表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
素行不良で僻地に追いやられた第4王子、自分が転生者だった事を思い出す~神様から貰ったランクアップで楽々領地経営~  作者: まんじ(榊与一)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/158

第98話 王族

――スパム邸、執務室。


「ポッポゥ推参!」


「ほっほっほ。お待たせしましたな」


一月経ち。

火の粉と、そもそも姿が全く見えなくなっていたポッポゥとタニヤンがメガ精霊になって帰って(?)来た。


「領地の方は問題ありませんが……戦争が始まってしまいました。戦況は余り宜しくないようです」


「ほうほう」


ジャガリックが戻ってきたタニヤンに状況を説明する。

戦争開始からまだそれほど時間はたっていないが、ポロロン王国側が劣勢という報はこの僻地のスパム男爵領にまで届いていた。

兄であるガイオスが戦死したぐらいだから、相当な物だろう。


あいつ、性格は悪かったが戦闘能力はぴか一だったからな……


え?

血が繋がった家族なんだから生き返らせてやらないのか?


もちろん……蘇生する訳がない。


あいつとは血が繋がってるとは言え、死ぬほど嫌いだったし。

そんな相手を蘇生してやるほど、俺はお人よしではないのだ。


何より、死者蘇生を周囲に知られるのは宜しくない。

ランクアップ位ならいいが、死者蘇生は知られると絶対碌な事にならないのが目に見えているからな。

特に戦時中なら猶更だ。

絶対隠しておかないと。


「敗戦の可能性が高いとなると……こちらから、戦争へアプローチする事も考えないといかんかもしれんな」


「まあそうなんだよな」


この領地が戦火に巻き込まれる心配はない。

ここまで攻め込まれるとか、もう国内が焼野原状態だからな。

流石にその前に王家が白旗を上げるだろう。

仮に王家が白旗を上げなくとも、貴族連中が離反して結局ってなるだけだし。


なので、領地が危険にさらされる心配はないと考えていいだろう。

問題は敗戦後の処理だ。

要は、属国になった後である。


過去の帝国は、現地の貴族をそのまま採用する形で併呑した国の統治に使っている――そうしないと、貴族共が最後まで徹底抗戦を続けて面倒くさい事になるから。

なので今回も同じ扱いになるだろう。


勿論、帝国法が適用されるしある程度の監視もつくので、これまで通りとはいかないが。

とにかく、貴族は貴族として、ある程度の生活の保障がされる訳である。


じゃあ負けてもそれ程問題ない?

いいや、大ありだ。


貴族は兎も角、王族の権利は大きく制限され、その生活も管理される事になる。

何故なら、反乱の旗印になる可能性があるからだ。

王家の血筋ってのは。


さて、ここで問題です。

俺、エドワード・スパム男爵は王族でしょうか?


答え――王族です。


え?

除名されたじゃん?


そんな物関係ねぇよ。

王家がどう判断を下したかどうかなんて、帝国からしたら些細な問題でしかない。

重要なのは、王家の血を引いているって点だ。


しかも俺直系だし。

旗印として満点もいい所である。

見逃して貰える訳がない。


という訳で、この国が負けたら俺も自動的に帝国の管理下――監禁状態に置かれる事になるって訳だ。


――まあこれは全部ジャガリックから伝えられた事だけど。


まあなんにせよ。

そんな息苦しい生活など御免なので、俺的に、国には最悪でも引き分け以上に持ち込んで貰う必要があるのだ。


「けど……あんまり戦争に関わるのとか、乗り気しないんだがなぁ」


メガ精霊に進化した4人の力なら、戦争に大きな影響を与える事も出来るだろう。

だがそうなると、そいつらどこから拾って来たんだって注目が、無駄に集まってしまう。

平穏に過ごすのなら、メガ精霊の力を見せつけるのは避けたいところである。


まあなにより、精霊達に人殺しを依頼するのは……な。


「心中、お察しします」


「まあまだ負けると決まった訳じゃなかろう。何らかの反撃の手を残しておるかもしれんし、もうしばらくは様子を見られてはどうじゃ?」


「そうだな。戦況が好転する事を祈るとしよう」


がんばれ王家!

負けるな王家!


俺の応援が届いたのか、この後、劣勢だったポロロン王国側が持ち直し、状況は拮抗する事となる。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


『面白い。悪くない』と思われましたら、是非ともブックマークと評価の方をよろしくお願いします。


評価は少し下にスクロールした先にある星マークからになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作宣伝
天才ですが何か?~異世界に召喚された俺、クラスが勇者じゃないからハズレとして放逐されてしまう~だがやがて彼らは知る事になるだろう。逃がした魚が天に昇る龍であった事に
異世界に召喚されたがハズレクラスだったため異世界に放棄された主人公。本来なら言葉すらも通じない世界に放り出されれば絶望しかない。だが彼は天才だった。これは持ち前の超学習能力で勇者を越える存在へと昇りつめる天才の物語
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
『現代ファンタジー』ユニークスキル【幸運】を覚醒したダンジョン探索者が、幸運頼りに頂上へと昇りつめる物語
ブラック企業務だった前世に懲りて転生先で俺はスローライフを望む~でも何故か隣の家で生まれた幼馴染の勇者が転生チートを見抜いてしまう。え?一緒に魔王を倒そう?マジ勘弁してくれ~
転生先でスローライフしようとしたらお隣さんは勇者で、しかも鑑定でチートクラスを見抜かれてしまう。魔王を一緒に討伐!?冗談じゃねぇ!俺は一市民としてやっていくから放っておいてくれ!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ