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【放課後】

プロローグに続き第一投稿(*’ω’ノノ゛☆パチパチいつも第一話のリリースは読んでもらえるかどうかドキドキします(´・ω・`)読み手の皆さんと作品を通して少しでも良い旅が出来たらいいなと思います(〃^ー^〃)では第一始まりです>゜))))彡←リリース



「なあ…行こうぜって、なあ行こうぜ」


伊波は先程から、生活主任に引っ張られて乱れたハイレイヤーの茶髪をしきりに気にしている。机の上に置かれたスマホの動画と鏡に写した自分の髪に交互に目をやる。


「絶対可愛いじゃん。そう思わね?」


口元に笑みを浮かべ三人の同級生を見る。


「心霊スポットなんか行くもんじゃない…と思う」


四人の中で一番色白で華奢な春海は呟いた。


「マユツバだ」


神父というあだ名の少年藤島は顔を背けたまま伊波を見ようともしない。イタリア人のような濃い顔立ち。生真面目な性格というだけではなく、実際将来は神学を学びたいと希望している。


日曜になると熱心に教会に出かけ子供たちの面倒を見るボランティアをしているらしい。


「マユツバ大いに結構!ならこの子は幽霊じゃなくて生きてるって事…俺はそっちに期待したいね!」


「呆れたやつだ」


神父は手をふって立ち上がろうとする。


「俺は放課後、生徒会の集まりがあるんでな。お前も帰宅部だからって、放課後うろうろしてないで、帰って店でも手伝ったらどうだ。親父さん喜ぶぞ」


伊波の家は商店街で沖縄ショップを営んでいる。両親とも沖縄出身だが伊波は両親に顔が似ていない。


たまに店番などする日は近所の人から「出張ホストの日」と呼ばれている。


「その沖縄ショップ‘ちゅら海屋'には本日ペンギン食堂のラ-油が入荷予定なんだけどなあ」


梳で髪型を整えながら伊波は言った。


「なんだと」


神父の顔色が変わった。


「あれ.お前欲しいって言ってたよな」


「あのラ-油は美味い…一度食べたら病みつきだ。うちの親父も大好物なんだ」


「十個入荷したが店頭に並ぶと忽ち五分で売り切れるぜ」


「伊波」


「お前の分は三個確保してある」


「恩にきる」


「神父が拝がんでら…ま原価売りで構わんが」


伊波は立ち上がり神父の肩に手を回した。


「行くよな…動画のこの場所!場所は調べがついてるんだぜ」


目の前に差し出された動画を初めて見た神父は動画の少女と目が合い…顔を赤らめた。


「これは…!」


「決まりだな」


「伊波…お前」


「なんだかひどく良い香りがするな」


「今日はムスクだ」


伊波は先程から机に座って本を読んでいる少年にも声をかけた。


「犬島お前はどうする?」


「美景は駄目だ」


神父が気遣うように言った。


「犬島君は放課後妹さんの病院に…」


「そうだったな悪い」


「別に気にするな」


犬島は【春と修羅】という題名の文庫本を閉じて鞄にしまう。こちらを向いて言った。


「容体はと聞かれても相変わらず眠ったままだ。安定してると言えば安定はしてる」


「毎日病院に行ってるんだよな」


「眠っている分だけ、足や腕の筋肉が萎縮しないようマッサージしないといけなくてな」


「そうか。大変だな」


神父は沈痛な面持ちで答えた。


「もう慣れたさ。それに」


犬島は普段めったに見せない屈託の無い笑顔を見せて笑った。


「妹はチュ-ブの流動食も問題なく受けつけるし、体温も脈拍も呼吸も心拍数だって、通常の人の睡眠中の数値と変わらない。脳に損傷だって無い。ただ目を覚まさないだけで、何時か目を覚ます可能性はある。呼吸だって自分でしてるんだ」


重篤な病を抱えた患者の家族は、こんな風に、細い藁にもすがるような希望を持って生きるものかと。犬島以外の友人達三人は沈黙するより術が無かった。


もう何年も犬島美景の妹は病院のベッドで眠ったままだと聞かされていたからだ。


そんな重い空気を察したのか犬島は


「僕も放課後つき合うか」


そう突然言い出した。


「妹さんはいいのか?」


伊波が遠慮しがちに聞いた。


「今日はヘルパーさんが来る日だから。見舞いは夜までに行けばいいんだ」


「そっか…じゃあ行くか」


「ちょっと動画見せてくれ」


犬島に言われて伊波は端末を渡した。


「こんな可愛い子が生きてる事を願わずにはいられないよ」


「最近のこの手ネット動画は.はっきり写り過ぎだと思う」


「言えてる!カメラアングルとかバッチリだよな…どうしたワンちゃん」


「世界のホームラン王みたいな呼び方は止めてくれ。この屋敷見た事ある」


「まじでか」


「場所は三鷹市」


「先輩情報だと確かにそうだ」


「この屋敷…最近うちの物件になったやつだ」


犬島の言葉に一同が驚いた。


「妹は近々退院するんだ。病状に進展ないから。今僕が住んでるマンションだと環境悪いから、父が郊外に屋敷を買った。来月から改装工場に入る予定だ」


「ご両親は確か仕事で海外だよな」


「何度も送られて来たメールの写真で確認したから間違いない。冒頭に映る屋敷の外観も同じだ…幽霊つきとは聞いてないが」


「やれやれ本物かよ」


「じゃ暗くならないうちに行くか」


「えっ藤島君行くの」


「ラ-油と友人のためだ」


「それと恋な」


「それもだ」


「2人ともすごいや」


「よし行くか」


「犬島君も迷いが無い」


「春海ぐずぐずすんな置いてくぞ」


「いや…僕どっちかって言うと、幽霊ナンパとか…置いてかれたいけどな」


第一話お読み頂きありがとうございます(〃^ー^〃)もし気にいって読んでくれたらうれしいです(六葉翼)

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