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第9話

「着いた……よね?」

「少し待て。機関にアクセスする」



 しばらく後に、


「……成功だ」

「そう。みんな、ありがとう! うまくいったよ!」

「マジか! やったぜ!」

「わくわくしてきた」

「なるほど。これが高揚感か」

「いよいよだな……」



 装置のハッチを開けて、俺たちは外に出た。



 ふと、風が凪いだ。



 空を見上げると、オーロラが見えた。



 みんなが空を見上げていた。



 なんだろう、この感慨は。




「ヒロくん……」

「沙織、どうした?」

「綺麗だね」

「だな」



「うわー、すっごいね……」

「ぱねえな……」

「……美しい」

「……フッ」



 そして俺たちは、至高の世界へと辿り着いた。






 永い時が過ぎた。



「ヒロくーん。今日の晩御飯どうする?」

「カレーで良いぞ」

「わかったー」



 俺はテレビを観ていた。

 携帯が鳴った。



「雄介、どうした?」

「今度みんなで飲み会行かないか?」

「いいな、それ」

「セブンさん来るかね?」

「ちょっと聞いてみるわ」

「おう、分かった」



 電話を切った後、俺はセブンさんに電話した。

「……何か用か?」

「よかったらいつものメンツで飲み会やりません?」

「かまわんぞ。ちょうど近々休みが取れそうだ」

「わかりました。じゃあ、また」

「ああ、またな」



「ヒロくんごはんできたよー」

「おう、今行く」



 そうして日々は、穏やかに過ぎていった。








――神の間


「なるほど、その選択をしましたか。なかなかユニークですね」


神は下界を観ていた。


「やはり、命の可能性は素晴らしいですね」


フッと笑うと、神はテーブルと椅子を召喚した。


「さて、今後の未来を楽しみに待ちましょう」



「おや……あの者は一体……?」


神は一瞬違和感を覚えたが、気にしないことにした。


「世界は今日も平和ですね……」



 すべては、輝きに満ちている。

 それを知らない者は、誰一人としていない。




 もはや語るべきことはない。


 ラピスラズリ、


 それは、

 

 未来への




 架け橋である……。

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