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全ての人類に絶望を。  作者: うまい棒人間
君のための2週間
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さいて…最高の出会い

遅れた上に短めです。

 テストまで残り……13日。


 クラスの雰囲気は今までのものとは違うように思えた。


 それは俺がこの学校のことを知ってしまったからだろう。


 みんないつも通りを演じようとしているがどうもぎこちなく見えた。




 そして現在放課後、図書室でひとり静かに勉強中。この時に至るまで俺は勉強して勉強して勉強して、そして休憩時間にはどうすればあいつがいい点数をとることが出来るのか考えていた。


「…そろそろ頭が痛くなってきたな」


 脳みそエンジンフル回転である。しかも休憩なしときた、こんな経験初めてだ。


「はぁ…」


 ついため息が出てしまう、こういう時にくだらないことを思い出してしまう。そういえば親父が言っていたな、ため息は運気も吐き出してしまうと。


「ま、親父の言うことなんて信用しねーけどな」


 あんなクソ親父の言うことに従うぐらいだったら森谷朱里の命令に従ってた方が…うーん、どっちがマシだろうか…?


 …あほらし、こんなくだらないことに頭を使ってんじゃない!


「お、お勉強ですか?」


 イライラが募って来るなか、優しげな安らぐ声が聞こえてきた。この声の主はよく知っている。


「…結城か」


「はい、さっきぶりですね」


 さっきぶりというのは、放課後俺がこの図書室による前にこの女から借りた本を返すために一度話したからである。


「偉いですね、1人で黙々と勉強してて」


 数ある問題の中で、一番簡単かつ手軽にできるのが勉強だからな…。むしろ息抜きになってる可能性まであるかもしれない。


「お前は?なんでここにいる?」


「私は、図書委員なんです、放課後は5時までここにいますよ」


 にこりと笑ってそう言った。何故かこいつは今まで通りだ、こいつの性格ならこういう時ビクビクしそうなものだが…テストの緊張というものがないのだろうか?


「あっそうだ」


 ここで、俺は昨日のことを思い出す。


 こいつに手伝ってもらえないだろうか?そう思っていたのだ。


「なぁ結城お前今暇か?」


「はい、そうですが?」


 丁度いい、チャンスだ。


「ちょっと相談したいことがあるんだが…いいか?」


「んー…力になれるとは到底思えませんが、なんでしょう?」


 俺は話した、部活での出来事、そしてこの学校のシステムによってあの男の影響でクラスが崩壊するかもしれないという俺の予想を。


 結城萌花はうんうんと頷きながら興味深そうに聞いてくれた。


「…という訳だ、何かいい案がないか?」


「う…ん…」


 顎に手を当てて必死に考えている。そして何かを思いついたのかぱあっと顔が明るくなる。


「みんなで勉強したらどうです?」


「みんな…だと…?」


 恐ろしいことを言う女だな。この孤高の戦士に馴れ合いを求めるとは。


 一応理由は聞いておこう。


「どうしてそう思ったんだ?」


「その人と林田くんと朱里ちゃんで一緒に勉強することでですね!監視と分からないところの教え合いをすればいいんですよ!教えるって言うのは難しいから教える人も理解が深まってちゃんと覚えるんです!」


「なるほど」


 傍から見たらいい安だ、だけど…。


「森谷朱里はそこまで成績がいいわけじゃないし、俺もこの学校で初めてのテストだ。どういう風に出題されるか分からないし俺と森谷朱里の苦手教科は一致してるからその教科を教えることは難しいな」


 俺らしくない弱気な発言。だが真実なのだ。


 少し落ち込んでいる雰囲気を出していると。


「わ、私がお手伝いしましょうか?」


 顔を赤らめてそう言ってきた。


「…は?」


 ついいつものように返してしまった。マズイ謝られる。


「ひっ…ごめんなさい!」


 必死に頭を下げる、だからそういうのいいって…。


「…お前数学得意?」


「と、得意と言われると…なんて言えばいいかわからないです」


「じゃあ質問を変える、お前は前のテストの数学何点だった?」


「は、恥ずかしいですが…」


 もじもじしながら次の言葉をためらっている、こいつも数学苦手なのだろうか、だとしたらもう終わりだ。


「100点です」


「は?」


 …うちのテストは200点満点とかいうオチじゃないよな?


「…ちなみに前回の成績は?」


「2位です」


 おい待てこの女。


「…クラスで?」


「学年です」


 それはまさに、俺の求めていた救世主だった。


「頼む結城!手伝ってくれ!」


「ふ、ふぇぇ!?」


 ガシッと彼女の手をつかむ。みるみるうちに彼女の顔が赤くなっていくのがわかった。


「わ、わたしなんかでいいんでしょうか…」


「いいもなにも!」


 学年2位の実力を持っていながら、そこは卑屈にならなくてもいいだろう!


 俺としてはな!


「お前じゃなきゃダメなんだよ!」


 だって俺お前ぐらいとしか話したことないもん!


「…え?えぇぇぇぇ!?ぷしゅー…」


「お、おい、結城?」


 一気にゆでダコみたいに赤くなったかと思えば空気の抜けていく風船のようにへなへなと地面にしゃがみこんだ。


「だ、大丈夫ですよ、は、初めての経験だったので、人に頼られることが」


「そうか」


「はい、ですのでありがたくお受けしたいと思います」

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