プロローグ
はじめまして気軽に書いてます。無知です。
私には一人の兄がいた。
兄にはこれといった特徴は無かったが、強いて言えば読書とゲームが好きだったと思う。
兄と私はしばしば喧嘩もしたが、それなりに仲は良かったように思う。
あれは、そんな兄が高校に入学してしばらく経った時のことだ。兄が失踪したのだ。
その日失踪したのは兄だけではなかった。兄のクラスメイトが他三人も同時に姿を消したのだ。
警察によるとその日の放課後、失踪した四人が教室の外を出た姿を見た者は、誰一人としていなかったという。
警察や親戚家族、そして近隣住民の賢明な捜索も虚しく、三年経っても兄とクラスメイト達が発見されることはなかった。
しかし失踪から三年後、兄とクラスメイト二人は発見された。当時彼等が失踪した、放課後の教室で。
学校の警備員から通報を受けた警察に保護された彼等は、事情聴取にて次のように供述したという。
曰く、彼等は約三年間、この世界とは異なる世界で暮らしていた。
曰く、彼等はその世界で、世界を救うための戦争への参加を強いられていた。
曰く、三人はその戦争を生き延びこの世界への帰還を許されたが、残る一人、神藤奏多(失踪当時十六歳)は死亡した。
当然、彼等の供述のほとんどは鵜呑みにされることはなく、この失踪事件は四人の計画的な家出、そして神藤は依然失踪中であるとして処理された。
兄の帰宅を、両親と私は心底喜び、彼を家へ迎えた。
兄は涙を流して私たちを抱き締めた。
ようやく家族が揃った。ようやく平穏な日々が戻る。そう信じていた私の期待は、程なくして裏切られることとなった。
帰って来た兄は、兄ではなかったのだ。
兄は並外れた身体能力と、高校三年間の勉強を難なくオールAプラスで終えるほどの学習能力を得ていた。
両親はそんな兄の姿に喜んでいたが、私は違った。
私は兄が怖くなった。兄の、ふと私たち家族を見つめる目が、まるで塵屑でも眺めるかのようなあの目が、怖くて仕方がなかったのだ。
兄は消えた、また忽然と。
両親は再び狼狽え、失踪届を出した。
私はえもいえぬ恐怖心を抱く一方で、強く関心を引かれた。一体、兄に何が起こったのか?何が兄を変えてしまったのか?異世界とは何なのか?
現在、兄の件と似たような失踪事件が相次ぐ事態となった。
ごく一部の人々はこう噂しているらしい、異世界に召喚されたのだ、と。
これは私、片桐命が異世界からの侵略と攻防する話である。
熱いのでポカリ飲みましょう。




