第9話~え?やっぱり…~
いよいよ王様との食事が始まる
だが案内される前に流石にお着替えをと言われて服を渡された。
確かに整体用の制服のまま食事するのはまずいか。着なれない異世界の高価な服に着替え今度こそ本当に案内をされた。
案内された場所は映画に出てくるような荘厳華麗な場所だった。長テーブルの上には1枚1枚丁寧な紋様が描かれた皿が並び、銀の燭台は1つ1つ職人が丹精込めて作ってるであろう事が分かるほど素晴らしい作りだった。
他にも壁にかけてある絵など並んでるが、けして嫌味っぽくなく落ち着いた雰囲気をもった居心地のいい空間だ。
長テーブルにはストロフさんをはじめ、数人座っていた。
そしてその部屋の奥に座っているのがこの城の主である王様だ。
「アオイよ、よく参った。今日はゆっくりそなたの話を聞きながら楽しもうぞ!」
「は、はい。本日はお招きいただきありがとうございます。」
「うむ、さあ立ち話もなんだ座りたまえ。」
「はい…」
俺が座ろうとしたところ1人のメイドさんが椅子を引いてくれた。俺はこういった礼節のマナーには疎い方だが異世界では元いた世界のマナーが通じるのか分からないが確か左から座るのがマナーだった気がするのでそうやって座った。
特に言われることもなかったから多分問題はないと思う。座ったタイミングで数人のメイドがグラスにワイン?のような酒を注いでくれた。
注ぎ終わると王様がグラスを持ち立ち上がりストロフさんや他の人も立ち上がったので俺も同じように立つ。
「今日はとても素晴らしい出会いがあった!アオイよ!そなたに出会えた事は偶然ではなく女神ユノリス様のお導きだ!ユノリス様に感謝しそなたとの出会いを祝おう!」
王様がそう高らかに宣言しグラスを上げ酒を飲んだ。他の人達も同じように行い、俺も慌てて行った。
その後座った後に隣にいたストロフさんにこっそり聞いてみた。
「あ、あのストロフさんこの国ではユノリス様を信仰してるんですか?」
「ん?そうかアオイ殿は異国から来たから知らなかったな。我がレナール王国では神々の中でも筆頭の女神ユノリス様を信仰していてな。技能と技術を司ってると言われ、かつて復興する時に崇め奉られていたのだ」
あの猫背女神そんなポジションにいたのかよ…
上位とは言ってたけどまさか筆頭とは…
何だか全然信じられないけど、人は…いや神は見かけによらないな、あの猫背女神だけかもしれないけど。
「ん?何だ?アオイはユノリス様を信仰していたのか?」
と王様が聞いてきた。
「え?いえ、信仰しているわけではないのですが、実はそういうのに疎いもので」
「ふむ、そうかまぁこの国では信仰は自由だからなどの神を信仰していても特段問題ではない。だが中には熱心な信仰者もいるから気をつけるのだぞ?」
どの世界にも少なからずそういう人はいるんだなと思いつつ俺は頷いた。
そして俺は気になる質問をしてみた。
「あ、あのエラルド将軍は大丈夫なのでしょうか?」
「ん?エラルドか?心配には及ばぬ医者は命に別状はないと言ってるし、本人もすでに意識が戻りお主に直接謝りたいと言ってここに参加しようとしてたが医者が安静にしろと言われ今は大人しくしている。」
めちゃくちゃ血を吐いて危なそうな感じだったけどもう元気なんだ、すげぇタフだな…
「それよりそなたにはすまぬことをしたな、こちらの勝手な都合で戦いなどをさせて」
「い、いえそれは気にしてません!むしろ王様と食事をするなど夢にも思いませんでした。」
「うむ、お主は謙虚だな。そう言ってくれるとこちらも安心する。お詫びとしてはささやかなものだが我が国の料理を堪能してくれ!」
「はい、ありがとうございます」
そうこうしているうちに料理が出されてきた。
どうやら肉料理のようだが、ソースがかかっていてローストビーフに近い感じだろうか?
「我が国ではブルーボヴァンの肉を使った料理が有名でな味付けは王宮の料理人のみが作れる秘伝の味付けを使っていてなとても旨い。遠慮なく食べてくれ」
ブルーボヴァンというのはどうやら巨大な牛みたいな魔物でこの国もといこの世界では魔物を食う文化があるみたいだ。最初うっ…と思ったが牛に似た魔物なら大丈夫だと思い食べてみた。
肉は牛のようなボリュームがあるがしつこくなく、鶏のようにさっぱりしている為食べやすい。
食べやすいが…問題はタレだ!このタレ見た目以上に味が濃い!こんなに濃かったら肉ではなくタレを食べている感じだ。俺は慌てて酒を飲んだ。
「どうした?口に合わなかったか?」
王様が聞いてきた。
「い、いえ初めて食べる味でしたので驚いてしまい…とても美味しいです。」
「そうか、口に合うようで何よりだ、まだまだ出てくるから遠慮なく食べるがいい」
その後出される料理は魚にしてもメインであろうさっきのとは違う肉全てにおいて濃かった…
(まさかデザートまで濃い味付けになっていたなんて…これ絶対身体おかしくなるな)
「いかがだったかな?我が王宮の味は?この味はかつて国を復興する際に貢献した軍師が故郷の味を再現したと言われている味でな。以来その功績を忘れぬためにこれは王宮に代々伝わる味なのだ」
まさかここでまたあの信長が出てくるとは…
それだけ故郷の味を食べたかったんだろうな、だがこの味を食べて1つ確信したことがある。
それは何故王様に「広背筋」が出たのか。
俺は改めて王様を見て「弱点感知」のスキルを使ったあの時は「広背筋」しか見えていなかったが俺の考えが正しければおそらくあの内蔵も出てくるはず…そして出てきた言葉はやはり俺の思っていた通りだった。
「広背筋」「膵臓」
膵臓は広背筋と大きく関係していて膵臓の状態が悪くなると広背筋が縮こまってしまう。
そして膵臓が弱る原因は濃い味や刺激物だ。
かつての英雄を称えるために出来たこの料理が王様の身体に負担をかけているなんて皮肉としか言えない。
このままでは王様の命が危ない可能性がある、医者ではないが放ってはおけない。
俺は意を決して王様に伝えた…
アオイ王様に言います




