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全ての人類に絶望を。  作者: うまい棒人間
狂ってしまった生き方と偏見と忍者とロリコン
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決戦、朝。

「朱里、まずお前は教室に着いたら。萌花と延々と喋り続けててほしい」


「良いけど……断るだけでしょ? なんで延々と話続けなきゃいけないのよ」


「理由としてあげるなら俺と話さないようにするためだ」


「でも、同じ部活なんだからいつかは喋るじゃない。なんで朝止める必要があるの?」


「それは……」




 ────────────

 ─────





 朝のホームルーム開始まで残り十分。この十分が勝敗を分けると言っても過言じゃない。


 いや、まさに綱渡りの俺達は身振り手振り一つ間違えただけで谷底へ落ちる状態にある。十分とかそんなこと言ってる場合じゃない。


 俺の言った通り、森谷朱里は結城萌花と延々と喋り続けててくれてる。そして今から朝の時間終了のギリギリまで、俺はあるところへと行き、勝利への布石を打つ。


「職員室に行った方が早いかな」


 職員室へと向かう、頼りにしている教師は一人だけだ。


「失礼します、二年二組、林田真希です。山本先生に要件があって来ました」


 礼儀正しく、職員室へと入る。ノックも忘れず行った。あくまでも今ここにいるのは人間の林田真希。


 山本先生を探す、何しろ初めてここに来た。教師の居場所なんて分かるはずがない。


「いないのか……!?」


 突如、後ろから来る攻撃を感じた。


 やられる?


「ッ!!」


 素早く振り向き、戦闘態勢をとった。まさかここで仕掛けて……?


「お、おいおい、オーバーリアクションだな林田」


「……山本先生ですか」


 後ろに立っていたのはうちのクラスの担当教師かつ、うちの部活の顧問とやけに繋がりのある山本先生だった。彼女の性格からして俺のことをびっくりさせようとしたのだろう。


「てぃーぴーおー」? だっけ、ぴーを除いてすべてダメだったな。


 でも安堵のため息をこぼす。ピリピリした演技、といっても実際ピリピリしてないわけじゃない。


 奴らが今ここで襲ってこない可能性だってゼロじゃない、警戒を解くことすら油断であり隙なんだ。


「先生に聞きたいことがあって来ました」


「ほう? 彼女の作り方とかか? 悪いが山本先生は彼女を持ったことなんて……あぁ、そもそも女じゃないか! ハッハッハ」


 こう、真面目なのにふざけられると俺短気だからイラッと来ちゃう。


 でも、抑えろ、この怒りをぐっと抑えろ。


「いえ、聞きたいことっていうのはそういう自虐ネタではなく……」


「い、いいだろう、この流れで悪いのはどう考えても先生だ。怒るまい、言ってみろ」


 よし、ここからが、俺が朝やっておくべきことだ。ここから先は至ってシンプルに、動く!




「……一年生の『麻枝寧々』という人物を探しているんですが」





 ───────────

 ─────





「……それで、何の用よ先輩」


「そうだな、その呼び名をやめてもらおうか後輩」


 今、俺は山本先生の協力を得て、麻枝寧々、ブランシュが一年三組にいることを突き止め、会いに来たところだ。


 するとなんだこの後輩、とんでもない形相で睨むじゃないか。


「別に、そこまで時間のかかる要件じゃない。言いたいことが二つあるだけだ」


「二つね……。あんたは逃げるとか言って出入口であたしの頭叩き割るために待ち伏せするような嘘つきだし、信じられるわけないけど」


 まだ根に持ってたのかこの女、でもあれは気配遮断すらしないで突っ込んだお前が悪い。


「まず一つだ、俺がここに居て、お前と話してる時点でわかってると思うけど……学校内で俺はお前達と戦わない。だからお前らも俺を攻撃するな! 攻撃していいのは学校が終わって、校舎を抜けてから、被害を及ぼさない状況になってからにして欲しいとお前のクソジジイに頼んどいてくれ」


「それが人にものを頼む態度!? ……はぁ、分かったわよ、言っておくわ。あたし達自身もそういう厄介事の種は撒きたくないからね」


 うん、分かってくれたみたいで何よりです。


「次に二つ目だ」


「何よ、もったいぶってないで早く言って欲しいんだけど、朝の時間があるの知ってるの?」


 うるさい、ちゃちゃ入れんな。


「今言ったことをレオルド達に伝えたら……」


「伝えたら?」



「お前、俺と組め」



「……は?」


「聞こえなかったか? 俺と組めって言ったんだ」


 二度目を言うと、ブランシュの肩が震え始めた。拳に力が入っているのがわかる。


 キレてる、すっげぇ怒ってるよこいつ。


「ねぇリンデン、あなた正気なの?」


「……冷静に考えただけだ、俺がシーガに勝つためには一人じゃ勝てない、誰かの協力が必要なんだ」


「そこじゃないわよ、あたしに協力を促すって、あたしにおじいちゃんを裏切れっていうの?」


 声すらも震え出す、はち切れんばかりの怒りを静かに俺にぶつけてくる。


 本来ブランシュはここまで血の気の多いやつじゃない。普段はもっとクールだった、でもこいつはレオルドのこととなると周りが見えなくなってしまう。


 そして、昨日の失態。それが彼女を狂わせてしまっている。


 悪いな、俺はそういう隙というか、弱みを利用するのが大嫌いで超得意なのさ。


「まぁ、その話は昼休みにまたしようじゃないか。昼休み、俺が入ってる部活の部室に来な。場所は分かってるよな?」


「……行くわけないでしょ、そもそも今の話をおじいちゃんに伝えて終わりよ、馬鹿ね」


 伝える? 


「へぇ……じゃあ伝えてこいよ、『今俺が言った発言の全てを、真実だと言ってな』」


「っ! どういう意味よ……!」


 おっ、食いついたな。いい判断だ、ここで食いつかなかったらレオルドは多分負けていたぜ。


「部室に来たらそれを教えてやるよ、そしてお前がこちら側につくことで生まれる最大のメリットも兼ねてな」


「くっ……!」


 いいね、その悔しそうに歯ぎしりしてる表情、そういう顔が見たかった。




 ブランシュが悔しがって、その時に丁度朝のホームルームの始まりのチャイムがなった。

 

「それじゃあ、先輩の俺はここで失礼するぜ、後輩?」


「……」


 突っかかってすら来ないのを確認して、俺は自分の教室に戻る。




「……さて、何ルートになるのかな?」



ここからリンデンの心理描写が極端に減ります。ネタバレ防止のためなので気にしないでください。

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