴J

→反応形式:核融合(DD-Fusion, Class-β)

→目的:対象即時消滅+周辺環境破壊。


しかし——

遮蔽反応を検出。


構成体α-19より報告:

「ベクトル干渉反応あり。対象、素粒子層でのエネルギー偏向を実行中」


解析:

・放射線の直進経路が乱されている。

・β線、ガンマ線、陽子流、すべてが逸れている。

・量子波束の位置確率が意図的に変更されている。


結論:

→攻撃、効果なし。対象、空間局所制御を実施中。

→極めて異常。構成情報、文明ランク推定値を更新。


補足:

構成体κ-04より非公開ログ参照申請:

「この能力は、我々“創生者”の外部観測干渉構文に近似」


——拒否。現在は戦闘行動優先。


0.021秒後:反撃準備を検知。


対象空間内にて局所電磁ベクトル場が展開。

→構成体Ω-02の観測ログに一致。

→兵器種別:電磁加速兵器。


レール構成を確認。

→誘電体マトリクス内に電荷差を展開。

→弾体素材は未知構造体。反重力成分を含む。


構成体Δ-00より警告:

「これは儀礼火器ではない。報復だ」


演算:

回避不可能。

迎撃不可能。


◇◇


艦体を抉った。

しかしよく見ると、被弾痕に光を伴って修復されているのを確認。

……代謝?


まあいい。もう一度。


レール修復。

弾体形成。主成分は劣化ウランと素粒子オーダーベクトル操作(水素)魔力だ。

初速配置。

スーパーキャパシタ生成。電圧を強める。

静電電荷を展開。


電荷接続。

する直前。極高速度の飛翔体。

……また中性子か核だろ。


(解析結果:反物質)


おっと。予想外。反物質ミサイルか。

防御層、高密度結界の窒素が対消滅で剥がされるな。

ノールックで

《魔力の弾》。迎撃。


……螺旋を描いて迎撃をすり抜けてきやがった。

反物質ミサイル、残り10メートル。

空間操作。座標干渉。

対象の座標を相対座標Vec(-5,6,5)からVec(5,-6,-5)に転移。

反対側へ転移、通り抜ける。


さて、発射。


◇◇


【戦術時系列ログ:T+0.0000】


──再攻撃を確認。

敵個体(以下、対象個体001)が再び高運動エネルギー体の形成工程に移行。


【観測】

・形状:細長円柱体

・材質構成:劣化ウラン/高エネルギー魔力(推定)/ベクトル定義:水素素粒子帯域

・初速:上昇工程(推定キャパシタ充電中)


【判断】

本艦損傷領域、光子励起による自動再生完了率:93%。再攻撃により再度の損傷が予想される。


【対応行動:迎撃体選定】

・選定武装:M-AM-03(反物質ミサイル 第3世代)

・弾頭:陽電子/反陽子ハイブリッド

・弾速:0.94c(光速の94%)

・誘導形式:渦流構造体破壊型/カウンター用AI搭載


【射出】

──Launch Confirmed.

発射から0.00014秒後、敵迎撃弾(未確認魔力体)との交差を観測。

当該迎撃体に螺旋回避行動を実施。すり抜け成功率:87%。


【戦術予測シミュレーション展開】

敵の迎撃確率:高

空間干渉による転移リスク:中

接触爆発成功確率:38% → 14%(空間干渉の予測出現により下方修正)


【ログ補遺:特殊行動検出】

──対象個体001、空間ベクトル強制変換を発動。

・対象:本艦ミサイル001

→ミサイル、空間反転転移完了。航路から逸脱。


【評価】

敵個体は空間操作により弾道制御を回避。

現在までの撃破有効手段:未確立。

戦術改定推奨。

推奨戦術:

・座標干渉対抗アルゴリズム導入

・同時多角方向攻撃による反応過飽和誘導


──ログ出力終了。


◇◇


……セルフシャープニングと水素変換で敵艦体を抉った。

……が。


魔力場に感。艦体から小型端末。

小規模の影が20……30、まだ増える。

不規則な軌道。自律飛行している。

デコイか、観測端末か。


それとは別の読心反応。

第2艦隊旗艦の実況構造体のお出ましだ。


「……スフェライオス第2艦隊・戦術演算構成体Δ群。

実況構造体01号、“アイン”だ」


言うがや否や、艦隊から光の雨。

精度が雑だな。被弾コースの飛翔体のみを防御層で対処。

……貫通。

光学兵器か。弾体は光子だな。


甘い。素粒子オーダーベクトル操作。熱量ごと光子をはじく。


背後からも貫通。

感触が先ほどの光子弾だ。

先ほどの影、小型端末で反射したのか?


……反射ドローンか。


「アインより指示。効果を認む。パターンB」


光の弾幕のパターンが変わる。


神坂はすぐさま術式を展開し、敵の光学ドローンのセンサー網を乱す。


電荷(電子塊)を召喚。

掌から無数の電子が空間へと解き放たれる。

彼の魔力が織りなす微細な振動に合わせ、電子たちは高速で揺らぎ始めた。

神坂の脳裏に演算が走る。


「周波数2.4ギガヘルツ、周期は約4.17×10^−10秒

……送信電力1ワット、放射抵抗は2オーム、電流は……」

高速で平方根計算が走り、

「約0.7アンペア……」


次に電荷移動量を算出する。


「電流×周期で電荷量は約3×10^−10クーロン。

電子1個の電荷は1.6×10^−19クーロン……」


神坂は次第に数字を組み立てる。


「ゆえに動いている電子の数は約18億個

……なるほど、この規模の電子塊を制御してこそ、

100メートル先まで届く妨害波が可能になる」


◇◇

神坂さんの脳内。


妨害範囲:100メートル半径の球

周波数:2.4GHz帯

ドローン通信感度:約-80dB(1*10^-11W)

空間:宇宙空間、自由空間伝搬損失のみ

求めたいもの:電荷量と電子数


自由空間伝搬損失(FSPL)

伝搬距離:d=100m

周波数:f=2.4×10 ^9 Hz

光速:c=3×10^8m/s


FSPL(dB)=20log10(d)+20log10(f)+20log10(4π/C)

FSPL=40+187.6−147.6=80dB(約)


受信感度 −80dBm=10^−8W

伝搬損失(FPSL)が約80 dB = 10^8倍の減衰

だから、

送信電力=受信感度×伝搬損失

つまり100m先で -80 dBmを受信するには1Wの送信電力が必要。


アンテナ放射抵抗

R=2Ω と仮定

P=1W。

電流 I= √(P/r)≈0.707A


f=2.4×10^9Hz、周期 T=4.17×10^−10s


周期あたりの電荷移動量:

Q=I×T=0.707×4.17×10^−10

=2.95×10^−10C


電子1個の電荷は e=1.6×10^−19C


電子数

N= Q/e

=2.95×10^−10/1.6×10^−19

=1.84×10^9個

約18億個 (1.8×10^9個)


以上を、0.1秒で演算。

◇◇



彼は空間に描いたベクトル場を微調整しながら、

リアルタイムに妨害波の位相と強度を最適化する。


反射ドローンの動揺が波紋のように広がり、光の雨の精度が乱れた。


「よし、今だ!」

掌から雷撃弾が解き放たれ、電磁衝撃が敵の群れを襲う。


“アイン”の弾幕も、神坂の精密な演算と魔力の波に抗えず押されていった。

だが、次の瞬間、アインの声が響く。

「神坂樹、君の行動は予測済みだ。即時対応、パターンB-2起動。」


空間が歪み、小型端末の動きがさらに増加。空間全体を覆う光の網が収束し、

神坂を包み込もうとする。


さすがに、この数はベクトル変換で対処できん。

いや、できるけど。反撃ができなくなる。

全力回避。耐G術式。体表面圧迫。


網を強引に突破する。


次に、示指と中指を向ける。

タングステン弾

を生成。

イメージは160ミリ滑空砲。弾種・徹甲。


発射。


……磁場を確認。軌道がわずかに逸れる。

まあどうせ星間物質対策の電磁バリアだろう。

ほぼ弾体に支障はなかった。


……敵戦艦の装甲表層で爆発。

反応装甲か。

しかし貫通を確認。内部まで侵徹する。


……その直後。侵徹孔が装甲でふさがった。

自己修復装甲だな。形状記憶合金か?


その後間を開けて空間歪曲を確認。

弾体を転移でもしたか?


解析はこれが限度だな。

さて次の手はどうする。


──三発連射だな。

最初にAP徹甲。

次にプラズマで加熱、

最後にナノマシンでも撒くか、

拡散させて一括で転移できなくしてやる。

ついでにいろいろまき散らしてやる。

修復の間隙を裂く。


まあ、二段目までは即興で構築するか。

さて、“武器庫”を開いてナノマシンを──


拡張脳のアラート。

大規模熱源。

まあ防いでくるよな。

敵戦艦から飛翔体。その数6。

(速度:0.4c)

(弾頭:反物質)

(誘導性なし)


誘導性なし?

……俺の周りで炸裂する。

……座標固定型の反物質弾か。

俺の座標を予測して、3軸方向から同時炸裂。

空間が歪むほどのγ線フレアと衝撃波の檻が広がる。

対象が逃げられないように、運動方向と退避ベクトルを含む6点を封鎖している。


……対処が遅れた。衝撃波をもろに食らう。

防御層を張っていても、衝撃波は貫通する。

魔力やベクトル場は“物質”には強いが、“空間変位そのもの”には甘い。

肋骨のあたりでかすかに熱と痛み。防御層を剥がされたか。


「効果を認める。以降、反物質による空間制圧を主軸に」

弱点がバレた。


《超空間ワームホール開闢》

・個人用切離空間“武器庫”へ接続

・接続先絶対座標:Vec6(0,0,0,24.5,14,2785,12)

・直径:0.5m^2・円形

・開闢時間:20ミリ秒

物質侵蝕ナノマシン。中寿命型を呼出。

構成要素:自己分裂型修復阻害ナノユニット

/電磁自己展開フィールド発生子

/マジック・インヒビター拡散素子。


同時に、二段階目の即席プラズマ弾頭構成が空中で完了。

ベクトル操作による局所磁束集束、指先にコロナが灯る。


1.AP徹甲弾

2.プラズマ弾頭HEAT弾

3.物質侵蝕ナノマシン

これらを1ミリ秒間隔で連続発射。

着弾位置を同期させるように、軌道補正。


……同時に敵戦艦から反物質ミサイル。

16発確認。すごい殺意だな。


タングステン徹甲弾が音もなく真空を裂く。軌道は予測済み。

再び装甲に衝突、今度は事前データを活かして脆弱部を正確に射抜く。

反応装甲が爆ぜた。

だがその“隙間”に、瞬時にプラズマのジェットが到達する。

プラズマが加熱し、形成された孔を拡大。

形状記憶合金の収束速度がわずかに遅れる。

それでいい。

その孔からナノマシンが侵入。

拡散。


内部に広がったナノマシンは装甲を構成する物質を食い荒らす。

ついでに異物として装甲内に居座ることによって修復を阻害。


内部装甲は無力化。

あとは、APHE(鉄鋼榴弾)でチェックメイトかな。


その前に。


俺の上下左右前後で遠近2つずつ。 

γ線フレアと衝撃波の檻が次は2層。


対処か。追撃か。

……対処だ。


γ線に対しては、グラフェンとタングステンの多層ラミネート。

フレアのエネルギーは、5MeV以下。散乱・吸収で6層目までで沈める。

衝撃波は、周囲のプラズマ粒子による音速伝播か。想定内。

非ニュートン流体を即時展開。圧力変化で粘性を極端化させ、波を溶かす。


どちらも通さない。

なら、次は俺の番だ。


◇◇


──「双方、そこまでだ。」

量子通信。 

未定義座標から、おそらくスフェライオス母星からのものと、

CIC経由の2チャネルを受信。


……この声は。スフェライオス隠密派代表セファルか?

──「第2艦隊旗艦へ通告。そちらには既に戦闘する理由はないだろう」

「ああ。そうだ」

──「戦闘停止を特権階層保持者として命令する」

「了解。……介入を待っていた」


セファルとアインの通信が聞こえる。

いいのか?オープンチャンネルでダダ洩れだぞ?


いや、それより。

……待っていた?


──「法術師・神坂へ。もとよりこいつ、第2艦隊旗艦は穏健派だよ。

そもそも、アインはこの戦闘を実況していない」

「それは、どうでもいいが。」

神坂は冷静に問い返す。

「なぜ、旗艦が穏健派ならば、転移直後に艦隊全艦で発砲してきた?」

彼の視線は虚空を見つめる。疑念は消えず、激しい矛盾を突きつける。

「いや。過激派所属の個体に後ろから撃たれるかもしれない。それならまだ理解できる。」

しかし、そうであるなら、

「開闢空間内で戦闘を続けた意味は何だ?」


──「ああ。その疑問は当然だ……」

アインの声が、一瞬だけ震えた気がした。

「……君と戦ってみたかった。」


沈黙の後に訪れたのは、決意と覚悟の告白だった。


◇◇


疑問が尽きない。

「いろいろ聞きたいが……。

なぜ、戦ってみたかったと?」

「第1艦隊、およびフォーを単騎で沈めた存在。

個として、戦闘艦個体としての私は君に興味があった。

……あとは我らの希望たりえるかを知りたかった」


なるほど?


「この状況を対処できないようなら、

穏健派の救出は絶望的だと私は演算した。

結果は……予想以上だったよ。

我が外殻も剥がされた。最後の極小の媒体にいたっては、

まだ我が構造を食い荒らしている。

……完敗だ。一方である意味完勝だ」

──「ええ。あなた方の技術力を見て希望を持てました」


「では、第2艦隊は」

「ああ。残存艦は法術師連合に降伏する」


ふー。──いや待て。


そういえばなんでセファルの干渉が今だったんだ?

と、おもったが。答えは出ている。

俺らの技術力、後ろ盾を見たかったんだ。

見極められていたんだな。


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