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俺だけスキルなし?
生まれ変わった時、神から与えられた言葉は冷酷だった。
「お前に与えるスキルは…なしだ。」
他の転生者たちは“火魔法”“聖剣”“鑑定眼”といった輝かしい力を授かり、冒険の第一歩を踏み出していく。
だが、俺…ホタルは、ただの無能力者。
ステータスを開いても、真っ白な画面に【スキル:なし】と刻まれているだけ。
村人にすら見下され、冒険者ギルドでは嘲笑された。
「スキルなしで生き残れるはずがない。」
「せいぜい雑用だな。」
だが、誰も予想もしなかった。
この「スキルなし」こそが、世界の理から外れた唯一の存在であり、**あらゆるスキルを無限に取り込む“虚無”の器”**であることを。
盗賊が振るった“剣技”を受けた瞬間、その技は俺のものとなり、魔法使いが放った“炎術”を浴びた瞬間、その魔法は俺の体内に宿った。
「…なんだこれは。俺が、すべてを喰らっていく…?」
やがて、世界最強の勇者も、神に選ばれた聖女も、俺の前では力を振るうことさえ許されない。
「スキル0の無能」と呼ばれた男は…いつしか「チートを超えた怪物」として名を刻む。