囁き
えちえちお姉さんを登場させてもブクマが増えなかったということは読者は…
あっ、ふーん
シャーロットちゃんのほうなインテリジェンス高そうなのでシャーロットちゃんです
ディーン村の南東に位置するタイガ森。村からも見えるほどの高い塔は見る影もなく地面にその残骸を晒している。その瓦礫を掻き分け、茶髪の男性が土埃を拭いながら姿を現わす。下がりきった眉と垂れ下がった目尻は優しげな印象を他人に与えるだろう。顔を上げ、一際高いところにいる人物に傅く。
「スコルピィの脳の回収はダメそうかしら、ラントーザ」
その人物は赤いルージュを引いた形のいい唇を開け、ゆっくりと男の名を呼んだ。
「損傷が激しく、体を用意したとしても記憶の復元は厳しいでしょう。いかがなさいますか、シャーロット様?」
シャーロットと呼ばれた人物はヒラリとスカートを翻し、高いところから飛び降りる。ラントーザにハイヒールの音を響かせながら優雅に歩く。その姿はさながら貴族を彷彿とさせる姿勢の良さと意思の強い瞳が魅力的である。
「『協力者』から連絡があったわ。なんでも聖騎士カインが例のものを持ってるんですって」
シャーロットの指に挟まれた錠剤を舌の上で受け取り、口を閉じる。喉仏を上下させると開口し、口内を余す事なく目の前の人物に晒した。シャーロットに促され、ラントーザが立ち上がる。アニスを見つめるラントーザの顔。その頰は上気し、瞳は淫蕩に蕩けている。
「殺して手に入れても構わない、だそうよ?頼りにしてるわ、ラントーザ……」
シャーロットはラントーザの胸にしな垂れかかり、胸に手を添える。
「えぇ、必ずご期待に添えてみせます。我が愛しの主よ……」
ラントーザはシャーロットの肩に手を回し、抱きしめた。月明かりに照らされ、二人の影は一つになる。その囁きは誰にも聞かれることなく、また見られることもなく宵闇に紛れて消えた。
えっちなことはしてないのでせーふです