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素行不良で僻地に追いやられた第4王子、自分が転生者だった事を思い出す~神様から貰ったランクアップで楽々領地経営~  作者: まんじ(榊与一)


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第72話 転売駄目!絶対!

「以上が、スパムポーションの販売方式になります」


「分かりました」


ジャガリックがスパムポーションの販売について、ギルド長に説明する。


価格はポーションとハイポーションの中間程。

値段としてはありえない程破格な訳だが、この町に卸す分は冒険者達の安全性を高める為と、その素晴らしい効果の広告塔になって貰うためなので値段は抑えてある。


利益は当然減るが、まあこれは広告だからな。

あくまでも撒き餌なので、ここでガッツリ稼ぐ必要はないのだ。

効果が広まってからが本番である。


後々、高額で国内展開する予定だからな……


因みに、冒険者ギルドに販売を委託するのはメインターゲットが冒険者達だからである。

ポーションは常備薬として、家に置いて貰うために格安販売をしている訳ではない。

怪我と隣り合わせの冒険者に活用してもらい、その効果を周囲に認知させる事が目的だ。


だから一般人には手に入れられない様、冒険者を管理しているギルドに管理して貰うのである。


勿論この管理の中には、一部冒険者の買い占めの防止も含まれているぞ。

広く使って貰わんと、拡散しづらくなるからな。

まあ冒険者ギルドは冒険者を管理している訳だから、そこの所はお手の物だろう。


あと、明確な転売対策もこのポーションには施してあった。


買い占めを絞っても、冒険者が買った物を自分で使わずため込む。

もしくは他の冒険者から買い取ったりして、それを他所で販売するという行為が発生しないとも限らない。


それを抑制するための対策だ。


で、何をしたのかと言うと――


それはポーションに禁制をかけ、スパム領以外で使用した場合、その効果が通常のポーションレベルにまで激減してしまう。


という物である。

要は、領地外に持ち出したらただの割高のポーションになりますよって事だ。


領地内でしか超効果が発揮しないなら、外で転売する馬鹿は出てこないだろ?


もちろんその旨はちゃんとギルドに説明しているし、販売時もちゃんと冒険者達に伝わる様にしてあるぞ。


更に付け加えるなら、この禁制は痕跡を辿れる様になっているので、冒険者ギルドがちゃんと適正に取り扱ってるかを確認する事も出来た。


転売が出来ないとは言え、冒険者にとっては有用なアイテムである事には違いない。

活動用に数を確保しておきたいと思う者も、きっと少なくないだろう。

そういった人間に、ギルド員が賄賂を受け取り横流ししないとも限らないからな。


だからその辺りの確認のためにも、定期的な確認は必要なのである。


俺は冒険者ギルドとか、心から信頼してないからな。

自分達の事業でやりたい放題されるのは腹が立つので、そこはちゃんと取り締まっていくぞ。


「管理は冒険者ギルドにどうかお任せください」


「ああ、頼んだぞ」


「本日は男爵様に紹介したい者達がおりまして。少しお時間を頂けるとありがたいのですが」


「いいだろう」


俺に紹介したいと言うのは死の森の調査隊で、その構成員となる高位の冒険者達だ。

もちろん事前に話は通されている。

いきなり会わせたいとか言ってくる訳ないからな。


死の森が魔物の宝庫であることは疑いようのない事実だが、その正確な危険度は判明していない。

そのため、町のギルドが本格的に稼働する前にその調査を行うのだ。


定期的に訓練で入っていたアイバス子爵領の騎士団なら把握しているんだろうが、外部の情報より直接調べた方が確実だからな……


ギルドは他所からの情報を鵜呑みにはなしない。

人の命がかかっているため、机上の空論の様な真似はしないのだ。


そしてそれはスパムポーションも同じ、

なのでその効果も、後でテストを実地する予定になっている。


「では呼んでまいります」


ギルド長が席を離れる。

俺はちらりと、エクスの方を見た。


死の森の調査隊の中には、黄金級パーティーが一組呼ばれていた。

突発的な事態が発生しても対処できるように。

そしてその黄金級はエクスが所属していたパーティー――マッチョメンだった。


事前に分かっていたので、気まずいだろうから今日の俺の護衛はポッポゥだけでいいと言ったのだが、彼は『ふふふ、えり好みする様なら騎士失格よ』と言ってついてきていた。


因みに、化粧はしていない。

外では控えるとの事だ。

俺に恥をかかせないために。


パーティーを追放される事になっても貫いた自分の生き方を曲げてまで、俺の顔を立ててくれるエクス。

本当にいい人材を拾えたものだ。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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