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大金の使い道を考えよう

 いかん、落ち着け、俺。いきなり大金をもらって、おかしくなっちまった。そうだ、素数を数えて落ち着こう。2、3、5、7、11、13、15、いや15は素数じゃない。ダメだ、全然落ち着かん。下に行って、お茶でももらおう。お金は鞄に入れて、抱きこんで行こう。


 俺は鞄を抱き込んだまま、部屋を出て宿の食堂に鞄を抱き込んだまま座った。ロミーちゃんとすれ違った気もするが、それもどうでもいいか。俺が朝食を食べていた時が朝食としてはすでに遅い時間だったので、食堂はもう誰もいなかった。


「レンさん、どうしたんですか。」


 ロミーちゃんと同じく、この宿で働いているタビタさんが声を掛けてきた。タビタさんは20代半ばの女性で子供も2人いるらしい。ロミーちゃんと違い、愛想は最低限で今も掃除するから退()けと言わんばかりのジト目を向けてきている。


「あ~、タビタさん。お茶を貰えなないかな。」


「ふぅ、部屋に持っていきますから。

 そっちで飲んで下さいね。」


「ご、ごめんね。」


 まあ、閉めると言ってるのに、お茶を出せと言う俺が悪いな。でも、これを持って外に行きたくないし。


「何ですか、その鞄。怪しいですね。

 ひょっとして金貨でも沢山入ってるんですか。」


「(ビクッ)いや、そうだったらいいなぁ~。

 あはははははっ。」


 鋭い。いや、上手く誤魔化せたか。セーフ。セーフだよね?


 俺が部屋に戻り、しばらくするとタビタさんが(いぶか)()な視線を向けながらお茶を持ってきてくれた。ちなみに、有料だし本当は部屋に運ぶようなサービスは無い。俺はお茶を受け取ると、鞄とタビタさんの間を通る様にして、木箱にお茶を置いた。テーブル無いからね。


「あ、ありがとう。」


 そう言って俺は銀貨を2枚(2千円)を手渡す。お茶代とチップにしてはだいぶ多いが、俺はタビタさんに早く立ち去って欲しかったのだ。


「変なレンさん。」


 タビタさんはお礼も言わず、金貨の入った鞄をその目にロックオンしたまま、部屋から出ていった。


「ふうぅ。」


 俺はお茶を飲む。少し落ち着いてきた。


 タビタさんに目を付けられたから、もうこの部屋には金貨は置いておけないな。であれば、使うか預けるかだ。


 今後の事を考えると、俺には2つの道がある。


 1つは最近バイトを紹介してくれる布問屋のヴィルマーさんの伝手を使って商売を始める。いきなり店は無理でも、(まと)まった金があるので伝手を使って布を仕入れ、北のラウエンシュタイン王国にでも持っていけば儲けられるだろう。そしてラウエンシュタインでは鉱石を仕入れて戻ってきて、ここカウマンス王国で売る。その往復を繰り返すだけでも着実に儲けられるだろう。

 だがなぁ~、結局運搬中のリスクが高い。護衛を付けるならその分、仕入れは減るし。ヴィルマーさんの伝手で信用の置ける護衛は雇えるだろうか。何より俺自身この地に知り合いも少ないから、護衛に持ち逃げされる、なんてリスクも考えなければならない。

 ちなみに王都の中だけで、アドバイザーやらコンサルティング的な稼ぎ方が(はま)るなんていうのは、天文学的な確率の低さだろう。ヴィルマーさんと知り合えたのは奇跡的な確率で、そうポンポンにわか仕込みの現代知識チートで儲けるなんて出来るわけがない。


 もう1つはラノベの王道だが、ペルレ大迷宮に行ってダンジョンアタックである。金貨100枚を元手に装備を整えて、仲間を集めてお宝探し。俺の探知スキルが有効なら、ダンジョンで不意打ちを受けないし、敵を避けて進むことも出来るかもしれない。これこそまさにチートである。

 しかし、これも仲間の問題は残る。特に俺の金の事を知れば、気のいい冒険者が強盗に変わる事だってあるだろう。どのみち、俺自身の戦闘力はほとんど無いわけだし。


 どちらにしても、俺の代わりに戦ってくれる人が必要か。こうなるとラノベの、奴隷が一番手軽に手に入る仲間です、理論も現実味を帯びてくる。この国も奴隷は認められている。ただなぁ~、ラノベに在りがちな美少女奴隷とか、戦える女の子ってほとんどいないんだよな~。

 優雅な日々に少し奴隷についても調べたが、女の奴隷はほとんどいない。何故と言って、奴隷の需要は農作業や荷運び等の力仕事がほとんだからだ。軽作業なら女性も需要はあるのではと思うかもしれないが、軽作業は家庭で力仕事が出来ない妻や娘などの仕事となるので、わざわざ奴隷の女を購入してとはならない。男の奴隷の値段の相場が金貨数十枚(数百万円)なのも、現代の農業用トラクターの代わりと考えれば何となく納得できるか?

 それにこの世界、戦闘能力=筋肉なので女性が戦闘職になる事はほとんどない。まあ、お嬢様の護衛にいた女騎士のエルネスタさんとかは例外なんだろうけど、あの人も家柄良さそうな上にマッチョだったからなぁ~。普通に護衛として考えれば、暑苦しい男なんだよな~。ちなみにこの世界、奴隷紋なんて物は無く、基本鞭で従えます。逃げても暴れても捕まるので、大抵は大人しく従うらしいが、追い詰め過ぎると(やぶ)れかぶれで反撃される事もあるらしい。


 うん、一度見に行くか。

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[一言] 1、2、3、5、7、11、13、15 1は素数じゃないから、いきなり間違えてるってネタかなとおもったけど違うのかな?
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