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全ての人類に絶望を。  作者: うまい棒人間
侵略者は頭を抱えて、疫病神は恋をする。
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リンデンとしての戦い

ちょっとバトルシーンなんで長くなりました。

俺の世界に住む俺達は、種族としての名前が無い。


姿形は人間と同じだから人間、と名乗るべきなのだろうが、俺達は人間とは比べ物にならないほどの腕力、そして不思議な力を兼ね備えている。


ある者は口から炎を出したり、ある者は重力を司り、ある者は変身することだって出来る。


それは、同じ人間と呼ぶには程遠い生き物だった。


そうだな、この世界で呼ぶなら、「魔術師」が一番相応しいだろう。


そして俺も、この人の手首を粉々にできる身体能力に加えて、もう一つの魔術を使える。


…と思ってた。



✖✖✖




「来い!ポンコツロボット!!」


その挑発に乗ったかのようにロボットは凄まじいスピードで俺の元へ突っ込んでくる。


「ん?意外と早い?」


「眠るがいいリンデン!」


「お前こそ永眠の時間だ!俺に殺されるまで起きてろよ!」


ロボットはパンチやキックなど、人間に近い動きと攻撃で俺を攻めるがそれを俺は躱す、躱す、躱す。


体格差があってこのロボットは俺の身長の二倍近くあるまさに熊だ、一発当たるだけできっと大きいダメージを食らってしまうだろう。


でも、負けるなんて言ってない。


「ていっ」


俺はロボットに足払いをかける、バランスを崩したロボットはそのままズシンと横だおれになった。


ロボットは体が重いからこういう衝撃に弱いのだ。


「っだらぁ!!」


そしてそのままロボットの首元をグシャッと踏みつけ、頭部と胴体を引き離した。


「えぐいことするのぉ…」


えぐいこと?何言ってんだか。


「あと8回ぐらい同じような光景を見ればなんとか慣れるんじゃあないか?」


俺の発言にレオルドは高笑いする。


「ふっ?8回?残りは7体じゃぞ?ついに計算すら出来なくなったか?」


「あぁ間違えた、8回目、お前に見ることは出来ないな」


この発言に、レオルドは顔を引き攣らせる、それは驚いたような、怯えているような、そんな顔をした。


「…なるほど、わしにも同じことをするというわけか」


「その通りだっ!!お前が見るのは走馬燈だ!!」


俺はすぐさま次のロボットに向かって駆け出す。


それは直線的な動き。この行動でで俺はこのマシンがどういった行動をとるかデータをとる。


それはカウンターを仕掛けるか、攻撃を躱すかのどちらかである。


ロボットは真っ直ぐ来る俺に対して、拳を繰り出す構えをする。


「…おっけ、カウンター型な」


俺はロボットは心がないからどう動くのかわからない、と思われるが実は予測ぐらいは出来るのだ。


ロボットも意識のある者が作ったものであるのならそこには製作者の思いが移る。今回俺が手に入れたデータは「このロボットは突っ込んでくるなら攻撃を仕掛けるプログラムが作られている」ということ。


それさえ分かれば、利用してやればいい。


観察する、見る、じっと見る。簡単なことほど極めれば強い。相手の構えがほんの少しでも動いたら…。


「動いた!」


俺はその動きを見てジャンプする。そして次の瞬間に奴のパンチが繰り出されるが、それは空振りに終わった。


「おっらぁぁぁぁ!!」


そしてその勢いのまま、俺はロボットの脳天にカカト落としを叩き込んだ。


グシャッと、やつの頭は潰れてノックアウト、地に伏して動かなくなった。


「これで二体目…」


「ふん、やりおるな」


「こんなポンコツロボット、作るだけ無駄だったようだな、、もっとましなもん作れねぇのかこのマッドサイエンティストが」


「勝手に抜かしておれ!まだ6体残っておるじゃろうが!」


何体かかってきても、同じロボットならパターンにさえはめてしまえばこっちのもの!


「じゃあ早く来いよ、一体ずつ蹴散らしてやる」


「…ふん、リンデンよ、お前もどうやらボケてしまったようだな」


「……」


「お前のその戦い方を教えたのはいったい誰だ?」


「…チッ」


俺は言葉に詰まった、そうだ、俺がこの相手をよく見て戦うやり方を教えてくれたのは他でもない、偉そうな顔したあの爺、レオルドなのだ。


実際忘れてた、いや思い出したくなかっただけなのかも知れない。でも、今はそんなこと関係ない、あいつから学んだ力で奴を殺す!逆に素晴らしい展開だと俺は思うね。


「いやいや、わしも老いたのう、もっと早く気がついて居ればこの時間をかけたロボットを二体も破壊されることなどなかったというのに」


「ふん、よく言うぜ、それを思い出したからって何が変わるってんだ」


さぁ次は3体目、この調子でスクラップの山を築いてやるか。


俺はさっきの2体目と同じようにロボットに向かってまっすぐ走る。このロボットの行動原理が分かった以上この戦いは苦にしない。同じことを6回繰り返して俺の勝ち。そのあとあの老いぼれの首を飛ばす。


「ゆけぃ!!」


そのレオルドの一言で6体のロボットは俺を囲むように散らばった。


「なっ…!?」


驚いた、ということもあるが予想外の動きをロボット共はしてきたため、俺は急ブレーキをかけて、いったん距離をとる。


こいつら、急に行動パターン変えてきやがった、さっきまでは1体づつ攻めてきたのに、今度は急にまとまった陣形をとりやがった。


「どうしたリンデン、自分の想定と違うことが起こって混乱中か?」


「悪いな、想定外の出来事はどっかの女のせいで慣れてきた」


まぁ、そこまで取り乱さなくなったのはあいつのおかげでもあるのかな、一応感謝はしといてやる、ありがとな森谷朱里。


「ほう、お前にも女ができたのか、あれだけ人間嫌いだったお前がのう…」


ニタニタ笑いながらいかにも馬鹿にしているようにしゃべってくる。なんかこう、裏切り者だから、というより、純粋にうぜぇ…。


「…おい、雑談はそこまでにしろレオルド」


「…そうじゃの、それじゃあさっさとおまえを倒そうかの」


その一言でロボットは全員揃って腕を俺の方に向けてきた。


「…なんのつもりだ?」


「すぐにわかるさ…放て!」


「ま、まさか、ロケットパンチか!?」


何そのロマン!?くっそ、見てみてぇ…。


「…いや?バルカン砲だけど…」


ロボットはバババババババ、と俺にめがけてバルカン弾を一斉に発射してきた。なんだよ、夢がねぇなぁ。チッ!やっぱり失望させてくれるな!


流石の俺でも6方向からのバルカン弾は躱せる自信が無い。一瞬で悟った俺は俺を囲むロボットの間めがけて走り出す。


「逃げても無駄じゃ!このメカはお前を一度視覚に入れたら逃さない!!」


「ロボットにモテるなんてお断りだ!!」


逃さない、と言ってもやはり俺の速度に追いついてこれない、自慢じゃないが足はすごい速い。どれ位かと言うと100km出るかぐらいだ。


それでも今はロボットを物理で破壊することは難しい、ロボットに向かって走ったら蜂の巣にされてしまうからな。


だからこうする。


俺はロボットの後ろに回りこみ、張り付く、そうするだけで…。


「し、しまった!」


「やっぱりポンコツだな、製作者含めて!」


バルカン砲は俺を狙う、つまり俺の前にいるロボットも目掛けて撃っているというわけになる。5体の集中砲火を喰らえばそれはもう…。


ドン!!


3体目は無残にも大きな音を立てて味方のバルカン砲に破壊された。


これが人間であれば、人に作られた脳ではなく感情を持っていれば、同士討なんてしなかった。


これがロボットの欠点。「欠点を見つけることが自分で出来ない」だ。


どう足掻いても俺達の手を借りなければ壊れていることも、自分の行動の間違いも、何もかも分からない。


「人任せ」だ。俺のかなり嫌いな言葉の象徴。それがロボット。


「くっ、爆発の煙で…リンデンが見えぬ!?」


「そりゃあ見えるわけないわ」


「なっ!?」


「お前の後ろにいるんだからな!」


俺は爆発の隙を見て既にレオルドの後ろに回っていた。つまりさっきと同じことが起こる!


「ロボットって…俺を逃さないんでだよね…?」


「くぅっ…!!」


「さぁ蜂の巣になれ!」


自分の研究で、地獄に落ちろ!


死の直前、奴の顔は醜く歪んで…?


「残念じゃったのう、リンデン」


「え…?あっ!?」


次の瞬間、俺の右脇腹に鋭い痛みがやってきて、思い切り吹っ飛ばされた。俺が自体を理解したのは吹っ飛ばされて地面に這いつくばって少し経ってから。そうか、これは罠だったんだ。と。


煙が消えてきて、くっきり俺を殴り飛ばした奴の姿が見える。


「なるほど…。一杯食わされたな」


「目の前にあるものばかり見とるから、勝手に勘違いするんじゃよ、リンデン」


奴のそばにいたのはさっきまで戦ってたロボット。何の変哲もない今までのロボットだが…。


「そうじゃよリンデン、ロボットは、9台おったのじゃ!」


「くっそ…やるなぁ…」


意外とダメージが大きい、思い切り吹っ飛ばされた痛みもあるが何よりあの爺にしてやられたのがむかつく…。


「さて止めといこうかの」


「ちぃっ…」


計7体のロボットがまた俺に腕を向ける。またバルカン弾だろうか。


「そのダメージで、一体どれだけ動けるかの…?」


「…自信ないから、仕方ない、使わせてもらおうか」


見せてやる、俺の「魔術師」としての力を…。

今年はこれでおしまいです、今後はできる限り早く出せるように頑張ります。数少ない読者さん、これからもよろしくお願いします!

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