こんなことなら耐えなきゃよかった
ものが飲み込めない事件から間もなく、私はかかりつけの歯医者に飛び込みました。
その時には左上の奥歯は頭1つ飛び出しており、歯を噛み合わせると下の歯茎に当たっていました。下の歯茎からは歯が少し頭を出しているような感覚もあり、下の親知らずも生えてきているからぶつかるんだ、程度の認識でいました。
診察をしてもらったその日は抜くことをせず、周りの歯と同じくらいの高さにまで削る処置がとられました。その後、上の歯が当たることで下の歯茎が傷ついていると教えられ、痛み止めをもらって帰りました。
抜歯は仕事が忙しい時期を抜けているであろう、約2週間後の予定にしてもらい帰宅。
その日かかった治療費:3,600円
ところが、歯を削ってもらっても頭の重さは軽減することはありませんでした。
こめかみの辺りに常に鈍い頭痛があり、それは日に日に強さを増していきます。
この状態であと10日間耐えなければいけない。そう考えると絶望的な気分になりました。
自分への猶予期間のつもりが、逆に苦しめられる結果になってしまったのです。
そして、悩み抜いた結果。病院に連絡を入れ、抜歯予定を翌日の午後に繰り上げてもらうことが決定しました。
上司も親知らずに悩まされ、辛さを理解してくれている方だったので休みの許可も簡単に取れました。これは本当にありがたかった。
そして、抜歯当日。午前中は普通に仕事をし、お昼で早退して抜歯という日程で動きました。
これは2本目・3本目も同様。家にいると不安になってそわそわしてしまうので、仕事をして気を紛らせようという作戦でもありました。
歯を抜いた後どうなるかがわからなかったので、昼食はいつもより多めに食べました。場合によっては冗談抜きでしばらく食べたいものが食べられなくなってしまうので、どうしても食べたいものがあるのであれば抜く前に食べておいた方が良いかもです。
かかりつけの病院は家から近く、駐車場が狭いということもあったので車ではなく自転車で向かうことにしました。
午後の診療開始時刻の予約だったおかげで、病院内は空いていました。
治療用の椅子に案内され、先生が麻酔を打ちに来ました。麻酔が効くまで5分くらいかかるということでその間は放置。先生は他の患者さんを診に行ったようでした。
これまで聞いてきた抜歯体験談からドキドキしながら待っていると、先生登場。
「口開けてー」と言われるがままに口を開けると、スポン、と。歯に触れてから抜き終わるまで1分もかからなかったのではないかと思います。
「終わりましたからね」
「……へ? もうでふか?」(←なんとなく歯を噛み合わせることを恐れてる牧田)
麻酔の効き具合を見るのかと思っていたのに、いとも簡単に抜かれてしまったのです。
あまりにも呆気ない終わりだったので実感もなく。そのまま綿を噛んで帰ることになりました。
これはあくまでも私の推測ですが、
・上の歯だったこと
・永久歯だったこと
が影響して簡単に抜けたのだと思います。
下顎は上顎よりも骨格がしっかりしているため歯が抜けづらく、親知らずは根っこの部分が曲がっていることもあり、そうなるとさらに抜きにくくなるらしいです。
何はともあれ、これまで我慢していたのが馬鹿らしくなるくらい簡単に1本目の抜歯は終了したのでした。
その日かかった治療費:920円
なんと! 抜歯って思ったよりお安いのですね!
もちろんかかった時間が短いということもあるんでしょうが……。
ちなみに、この時は前回歯を削ってもらった時の痛み止めが残っていたので薬類は出してもらいませんでした。
帰宅後、そういえば家にゼリー類が何もない! と気付いた私は余裕をこいて自転車でスーパーに向かいました。
初夏の暑さと運動したことによる心拍数の上昇で、帰り道に軽く出血。家に着いて真っ先に新しい綿を噛み、扇風機を回してソファーに横になって、とワタワタしていましたが特に問題もなく。
ただ心配性がうろたえただけでした。
痛みや腫れ等もなかったので夕飯は食べやすいようにと卵かけご飯にしました。口の中で血の味がするけれど、無傷の右側で噛めば支障もなく食事が取れました。
歯を抜いた跡が穴のようになって残っていましたが、1年ほど経った頃にはほとんど気にならないくらいまで回復しました。初めのうちは気になるかもしれませんが時間をかけてゆっくり埋まっていくようですね。