想像過多な彼女のデートの記録
高校2年生の私、長澤桃子は親友の北山美雪ちゃんに悩みを打ち明ける事にした。
「実は私、同じクラスに好きな男の子がいるんだよね。」
「知ってる。月影っしょ?」
「うん。」
お菓子を食べながら切り出した話に美雪ちゃんは直ぐに返事をしてくれた。
「月影の何処が好きなの?」
と美雪ちゃんに聞かれたので考えてみる。
まずは話している時の優しい声が好き。何て表現したらいいのかな、ほんわかした気持ちになる。
自分の感じた事を伝えると美雪ちゃんに笑われた。
「え〜、例えがムズい。」
「月影君って顔のパーツも整っていて、ハンサムだと思う。ニコッと笑うとバックに花が飛んでい、私にとって白馬に乗った王子様って感じ。」
私から見た月影君のイメージを伝えると、美雪ちゃんは机を叩いて大爆笑した。
「えっ、ハンサム? 笑うと花が飛ぶ? ゴメン、意味わかんない。それに白馬に乗った王子様って……プッ。ゴメンって。好みってそれぞれ感じ方が違うし、これ以上はコメントを差し控えるわ。まあ、私的には普通よりやや上くらい?って感じかなぁ。」
「お昼休みに図書館でいるのをよく見かけるし、本を読むのが好きだからか成績も優秀。まぁ、運動はちょっと苦手っぽい感じだけど。モテると思うけどなぁ……。」
私は彼の良い所を言ってみる。
「成績が良いって、学年で50番台だよね。それって微妙~。それに図書館で読んでる本って趣味のオカルト関係の本じゃなかったっけ? 確かに体力なさそうだし、走るのも遅いよね〜。」
「仲の良い男友達の間では中心的な立場だよ。」
「仲の良い友達ってオカルト好きのオタクの集まりでしょう? 未確認飛行物体や幽霊の話で盛り上がってる物好き集団って言われているけど。」
「動物好きの優しい心の持ち主で、ペットを可愛がる姿はとても尊いじゃん。」
「ペットってカエルよね? 無理無理無理!!」
「月影君を見た女の子は素敵だと言ってるもん。」
「ナイナイ、絶対ナイ! そんな事思うのってアンタだけだから!」
美雪ちゃんてばヒドイよ。全否定しないでくれる?
せめて応援してあげようとか思わないかね。それでも私の親友か?
私は拗ねた。
「さっきも言ったけど、好みはそれぞれだからね~。相手が余っ程、駄目な奴でなければと頑張れとしか言えないわ。」
うん。まあ、そうなんだけどと思う。でも親友なら応援してほしいです。
「そんな貴女に朗報です。オカルト好きの彼が喜びそうな展示会のチケットを手に入れました。」
美雪ちゃんそう言って、目の前でチケットを2枚揺らして見せた。
「な、なんですと!! それって、も、もしや……。」
「3年前に発見されたUMAが目玉の『不思議生物展』。しかも一般公開前のプレミアチケットでございます。私、興味ないから一緒に行ってくれば?」
どうやら私の恋心を応援する為、色々と調べて用意してくれたらしい。
おお、我が心の友よ!!
私もその展示会を必ずH君なら見に行くだろうなと思っていた。なんてナイスタイミングなんだろう。
此処からは私の行動で全てが決まる。
譲ってもらったチケットを持って、月影君に会いに行きました。
他の男子にからかわれたり同行の邪魔されては困るので、月影君が友人から離れて一人になった隙に声をかけた。
『友人が行けなくなったので、良かったら一緒に行ってもらえませんか?』と。
返事は勿論OK。よっしゃー!
これで月影君と一緒に博物館デートだと浮かれていたら、『頑張ってね!』と美雪ちゃんに応援された。
私は良い親友を持って幸せ者である。
それから私は大事なチケットを額縁に入れ、毎日拝みながらデートの日を心待ちにしました。デートの前日は興奮し過ぎて怪しい行動になっていたらしく、お母さんに怒られたけど問題無し。
まるで遠足前の小学生みたいになっているなぁと思っていたけど、楽しみではしゃいでしまうのは幾つになっても変わらない。
しかし寝不足で遅刻などしたら一生後悔すると思うので、さっさと寝ることにした。
その分早起きして身支度と展示物の情報を復習するのだ!
そしてデート当日。
何時もより早めに起きて身支度を整え、展示物の予習や質疑応答のシュミレーションをして30分前に着くように家を出ました。
あぁ、ドキドキする。
嬉しくて、恥ずかしくて、緊張して……。世の中の女の子はデートの時私みたいな気持ちになるのかなと
考えていたら、無意識に急いでいたみたいで予定より早く着いてしまった。
なのに博物館の前には何故か月影君が先に待ってるではないですか‼
やだー、時間を間違えた? ど、ど、ど、どうしよう‼
第一印象がマイナスになっていないかと私は慌てて彼のもとに向かった。
「ご、ごめんなさい! 遅れちゃった!」
私は月影君に謝った。
「僕の方こそ早く来すぎた。ゴメンね。」
「でも待たせちゃった……。」
「大丈夫、今来たとこだし。今日の展示会を凄く楽しみにしていたから、我慢できずに早く来ちゃった。」
ニコッと笑ってH君が言った。
ああ、貴方の笑顔は真夏の太陽。眩しくてクラクラする!
それに今日一緒に出かけるのを楽しみにしていたって言ってくれた! 嬉しい‼
私達って似た者同士。絶対に相性が良い!!
私の心の声は叫びまくっているけれど、彼に悟られない様に気を付けないとと思った。
開園まで時間があるので順番に並びながら待つ。私達と同じ様に早めに来ている仲間は沢山いた。
皆、考えることが一緒だねって彼と話した。
待ち時間から楽しく会話をすることができるなんて幸せすぎる。今日の恋愛占いは絶対にランキング1位に違いないだろう。
H君が楽しみにしているUMAの話を聞きながら、私の心の中はサンバのパレードが練り歩いている状態である。
「UMAの現物を見れるなんてラッキーだよね。誘ってくれてありがとう。」
月影君は笑顔で言った。
貴方のキラキラしたその笑顔を見られて幸せです、ご褒美です。こちらこそ付き合ってくれてありがとう! と、心の中で叫んでいた。
「UMAが発見されたのは偶然なんだって。たまたま山へ登山に行ったグループが、道に迷った時に見つけたらしいよ。僕は登山には興味は無いけど、そのグループと一緒にいたら生きているUMAを見れたのかも。」
彼の話を聞きながら、私の頭のなかで物語が始まる。
一緒に登山、良いかも。
疲れて立ち止まった『私に大丈夫?』何て手を差し出してくれたりして。うひゃぁー!!
そして突然現れたUMAを前に、『危ない! 後ろに下がって!!』って庇ってもらったりして……。うふふふ。
「捕獲された後、研究所で生態を調べるのが大変だったらしいよ。何を飲んだり食べるのか、どんな行動をするか分からないから。」
物語はさらに進む。
捕獲したUMAの研究をする月影君。
私は彼の助手をしていて、寝食を忘れて研究する彼の補佐をするの。『研究も大切ですが体を壊しては意味がありません。お願いです。食事をしてください。体が持ちません!』って。
イヤだ〜、まるで奥さんみたい!
「研究を始まると各国のいろんな分野の教授が共同研究に名乗りを上げたんだって。だけど未知の病気や我々に危害を加える可能性もある。そんなリスクを考えたら、各国は渡航しての参加はさせなかったんだ。誰だって自分の国に危険は持ち込みたくないし、優秀な研究員を失いたくないだろう?」
首を傾げて彼は聞いてくるので、私は答えた。
「でも研究にはいろんな国の教授の協力があったって聞いたけど?」
「うん。今は遠くにいても意見のやり取りは出来るからね。結局、渡航して研究に参加したのは同盟国のA国。後は周辺にあるC国とR国。隣国のK国も参加したかったみたいだけど、うちの国と敵対視してるし、共同研究と言いながら何をするか分からないから断ったんだ。」
病気……。確かに未知の生物だし、変な病気を持っていたら大変だと思う。
新たな物語を考えた。
未知の病気にかかって次々と仲間が倒れていく中、H君は自分も命の危機に瀕しているのに特効薬の開発に取り組むの。そして苦労して出来た薬を恋人の私に飲ませる。『君のいない世界なんだて意味が無い。』とか言って……。
あっ、コレって主人公死亡フラグぽっいから無しで。
「A国って色々な分野で世界で一番研究が進んでいる国だから、実は知識生命体と密かに接触して我々の知らない知識を手に入れているって言われてるんだよね。もしかしたら危険を承知で参加するのは、我われには知らされない何か深い理由があるのかも。」
「私も立ち入り禁止区域の地下で密かに研究しているって噂が聞いたことがある。」
「陰謀論はよくある話だけど、それよりもサンプルの細胞を操作してヤバい物を作りそうで怖いよ。」
確かに!
映画で古代生物のDNAからクローンを作って、大変な目に遭ってたのを思い出した。
それに我々の細胞と合わせて、姿は我々と同じだけど成長と繁殖の早い化け物を作って逃げられて脅威になった映画も。
「C国は研究よりも参加して世界に存在をアピールするのが目的だと思う。それに動くものは何でも食べるって言われる国らしく、UMAを食べる事が出来るのか調べていたらしいよ。食に対する情熱は凄いよね!」
「あはははは。」
私達は思わず笑ってしまった。
いやいや。いくらなんでも食べれるかどうかを調べるのはフェイクだろう。
C国の人からしたら、毒のある部分を何とか無効化してまで食べてる我が国に言われたくないと思っているだろう。
「R国は他の国に軍事侵攻をして世界から制裁をされて弱くなったから、生態よりも何か僕達が知らない技術を持っているか知りたがっているらしい。」
彼は困った様な顔をして言った。
誰も知り得ない技術を手に入れられたら、情勢が変わるかもしれない。
早く戦争が終わってくれたら良いけど、此方の国に仕掛けて来られたら困る。
月影君が兵士として戦場に行ったら、絶対に泣くだろう。
「あと、研究に参加出来なかったK国。なんかUMAは自分の国の生物で、うちの国に奪われたって言いががりをつけてるよ。まぁ、いつものことだね。」
……K国。
私達は、呆れた様な困った様な感じで笑うしか無かった。
喋っている間に入館時間になった様で、ぞろぞろと列が進み始めた。
ゆっくりと進んだその先に、待ちに待ったUMAの展示ブースかあった。もうすでに展示物の前は順番に並ばないと見れないぐらい集まっている。
「わあ、さすがに今回の一番の目玉だけあって集まって見えずらいなあ。」
彼は残念そうに言った。
「仕方ないよね。月影君、並ぼっか。」
「そうだね。」
混んでいるので順番に並び、少しずつ前に進む。その間も、展示されているUMAの説明や情報を見ながら私達は話を続けた。
「へー、体の殆どが水分なんだ。その水分が溢れないように膜で覆われていて、さらに色々な植物で出来た物や油から出来た破片を纏って防御していたんだって。」
解説をを読むH君の横顔を見ながら、私の心の中は別な事を考えている。
なんて素敵なの、出来ればずっと見ていたい。でも周りから変な目で見られちゃうかも……。さり気なく、さり気なくチラ見するのよ私! チラッってな感じで。
「とても弱い生物らしく体を支える骨も力を少し加えるだけで折れたりするから、研究員が調べるのに苦労したのか……。どんな風に扱ったんだろう。」
月影君は真剣に考えているのに、私は別の事を考えていた。
ああ、貴方の声は天国の調べ。私の心をとろけさせる。お願いだからそのまま、ずっとしゃべっていてほしいと。
「僕の思うUMAって攻撃的で、弱いイメージが無いからなんか変?」
月影君の首をかしげるその姿に心臓に矢を刺されている感覚に襲われているけど、私は顔には出さない。
でも心のアルバムにその姿を残しているから!
混んでいる館内をゆっくりと進むと、私の手に彼の手が当たった。
「あっ、ごめん手が当たった。」
「うん、大丈夫だよ。」
謝る月影君に大丈夫だと答えるが、考えている事は違った。
H君の手が触れた! やだー、もう手を洗えない‼ うひゃひゃひゃと。
そしてやっとたどり着いた一番の展示物、UMAの標本の前で、
「……なんか思ったより小さいね?」
「……うん、小さいね。」
私達は思わずそう呟いた。
大きさは私達の3分の1程度。頭にだけ長い毛が生えており、鼻と口は小さく目は私達の3倍位大きい。手の数も少なく、先には太短い触手が付いている。所々膨らんでいるし、なんかブヨブヨしている様に見えて気持ち悪いと思った。
「二足歩行なんだ、初めて見た。どうやってバランスをとってるのかな。実は手みたいなやつも使って歩いているとか…。」
H君もやっと見られた本物を詳しく見ようとしていた。なのに混んでいるから追いやられる。
危ないので押さないでほしい。
「立ち止まると危険ですので、ゆっくりとお進みくださーい。」
スタッフも声をかけるが、流石に無理だった。
もう少し見させてと思うが、標本の前をあっという間に通り過ぎてしまった。
だけど、拡大した模型や生きていた時の映像、鳴き声など展示されいる。
H君はこちらを熱心に見聞きながらUMAについて考察し、話をしてくれた。
足をたたんで手で固定し、丸くなったのは防御の姿勢。目から粘液を出して鳴き声を出しているのは、威嚇のポーズではないかと。
UMAが見つかった山は今は立ち入り禁止になっているらしい。UMAの鳴き声を流して、仲間がいないか探しているそうだ。行ってみたいと月影君は言うけれど、捕まっちゃうからダメだよ。
更に混んできたので私達は先の展示へ進む。
正直な所、私はUMAほど興味が無いので、何が展示されていたのかは実は憶えていない。
印象に残っているのは嬉しそうに説明してくれる月影君の顔だけだった。
「長澤さん、今日は誘ってくれてありがとう。」
楽しい時間はあっという間に過ぎ、家まで送ってくれたH君は声をかけてきた。
「こちらこそ。すごく楽しかったです。」
正直なところ、UMAにはそんなに興味は無かったが、ずっと一緒にいられたし混雑していたので体が触れ合ったりしてので、私にとっては幸せな一日だった。
「もし良かったらこれを貰ってくれるかな・・・」
そう言ってH君は袋を渡してくれた。
何だろうかと思い、空けても良いか確認して中を確認した。袋の中を覗けば小さなぬいぐるみが入っている。
これは博物館のショップコーナーに売ってたやつである。
「今日のお礼。UMAのぬいぐるみだけど可愛くデフォルメしたやつだから、女の子でも嫌がらないかなって。もし迷惑だったら・・・」
「そんな事ない! ありがとう、すごく嬉しい!」
照れた様に呟いた彼の声に被さる感じで私は答えた。
月影君からのプレゼントが迷惑なんて事はない。寧ろご褒美でしかない。
「良かった。姉ちゃんから女の子にプレゼントするなら可愛いぬいぐるみか、お菓子が良いって聞いたから。」
私の為にお姉様にわざわざアドバイスまで聞いてくれた事が嬉しかった。
例えH君がくれるならリアルタイプの標本模型でも嫌がらないだろう。だけど、どうせ貰うなら可愛いのが欲しい。
お姉様のアドバイスに感謝した。
「これ、お腹を押すと鳴き声が聞こえるんだ。五種類の鳴き声が出るんだって。よく出来てるよね。」
「そうなんだ、凄いね。」
「僕も同じのを買ったんた。」
カバンの中から同じぬいぐるみを出すと、見せてくれた。
私の心の中は嬉しい気持ちが溢れている。
「長澤さん、今日は本当にありがとう。それじゃ、また明日!」
「うん、また明日!」
私は家の前でプレゼントを抱えつつ、月影君が見えなくなるまで手を振り続けた。
寝る前にお土産のUMAのぬいぐるみの体を押して、今日の事を思い出す。
月影君、カッコよかったなぁ。一緒にお話できて楽しかった。名前を呼んでくれて嬉しかった。
明日は一番に美雪ちゃんにお礼と報告をしなければならない。上手くいったよと。
ぬいぐるみのお腹を押して私は話しかけた。寝るまでの間、話し相手になってもらおう。
「月影君、カッコイイよね。」
『コ…ハドコ……レカ…ナイノ…』
鳴き声の意味は分からないけど、そうだね!と言っているみたいだった。
「私ね、笑った顔が好きなんだ。図書館で好きな本を読んで、嬉しそうに笑ってた顔が素敵で一目惚れしちゃった。」
『…スケテ…ワイ』
「挨拶だけじゃなく、色々と話をしたかったの。何を食べたとか、今日はこんなことが事があったんだよって。だから今日はいっぱいお話できて、すっごく嬉しいかったんだ。」
『オト…サン…オカアサ……ウチ…カエリ…イ』
へぇー、そうなんだ。その気持ちわかるよ!って言ってくれてのだろうか。
うん、そういう事にしておこう。
「明日、またお話できるかな?」
『…ミサマ…オネガ…ダカラニホンニ…エシテ…』
今日の展示会の話をして、きっかけを掴めと言っているような気がする。
「うん、頑張るよ。もっと仲良くなってみせるから応援してね、UMA。」
『シ…タクナ……ニタ…ナイ…シニタクナイ…』
「おやすみ。」
がんばれ、がんばれ!と応援しているのであろうUMAのぬいぐるみをなでて、私は眠りについた。おやすみなさい。
H県のR山の麓。
「皆さんこんにちは、山登り実況のレイです。」
赤いレインウェアを着た女性がカメラに向かって言い、続いて黄色レインウェアを着た女性がカメラに片手を振って言った。
「こんにちは、山登り実況のマリだぜ!」
2人はカメラを片手に撮影をしている。
「今日は新しいカメラのテストの為、動画撮影しています。さて、ここは何処でしょう?」
「実はH県R山という初心者向きの山に向かっているところなんだぜ!」
「今日は2人でゆっくりと歩いて動画を撮りたいと思います。」
「ここは頂上まで2時間かかるのでカメラのバッテリーの消耗など確認したいと思ってる理由だ。」
「ではスタート!」
2人はカメラを体に装着し、登山口を進んだ。
ゴールデンウィークの期間、晴れが続いて絶好の山登り日和である。
だけど…、
「良い天気なのに人が少ないね。」
初心者向きの山なのに人の姿が見えないのに不思議に思ったレイは言った。その問いにレイは答えた。
「最近、良い噂がないからな。」
「えっ、まさか熊が出たの?」
レイは驚いた声をあげる。
「熊じゃなくて…、ほら昔、行方不明が出たじゃん、ここ。」
言いにくそうにマリは言う。
「…◯年前でしょ? 家族と登山中に行方不明になって見つからないって話。」
「大規模な山狩をしたらしいけど、手がかりになりそうな遺留品が見つからなくて失踪かもと言われてるやつな。」
「それで?」
「…助けを求める声が聞こえてくるんだって。助けて、帰りたいって。」
「オカルトかい!」
2人は気を取り直し山道を進んだ。
川に沿って整備されたほとんど人がいない山道を歩き、景色も良いのに悪い噂がたって残念だなぁと思った。
ちなみに山頂まで登り下山したが、レイには声は聞こえなかった。マリも何も聞いていない。
でも、動画を確認したら入っていた。
下山途中に『助けて、死にたくない!』と……。
その動画を2人は削除しました。




