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素行不良で僻地に追いやられた第4王子、自分が転生者だった事を思い出す~神様から貰ったランクアップで楽々領地経営~  作者: まんじ(榊与一)


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第93話 流行り

戦争の気運は高まり、王家も本格的に動き出した。


「ふむ、予想通りか」


王家からスパム男爵家に寄越された手紙。

そこに記された勅令は、スパムポーションを無償で供給する事だった。


別にこれはこれは理不尽な命令ではない。

隣国との戦争という国難に置いて、全ての貴族が協力するのは当たり前の事だからだ。


なにせ負けたら、貴族もダメージを、それも致命傷になりえないダメージを食らう訳だからな。

協力するのは当たり前である。


むしろうちは負担が軽い方だ。

兵士の派遣を求められなかった分。

物はいくらでも作り直せばいいだけだが、人的資源はそうはいかないのだから。


まあ求められても、そもそもそんな物を持ち合わせていないので出しようがないが……


王家もその辺りは理解しているからこそ、アイテム寄越せってだけの勅命に留まっているのだ。


「ほんと、戦争なんていやーねー」


「しょせん貴族や王族なんて、自分事しか考えていない自己中心的な奴らばかりだからな。平気で戦争なんて物を起こしやがる」


護衛騎士であるエクスとタゴルが、戦争が起きると知って嫌そうな顔をする。

元王族で貴族である俺だが、タゴルの言葉は聞かなかった事にしておく。

まあ、そこまで間違ったことは言ってないからな。


「どうなっちゃうのかしら。心配だわ」


「まさか村まで戦争に巻き込まれたりは……しませんよね?」


タゴルが心配げに聞いて来る。


「戦争は北側だから、よほど劣勢にならない限りは、南側のこっちまで戦線が迫ってくる事はないさ」


国力的にはそこまで大差ないはずなので、そうそう簡単に押されたり負ける事はないと思う。

もちろん、だから大丈夫だろうと高を括るつもりもなかった。

精霊達に進化して貰うのも、そういった万一のために備えての事である。


「早く終わってくれるといいんだけど」


「……エドワード様。俺をランクアップさせてくれませんか?」


タゴルが少し考えこんだ様な仕草をしたかと思うと、急にランクアップさせてくれと言ってきた。


「急にどうしたんだ?」


「今の俺の力じゃ、何かあったとき妹を……村の皆を守ってやれないかもしれない。だから……強くなりたいんだ」


戦火が迫る可能性はかなり低い。

が、0ではないのだ。

万一の時、自分が村を守れるだけの力後欲しいと、そうタゴルは思っている様だった。


「タゴルちゃん。一人で背負う必要はないのよ。私だって村の皆は大好きだもの。という訳でぇ……エドワード様。私もランクアップさせていただけませんか?」


タゴルに続き、エクスまでランクアップさえて欲しいと言ってくる。


「いやまあ、それは別にいいんだけど……」


ポイント自体は余裕である。

カッパーの分の大量キャッシュバック、30万ポイントが見込めるからな。


「壁を超えるランクアップはかなりきついぞ?」


本気で強くなるなら、壁を超えるランクアップが必要になって来る。

これは通常のランクアップに比べてかなりきつい。

俺なら必要になるかもしれないなんて理由じゃ、限界を超えたランクアップは絶対しないだろう。


何故なら……そんな根性はないから!


「それに精霊達が強くなれば、よほどのことが無い限り村人を守ってやるくらいは出来るだろうし……別に無理にランクアップする必要はないぞ」


「メガ精霊になった暁には、マスターの敵全てを焼き尽くして見せる事を誓いましょう!」


ポッポゥが、少々物騒ではあるが頼もしい言葉を口にする。


「頼もしいわぁ。でも……精霊の皆におんぶに抱っこじゃ、騎士の名が廃れちゃうの。だから、私達も強くならなくっちゃ」


「そうか。まあ覚悟が決まっているのならもう止めないけど。タゴルも考えは変わらないか?」


「他人頼りは好きじゃないんで」


二人とも考えは変わらない様だ。


『神よ。出来れば我のランクアップもお願いしたい』


タゴルの武器。

ナタンもランクアップを求めて来た。


まさかのランクアップブーム到来である。

まあ俺はそのビッグウェーブに乗ろうとは、微塵も思わないが。


「ああ、別にいいぞ」


ナタンは武器だから痛みとか感じないだろうし、こっちは気楽な物である。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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