表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鍵十字の叛乱  作者: 織部 弘
第一章 ヒトラーの異世界転移
7/9

七話 鼠と巨龍

 ヒトラーがこういうとマウスが用意され、業火が広がるベルリン市街へと進出した。マウスはヒトラー直々の命令により、作られた重戦車である。全長十メートル、重さ百八十七トン、主砲口径十二・八センチ、副砲は七・五センチという大変なものであった。

 この鼠という名の化け物は、外観は横長の直方体の物体を大小二つ重ねたようなもので、フォルムとしてはたいへんシンプルなものであった。

 しかし、その巨大さからもわかるように、量産は難しく、たった二両しか作られていない。しかも、一両はエンジントラブルを起こして動けない状態にあった。

 超重戦車マウスはその巨体をのそのそと動かしながら、一匹の巨龍の前に到着した。

 巨龍が火を吐いてくることは、マウスの乗員は重々承知していたから、照準は急いで行った。

 巨龍が胸を膨らませて思い切り息を吸い込む。

 マウス主砲操縦主は、焦る心を抑えつつ、主砲発射把丙を握った。

 マウスはその体をぶるりと振るわせて、轟音とともに十二センチ砲弾を排出した。

 その衝撃たるや、すさまじいものだった。マウスの後ろからついてきてい歩兵小隊は、一瞬のうちに生じた爆風の衝撃波によって、地面にたたきつけられ、そのうちの幾人かの鼓膜はたちどころに破れてしまった。

 砲弾は空中を飛翔し、巨龍に命中すると巨龍の皮膚を、肉を裂き、そしてその体の内部で爆発した。

破片や爆風が体内で吹き荒れ、巨龍は一瞬のうちにただの巨大な肉塊と化す。

 マウス搭乗員はマウスの主砲の破壊力に驚嘆した。

 何せ、あそこまでドイツ軍を苦しめた巨龍を一瞬のうちに死に至らしめたのだから。

 

 「よくぞやった。マウス搭乗員には騎士鉄十字章を与えよう!」


 巨龍一匹撃破の報告をマウスの無電で受けたヒトラーはそう言った。

 しかしまだ巨龍二匹が残っている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ