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全ての人類に絶望を。  作者: うまい棒人間
プロローグ
1/108

色々と間違え、初っ端からピンチに陥る

新作です。楽しく書いていきたいです、話は重めですが

世界を変える力があったとして。その力を、何のために使いますか?


これは、その力を「守る」ために使った物語。


世界を守るために、破壊を選択した物語。


その選択をした男は今。





教室内で、全裸である。





全裸であった。





 ✖   ✖   ✖




「あ、あわわわわわ」


「・・・?」


現在放課後。机が大量に重ね置かれてある空き教室の中、そこで学校ではありえないような光景が広がっていた。


まずその空き教室には二人の男女がいる。女性の方はこの世のものとは思えないものを見たかのような、死んだ表情をしている。


そして男性の方はと言うと、全裸。しかしこの男恥ずかしがらない、堂々と、とても堂々として立つ。


この裸の男性は、名を「リンデン」といった。この男は日本人でも、ましては外国人でもない、彼はなんと地球外生命体であった。


 彼がこの地球に降り立った理由は、「人間を滅ぼすこと」である。


 人間を滅ぼすことが、この男の存在理由であり、果たすべき目的。


(まずい)


 だからこそ彼は、堂々と立ってはいたけれど、この状況をどう打開するか悩んでいる。人間の女は恐怖を覚えると、その大小に関わらずとんでもない高音の超音波を発して周りの人間にピンチを伝えるからだ。そうなると全裸の自分はまず間違いなく大変な目に遭う。


 (殺すか…)


はじめはリンデンもそう思ったがいかんせんここは学校という場所である。ここで死体が見つかり、なおかつ自分が発見されてしまえば、もう大問題である。自分は捕獲されてしまい地球侵略は夢のまた夢。


 三秒という長考の末、出した答えは…。


「フッ」


「えっ?」


 リンデンが超高速で女性の後ろに回り首筋を手刀でとん。とたたいた。


 全力でやってしまえば首が吹っ飛んでしまうほど人間は弱いので、極限まで力を抑えて。


「気絶した、か」


 女性はしっかりと気絶してくれた。これで最初の難関はクリアできたか……。と、リンデンは安心しきっていた。


「とりあえず服だな」


 そういってリンデンは教室の窓際にあるカーテンを引っぺがした。今度は逆方向に歩いてドアのガラス越しに廊下の様子を見る。生徒が四、五人通ると、リンデンはうんうんとうなずいた。


 その次の瞬間、いきなりリンデンの体が光りだした。その光はものの数秒で消えたがそこに立っていたのは全裸の変態ではなく、しっかりとこの高校の制服を着たリンデンであった。それ以上に不思議なことではないが、カーテンも消えていた。


 ちなみに関係はないが、蛹が蝶のような変化をすることも変態という。この場合はどちらでも正しい。


「まずはここら辺の人間の調査からだな、めんどくせ」


 侵略をするにはしっかり人間というものを理解しなくてはいけない。いくら自分が戦闘面では最強レベルといっても戦車や自分の弱点を攻撃されるととてもつらい。


だからこそリンデンはまず学校の一生徒としてなりきって、疑われないように人間になりきる練習をしようと思い。学校にあらわれたのだ。


ついでに地球の文化にも興味を持っていたので、それも学びたいという思いもあったから授業を受けてみたいと思ったからでもあった。


他にも理由はあったが、ここで公言するものでもない。


「成功すれば自由に暮らせるんだ…絶対に成功させてやる…!」


 決意をあらわにして、リンデンのテンションは上がっていく。


 実際準備は完璧で、リンデンという男は頭もよく、戦闘面でも優秀だ。高スペックであった。友達がいないことを除いては…。まぁ本人はそんなこと気にしてすらいないようだが。


 計画は完璧、リンデンの頬が緩んだ瞬間だった。



 コンコン



「!?」


無音の教室の外から響く、その無慈悲なノック。リンデンの心拍数が跳ね上がる。夕方の涼しさを圧倒するほどの体温上昇。汗が吹き出し、驚きで見開いた目は音の聞こえた扉の外に向く。


そう、このノックが全ての始まり。


物語の始まり、という訳では無い。彼の、彼らの物語は既に始まっている。


だからこれは、絡むはずのなかった者達が、絡んでしまった物語の始まり。


間違った物語の、始まりだ。 


 

目標、ネットスラングは使わない

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