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全ての人類に絶望を。  作者: うまい棒人間
君のための2週間
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運命の残り1週間

昨日は投稿できずすみませんでした。

 テスト開始まで残り一週間となった。


 クラスはいつにも増して静か…と思ったがそうでもない。


 諦めているものも生まれて、真面目に勉強しているメガネくんにちょっかいを出す奴もいた。


「ったく、ああいうのがいるからクラスの点数が下がるんじゃないのか…?」


「同感ね、でも一番点数を減らしているのは協調性廃棄処理場こと私達ぼっちの存在ということを忘れてはいけないわ」


「…さいですね」


 森谷朱里のド正論に俺は素直に負けを認める。負けても悔しくない負けはさっさと認めよう。


 てか協調性廃棄処理場って表現いいな。気に入ったわ。


 さて現在、俺達は部室である人物を待っている。


 今回の依頼人である。


「で?作戦はいい感じに進んだの?」


 森谷朱里が部屋の準備をしながら聞いてくる。


「…いい感じには進んだ、はっきり言って完璧…なんだが」


「だが?」


「どうしてお前はそう他人事なんだよ…そもそもお前が引き受けた仕事だろうが」


「うっ!?あ、あははー」


「笑ってごまかすんじゃない、まぁいてもいなくてもどうせ役立たずだっただろうしいいんだけどな」


「…むぅ」


 気を悪くしたのかその後は無言で部屋の準備をする。


 時間指定はしていなかったせいでいつ来るかわからない。だからさっさと済ませておかなければいけない。


 …この作戦を実行するにあたって、まず結城萌花の協力なくして事は運ばなかった。


 今日この部室に向かう前にちゃんとお礼はしたものの、やっぱり何か別の形で感謝を伝えなくてはなるまい。


 そんなこんなで時間が立ち、部屋の準備は終わる。


 現在午後4時20分。そろそろ来てもおかしくない頃だ。



 コンコン



 来たな!?


 俺達はこの教室を窓側と廊下側で二つに分けるカーテンの窓側へ移動する。これで廊下側から来る依頼人と顔を合わせないで済む。


「失礼します…」


 以前とは違う、自信の無い小さな声が聞こえる。


 人が違う訳では無い、声帯は同じだ。以前来た男と同じ人間だろう。


「はい、どうぞ」


 それとは逆に自信満々の声で迎え入れる。その出てくる自信は俺と結城萌花が用意したものだと思うと少しだけイラッとくる。


「は、はい、あの、今日はあの男の人は…」


 あぁなるほど?さっきの小声は前回滅多打ちにした俺を恐れているからということか。


 悪いな、その男はずっとお前と同じクラスにいたよ。そしてお前がクラス内で俺の悪口言ってるのも聞いてたよ。『なんかデカイ口叩かれたんだけどー!』って言うやつを毎回な。


 ただでさえ色々あってイライラしてるってのに燃料投下してきやがって…でも小物感溢れてて微笑ましかったぞ、少年。


 さぁて、ちょっと仕返ししてやるかな。


「いるけど?」


「あっ、やっぱりそうですよね…いますよねそりゃあ…」


「あぁ、デカイ口を叩くことである生徒から馬鹿にされている人はここにいるよ」


「えっ!?な、何でそれを!?」


 …流石にこいつ、ちょっと馬鹿すぎない?


「はぁ…まぁいいや、バカにすることがめんどくせぇ」


 自分より馬鹿なものを貶すことは好きだけど、それにしてもラインってもんがある。


 少なくとも森谷朱里より馬鹿なヤツはもう人間を超える馬鹿だと思うのでそれが基準だ。


 森谷朱里より馬鹿だったら、そいつは「バカ」と思うのではなく「可哀想」だと思う。


「話を戻そう。おい少年、しっかり勉強してこなかっただろうな」


「文字にしてみるとひっどいセリフねこれ…」


 隣で顔を顰めながら小声でつぶやく声が聞こえる。


 やかましい、俺もそう思ってたんだ。


 俺が質問をすると、先程より少し大きな声で自信ありげに返答してきた。


「やってませんよ、本当にこれで大丈夫なんですよね!?」


 何故大きくなるのか、真意はよく分かる。


 恐らくだがこの1週間、あの男はちゃんと俺の思惑通り怯えて過ごしていただろう。


 あの人の言うことを鵜呑みにして本当にいいのか?だとか、もしかしたらあの人は他のクラスからの刺客でオレが騙されている?とかそういうことを考えていたのだろう。


 さぁ、ここまで来ればもうこいつの思考を読むことは簡単だ。


 これまで言い訳を頼りにしてきたこの男がこの状況ですることなんて限られてる。というより一つしかない。


『失敗した時の言い訳を考える』


 だろうな。それしかない、恐怖に潰されかけているあの男ならきっと失敗のことしか頭に浮かばない。


 そして今その失敗の理由を、俺に突きつけようとしている。


『あの男があんなこと言わなければ』だとか『初めからちゃんとやれば出来ていた』だとか、そんなことを言って自分の中で正当化させる。


 つまり、あいつの声が大きくなったのは「このやり方で失敗したらお前のせいだぞ」という脅迫であり自分が上の立場にいるということを宣言した証である。


「ねぇねぇ」


 つんつんと俺の肩を突っつく、森谷朱里が心配そうな顔をしていた。


「大丈夫なの?」と視線で訴えかけている。こいつもこいつで声が大きくなったことの意味を理解はしているらしい。


「安心しな、ここまでは想定内だ」


 だからこそ、俺がこいつに提案する手段は「自分自身でやる」という事だ。結局最終的には運ゲーになるのだが、一番いい方法がこれしか浮かばなかった。


「さてそれじゃあ教えようか、点数アップの方法を」



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